欧州海上安全レポート

No.26-01「月刊レポート(2026年1月号)」
No.26-01 記事

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目次

  1. EMSA、海事安全に関する報告書を公表
  2. EUにおけるIMO NZFへの姿勢
  3. 欧州がロシアの影の船隊に対する姿勢を強化
  4. Frontex、不法越境に関する統計を公表

 

26-01-1. EMSA、海事安全に関する報告書を公表

◆ ポイント

 1.アンモニア燃料とAFV輸送に関する安全課題を体系的に整理。
 2.代替燃料時代における「ルール・運用・人材」の重要性を強調。
 3.日本海運にとっても、新燃料導入を支える総合的安全対応の必要性が示唆。

◆ 概要

 EMSAは、アンモニア燃料の安全性および代替燃料車両(AFV)のRo-Ro船輸送に関する2本の報告書を公表しました。アンモニアについては将来性を認めつつも、毒性や腐食性など重大な安全課題があると指摘しています。また、AFV輸送ではリチウムイオン電池火災への対応が重要な論点とされています。代替燃料の普及に伴い、設計・規制・訓練を含む包括的な安全対策の重要性が示されています。

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26-01-2. EUにおけるIMO NZFへの姿勢

◆ ポイント

 1.IMOネットゼロ枠組み延期がEU内部の結束に影響。
 2.地政学的対立が国際海運規制の不確実性を拡大。
 3.日本海運にとっても、国際規制の揺らぎを前提とした経営判断が示唆。

◆ 概要

 IMOにおけるネットゼロ枠組み(NZF)の採決延期を受け、EUは対応方針の再調整を迫られています。米国の反対姿勢やEU内部の足並みの乱れが、交渉を複雑化させています。欧州委員会はEUの結束維持を最優先課題としつつ、慎重な対応を強調しています。今後のIMO議論の行方は、国際海運全体に不透明感を残しています。

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26-01-3. 欧州がロシアの影の船隊に対する姿勢を強化

◆ ポイント

 1.海底ケーブル損傷を契機に欧州の警戒が一段と強化。
 2.影の船隊への監視・制裁・実力措置が現実化。
 3.日本海運にとっても、インフラ防護と制裁遵守リスクへの注意が示唆。

◆ 概要

 バルト海で相次いだ海底ケーブル損傷事案を受け、欧州各国はロシアの影の船隊への対応を強化しています。EUはケーブルセキュリティ行動計画を策定し、監視や修復体制の強化を進めています。各国当局による船舶の立入検査や進入拒否といった措置も実施されています。重要インフラを巡る緊張は、海運活動にも直接的な影響を及ぼしつつあります。

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26-01-4. Frontex、不法越境に関する統計を公表

◆ ポイント

 1.EU域外からの不法越境は大幅に減少。
 2.制度改革により国境管理は新たな段階へ移行。
 3.日本海運にとっても移民動向と海上治安の変化を注視する必要性が示唆。

◆ 概要

 Frontexによれば、2025年のEU域外国境における不法越境検知件数は前年比で大きく減少しました。一方で、2026年には移民・難民協定や新たな出入国管理システムの本格稼働が予定されています。海上ルートの危険性は依然として高く、死亡者も発生しています。EUは航空・船舶による監視と情報共有を通じ、各国当局の対応を支援しています。

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(以上)

 

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