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No.26-25_1 記事
26-25-3. 英国MAIBによる有人船・無人船衝突事故の中間報告

26-25-3. 英国MAIBによる有人船・無人船衝突事故の中間報告

9月17日、英国海難事故調査局(Marine Accident Investigation Branch:MAIB)は、作業員輸送船(Crew Transfer Vessel:CTV)「Iceni Legend」と無人水上艇(Uncrewed Surface Vessel:USV)「X18」の衝突事故について、中間報告を公表しました。本事故は2025年9月19日、北海のグレーター・ガバード(Greater Gabbard)洋上風力発電所内(フェリックストー東方約25海里)で発生しました。英国では、事故から12か月以内に最終報告書を公表できない場合、中間報告を公表することとされており、今回の報告はこれに基づき公表されたものです。[3-1] [3-2]

 

2025年9月19日12時13分、Iceni Legend(全長22.4m、乗船者6名)は、洋上風力発電施設へ作業員を移送するため航行中、水中調査を行っていたX18(全長4.58m、重量840kg)と衝突しました。Iceni Legendは左舷船首部を損傷して浸水しましたが、自力で帰港し、負傷者はいませんでした。一方、X18は大きく損傷して沈没し、中間報告公表時点でも、その残骸は海底から回収されていません。[3-2]

 

有人船と無人船が同じ海域で実際に衝突した本件では、両船が互いをどのように認識し、衝突に至ったのかが調査の焦点の一つになると考えられます。

 

MAIBは、本件について、①当日の環境条件、②両船の相互認識・通信能力、③自律運航船や無人船を取り巻く規制環境等について調査しました。調査は既に完了しており、今後、報告書案を関係者に配布し、30日間の意見聴取を経た上で最終報告書を公表する予定です。最終報告書では、衝突の原因と、衝突に至った経緯が示される見込みです。[3-2] [3-3]

 

また、MAIBは、年間の調査活動などをまとめた2025年年次報告書を9月30日に公表し、その中で本件を、海上安全をめぐる今後の課題を示す事例として取り上げました。同報告書では、本件について、人命被害はなかったものの、遠隔操作される低速の無人船が、人が操船する高速船と同じ海域でどのように運航されるのかを理解する機会になっていると指摘しました。さらに、本調査を、船舶の建造や運航に関する基準、船員の訓練のほか、人が機械の動きを、機械が人の動きをどう予測するかといった点の検討にも役立つ重要な調査と位置付けています。[3-3]

 

今回の中間報告では、衝突の原因は明らかにされていません。今後の焦点は、最終報告書で示される調査結果を踏まえ、有人船と無人船の安全な混在運航に向けて、どのような衝突防止策が検討されるかにあると言えます。

 

(日本海難防止協会ロンドン事務所 研究員 川上慶大)

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