欧州海上安全レポート

No.26-13「海外情報 難民救助ガイド改訂」
No.26-13-1 記事

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IMO第111回海上安全委員会(MSC111)会期期間中に、IMO、UNHCR及びICSによる「Rescue at Sea」2026年版ガイドの改訂発表会が行われ、これに参加しましたので、その様子などについてご紹介をさせていただきたいと思います。

先般の当事務所報告書No.2026-08でも紹介したとおり、欧州では、地中海や英仏海峡などを中心に、海上を移動する多数の移民への対応が大きな課題となっています。このような事案において救助が必要とされる場合は、沿岸国の救助機関ではなく、近くを航行している商船が最初に救助にあたる可能性があります。

しかし、商船が救助した後、受入国や下船先がすぐに決まらない場合、商船は救助した人々を船上にとどめたまま、本来の航路を離れ続けることになります。その結果、運航の遅れ、経済的な損失、船員の負担、船内秩序の維持などの問題が生じます。このようなリスクがあると、商船側が救助に不安を感じ、救助活動にためらいが生じるおそれがあります。

「Rescue at Sea」2026年版ガイドは、こうした問題を踏まえ、船長・船員、救助調整センター(RCC)、沿岸国、旗国、IMO、UNHCR、ICSなどの役割を整理したものです。救助後に商船が孤立しないよう、関係国・関係機関が速やかに連携し、安全な下船先を見通しを持って調整することの重要性を示す実務指針です。

《記事ポイント》

1 はじめに

  • MSC111で「Rescue at Sea」2026年版ガイドの改訂発表に参加

2 国際的枠組み

  • 船長に遭難者救助の義務はあるが、難民認定の判断権限等はない

3 「Rescue at Sea」2026年版ガイド

  • 難民保護、人権、ノン・ルフールマン、密入国対応に関する記載を強化

4 日本の視点

  • 日本関係船舶が海外で救助事案に遭遇する可能性もあり

5 まとめ

  • 本ガイドの意義は、船長の救助義務を実効的に支えること

 

《本文》

 

1 はじめに

 

IMO第111回海上安全委員会(MSC111)会期期間中に、IMO、UNHCR及び国際海運会議所(ICS:International Chamber of Shipping)による共同刊行物である「Rescue at Sea」2026年版ガイドの改訂発表会が行われ、筆者はこれに参加しました。

本報告書は、同発表会で示された内容及び関連する国際制度を整理し、海上で救助された難民・移民等の取扱いをめぐる国際ルールと実務上の課題を明らかにすることを目的としています。

以下では、関連する国際ルールを概観したうえで、「Rescue at Sea」2026年版ガイドの内容と、MSC111における発表報告の様子を中心に紹介します。

 

 

2 海上における救助をめぐる国際的枠組み

 

(1)海上における救助の基本構造

海上における救助の出発点は、船長の人命救助義務です。SOLAS条約やUNCLOSにより、船長は、遭難者の国籍、身分、移動目的、法的地位にかかわらず、可能な限り速やかに救助に向かう義務を負います。この義務は、海上における人命尊重を基礎とする最も基本的な国際海事法上の義務です。

この義務は、軍艦や巡視船等の公的船舶に限られず、一般の商船を含むすべての船舶の船長に課されます。外洋は広大であり、遭難現場に最初に居合わせるのは近くを航行する商船であることが多いため、救助専用船ではない一般航行船舶が実際の第一救助者となる場面は少なくありません。日本では救助といえば海上保安庁が想起されやすいですが、それは沿岸国が自国の担当海域で組織的に救助を実施・調整する国家の捜索救助体制によるものであり、ここでいう船長個人の救助義務とは性質が異なります。

しかし、船長の義務には限界があります。船長は、救助された者が難民であるか、庇護希望者であるか、移民であるか、又は密航者であるかを法的に判断する責任も権限も有しません。難民認定、庇護申請の取扱い、身元確認、入国管理上の判断、犯罪捜査等は、関係国政府や権限ある当局が担うべき事項です。

したがって、海上における救助は、船長・船員だけで完結するものではありません。船長が海上で遭難者を救助した後、救助調整センター(RCC)、沿岸国、旗国、港湾当局、国際機関、人道機関、船主、保険者等が関与し、安全な場所への下船を調整する必要があります。海上における救助は、現場における船長の即応義務と、国家・関係機関による事後調整義務が組み合わさって初めて実効的に機能する制度です。

 

(2)関係する国際法体系

海上で救助された難民・移民等の取扱いは、単一の法体系だけで処理できる問題ではありません。国際海事法、国際難民法、国際人権法、国際刑事法が重なり合う複合的な問題です。

第一に、国際海事法の観点からは、SOLAS条約SAR条約UNCLOSが重要です。これらは、船長の救助義務、国家の捜索救助体制の整備、RCCを通じた救助調整、安全な場所への引渡しといった基本的枠組みを構成します。

第二に、国際難民法・国際人権法の観点からは、1951年難民条約に基づくノン・ルフールマン原則が重要です。これは、難民や庇護希望者を、生命や自由が脅かされるおそれのある場所へ送還してはならないという原則です。ノン・ルフールマン原則は、慣習国際法上の性質を有するものとして広く理解されています。

第三に、国際刑事法の観点からは、国連越境組織犯罪防止条約(UNTOC:United Nations Convention against Transnational Organized Crime)、密入国プロトコル、人身取引プロトコルが関係します。各国には密入国や人身取引への対策が求められる一方で、対象者の生命の安全や人道的取扱いを確保する義務も存在します。したがって、密航や犯罪対策の必要性は、人命救助や人権保護の義務を排除するものではありません。

このように、海上における救助をめぐる国際ルールは、海上での安全確保、難民保護、人権保障、国境管理、犯罪対策を同時に調整する複雑な制度となっています。

 

(3)IMOによる制度的枠組みの確立——2004年IMOガイドライン及び条約改正

海上で人命を救助する義務は古くから存在していましたが、救助後の下船先をめぐる調整については、必ずしも十分に明確ではありませんでした。特に、救助された者が難民又は移民である可能性がある場合、沿岸国が下船受入れに消極的となり、救助を行った船舶が長期間にわたり航路を離脱せざるを得ない事案が問題となりました。

この課題に対応するため、2004年5月、IMOにおいて「海上で救助された者の処遇に関するガイドライン」(決議MSC.167(78))が採択されました。同時に、SOLAS条約及びSAR条約の改正も採択されました。これにより、救助を行った船長を、最小限の航路逸脱で、できる限り速やかにその義務から解放するため、政府が協力・調整する義務が明確化されました。また、救助された人々を引き渡すべき「安全な場所(Place of Safety)」の考え方も具体化されました。

この改正の意義は、既存の国際海事法を根本的に作り替えたことにあるのではありません。むしろ、従来から存在していた船長の人命救助義務を、難民・移民問題を伴う現代的状況の中でも機能させるため、国家側の協力・調整義務を補完的に明確化した点にあります。すなわち、船長に「救助せよ」と命じるだけでは不十分であり、救助後に船長を適切に解放するための政府間調整が必要であることが制度上明確にされたのです。

 

 

3 実務手引き「Rescue at Sea」2026年版ガイド及び発表会での議論

 

(1)「Rescue at Sea」2026年版ガイドの概要

第2章(3)でみた2004年のSOLAS条約及びSAR条約改正が政府の協力・調整義務を条約上明確化し、MSC.167(78)ガイドラインは、その実施に当たっての考え方や実務上の指針を示すものです。それに対し、「Rescue at Sea」ガイドは、その枠組みを含む国際ルールを、船長・船員や関係当局が現場でどう実践するかを示す実務上の手引きであり、それ自体が法的拘束力を持つものではありません。この「Rescue at Sea」2026年版ガイドは、2006年版、2015年版に続く第3版として位置付けられます。MSC111の発表会では、初版は、海上で救助された者が後に移民又は難民であると判明した事案を受け、船長及び当局に対して、法的義務や救助手続に関する実務的方向性を示すものとして作成されたことが説明されました。その後、2015年版では、保護上の新たなニーズを反映する形で内容が更新されました。2026年版は、UNHCRが中心となり、IMO及びICSとの協議を経て作成されたものです。

2026年版の特徴は、従来の海上における救助に関する原則に加え、国際難民法、ノン・ルフールマン原則、人権上の義務、スクリーニング時の保護措置、遭難状態の評価、安全な場所の定義、密入国・人身取引に関する国際法上の義務などを拡充・強化した点にあります。また、同ガイドは、単に法律上の原則を列挙する文書ではなく、船長、船員、船主、RCC、港湾当局、政策担当者等が、実際の救助事案において何をすべきかを理解するための実務的手引きです。

 

(2)MSC111発表報告

ア 各機関の発言

MSC111の発表会において、IMO事務局長(Mr. Arsenio Dominguez)は、海上で遭難している人々を支援することは、SOLAS条約及びSAR条約に組み込まれた最も古く基本的な義務の一つであると述べました。さらに、沿岸警備機関、海軍、捜索救助機関、商船による救助活動を評価し、遭難者への支援は、単に規則上の義務にとどまらず、船員の伝統及び海運の本質に根差すものとしました。同ガイダンスについては、法的義務を海上での具体的行動に移し、政府に明確性を、船長及び乗組員に実務的手順を与えるものと位置付けています。

UNHCR国際保護局長(Ms. Elizabeth Tan)は、海上における救助を、難民、庇護希望者、無国籍者等の保護に直結する人道上・法的課題として位置付けました。危険な海上移動は、溺死だけでなく、人身取引、虐待、押し戻し、庇護を求める権利の否定といったリスクを伴うため、海上における保護は極めて重要であると説明しました。UNHCRはまた、国際法上、各国は協力して海上の人々を救助し、安全な下船を確保しなければならないと述べました。

ICS事務局長(Mr. Thomas Kazakos)は、商船及び船員の立場から、救助は抽象的な原則ではなく、深く根付いた道徳的かつ法的責任であると述べました。商船は通常、世界経済を支える物資を運んでいますが、遭難通報が入れば商業上の考慮は後退し、人命が最優先されます。その一方で、ICSは、船主と船員だけでこの課題を背負うことはできず、旗国、沿岸国、RCC、国際機関、人道機関の効果的な国際協力が不可欠であると強調しました。特に、船員が命を救うために行動する際には、各国間の効果的な調整と、安全かつ迅速な下船をあらかじめ見通せるようにする取決めによって支えられる必要があると述べました。

イ 重要な論点と萎縮効果

これらの発言から浮かび上がる論点は、海上における救助は共同責任であり、船長・船員の救助義務を実効的に機能させるためには、救助後の下船が、迅速に、かつあらかじめ見通せる形で調整されることが不可欠であるという点です。

特に重要なのは、救助後の下船先が確保されないことによる萎縮効果への懸念です。商船が遭難者を救助した後、受入国や安全な下船地が決まらなければ、船舶は本来の航路から離脱し続けることになります。これにより、運航遅延、経済的損失、船員の疲労、船内秩序維持、食料・医療・衛生面の負担等が発生します。こうしたリスクが現場で認識されれば、船長や船主が救助活動に踏み切る際の不安要素となり、結果として救助の遅延や萎縮を生じさせる可能性があります。

ウ 下船調整の必要性をめぐる発言

UNHCRは、救助が遅れることがあるのは、船長や乗組員が助けたくないからではなく、助けた場合に良い結果につながるのか、自らが遅延や困難に巻き込まれないかを確認したいからであるとの趣旨を述べています。この発言は、今回の議論の本質を示しています。すなわち、救助義務を現場で維持するためには、救助後に船舶が孤立しない制度的保証が必要なのです。

ICSも、過去の事例では、関係国間で法的定義や手続の解釈が一致しなかったため、下船の遅れ、財政的問題、船上対応上の問題が生じたと述べました。その上で、「安全な場所」とは何か、下船手続はどうあるべきかについて、単なる連携ではなく、共通の解釈と実施が必要であると強調しています。

 

(3)ガイドが扱う実務上の論点

2026年版ガイドは、MSC111の発表会で示された論点の背後にある実務上の課題について、具体的な指針を示しています。以下では、「安全な場所」の意味、ノン・ルフールマン原則と判例、及び法執行・国境管理と人道保護の調整の三点を取り上げます。

ア 「安全な場所」の意味

「安全な場所」は、単に最寄りの港や陸上施設を意味するものではありません。救助された者の生命の危険がなくなり、基本的なニーズが満たされ、庇護申請を含む必要な保護や手続にアクセスできる場所でなければなりません。UNHCRも、救助は海上で人を収容した時点で終わるものではなく、こうした安全な場所への下船まで確保されて初めて完結すると述べています。

イ ノン・ルフールマン原則と判例

この点で重要なのが、ノン・ルフールマン原則です。救助された者が難民又は庇護希望者である可能性がある場合、迫害、拷問、非人道的取扱い、生命・自由への重大な危険がある場所へ下船させてはなりません。したがって、「安全な場所」の判断には、海上安全だけでなく、国際難民法・国際人権法上の保護義務が含まれます。

このノン・ルフールマン原則が公海上の対応にも及び得ることを示した判例として、2012年の欧州人権裁判所「Hirsi Jamaa and Others v. Italy事件」が重要です。同事件は、イタリア当局が公海上で移民船を阻止し、リビアへ送還した事案であり、国家の管轄権が及ぶ限り、領海外であってもノン・ルフールマン原則や人権義務が問題となり得ることを示しました。すなわち、下船先や引渡し先の判断においては、海事上の利便性だけでなく、送還先で迫害や重大な危険がないかを確認する必要があり、単に出発地や第三国へ戻せば足りるわけではありません。

ウ 法執行・国境管理と人道保護の調整

海上で救助された者が密入国、人身取引、組織犯罪と関係する可能性は否定できず、沿岸国には国境管理や法執行の要請も生じます。もっとも、犯罪関与の疑いがあること自体は、人命救助を拒む理由にはなりません。原則として、まず人命を救助し、その後に権限ある当局が身元確認、スクリーニング、庇護申請への対応、犯罪捜査等を行うことになります。

もっとも、船長の救助義務は、自船、乗組員又は旅客に重大な危険を及ぼさない範囲で履行されるものです。UNCLOS第98条は、船長の救助義務を「自船、乗組員又は旅客に重大な危険を及ぼさない限り」において課しており、救助によって自船や乗組員の安全が著しく脅かされる場合まで強制するものではありません。実務上も、少人数の商船が多数の被救助者を収容する際には、船内秩序の維持や乗組員の安全管理が現実的な課題となります。実際、2019年の「El Hiblu 1」事件では、商船に救助された被救助者が、リビアへの送還を避けるため乗組員に針路の変更を迫ったとされ、到着先のマルタで、被救助者のうち当時15歳・16歳・19歳であった3名(うち2名は未成年)が、船舶の乗っ取りやテロ行為等の容疑で訴追されました。したがって船長は、人命救助を最優先しつつも、自船・乗組員の安全を確保し、必要な安全措置を講じたうえで、RCCや関係当局と緊密に連絡を取りながら対応する必要があります。

2026年版ガイドは、こうした場面を念頭に、密入国・人身取引への対応に関する新たな項目を設け、当局向けに、対象者の選別(スクリーニング)、関係機関間の情報共有、対象者に危害を加えないための配慮、個人情報の保護といった実務上の留意点を示しています。

 

(4)救助現場における役割分担

救助現場で最初に対応するのは、商船であることが少なくありません。第2章(1)でみたとおり、救助義務はすべての船舶の船長に課されており、救助専用船ではない商船であっても、遭難現場に最初に到着すれば救助の主体となります。そのため2026年版ガイドは、商船側の実務的な備えとして、十分な救命設備、救助・通信の手順、RCCとの迅速な連絡、救助事案の記録、乗組員の安全確保などの重要性を明確にしています。

他方、救助後の下船調整は、船長・船員だけで処理できるものではありません。RCCは救助活動の調整を行い、沿岸国は安全な場所への下船に関する調整を行います。旗国は自国船舶に関する支援を行い、IMO、UNHCR、ICS等は、それぞれの専門性に応じて、制度面、人道面、海運実務面から支援します。

第2章(1)で述べたとおり、船長に難民認定や入国管理上の判断を負わせるべきではありません。船長の役割は、人命を救助し、関係当局と連絡し、可能な限り安全に救助者を保護することにとどまります。救助された者の法的地位や受入国の判断は、政府・関係当局が担うべきものです。

 

 

4 日本の視点から

日本は、地中海やドーバー海峡(英仏海峡)に見られるような大規模な難民・移民の海上移動に、日常的に直面している国ではありません。しかし、日本は海洋国家であり、世界中に商船を運航する海運国家です。また、広大な周辺海域を有する沿岸国でもあります。そのため、海上で救助された難民・移民等の取扱いに関する国際ルールは、日本にとっても決して無関係ではありません。

具体的には、日本の商船が海外で救助にあたる場合、船長が負うのは人命救助義務であって難民審査の権限ではなく、下船調整は関係国政府の責任です。こうした理解は関係者の間で既に共有され、関係機関(海上保安機関、入管・外務当局、港湾、医療・福祉関係者等)も連携して対応にあたっていますが、今回のガイドは、その共通の拠り所を改めて確認する機会となり、いざという場面での円滑な対応を支えるものといえます。

なお、この問題は日本にとって初めてのものではありません。1975年以降、インドシナ難民(ボートピープル)の一部は、洋上で貨物船やタンカー等に救助されて日本の港に上陸し、日本は最終的に約1万1,000人を受け入れています。これは、商船による洋上での救助と、その後の受入れという、本報告書が扱う問題を、日本自身がかつて経験した事例といえます。

 

 

5 まとめ

「Rescue at Sea」2026年版ガイドは、海上で遭難している難民・移民等の救助をめぐり、国際海事法、国際難民法、国際人権法、国際刑事法の交錯する領域において、実務上の指針を与えるものです。その意義は、船長・船員の救助義務を弱めることではなく、むしろその義務を現場で確実に履行できるようにする点にあります。

本件の核心は、救助義務そのものではなく、救助後の下船調整にあります。船長・船員は、遭難者を救助する義務を負います。しかし、救助後に受入国や安全な下船地が決まらず、船舶・船員が長期間拘束されるのであれば、その負担は商船による救助活動に遅延や萎縮を生じさせる可能性があります。

日本にとっても、この問題は遠い地域の特殊な課題ではなく、今回のガイドの改訂は、関連する諸分野を一体的にとらえる視点を示すものとして、日本の実務にも参考になります。

今後に向けては、MSC111の発表会での議論からも課題が浮かび上がります。とりわけ、救助後にどの港を安全な場所とし、誰がどう調整するのかをあらかじめ取り決めておくこと、そして「安全な場所」や下船手続の解釈について国際的・地域的な対話を通じて共通理解を形成していくことが重要です。

要するに、2026年版ガイドの最大の意義は、次の点に集約されます。

海上で人命を救助する義務を実効的に機能させ続けるためには、救助後に安全かつ迅速に下船できると、あらかじめ見通せることが不可欠であり、そのためには関係国による責任ある調整が必要です。

 

(日本海難防止協会ロンドン事務所長 立石良介)

 

 

参照資料

  1. Rescue at Sea
    A guide to principles and practice in the context of refugees and migrants movements

https://data.unhcr.org/en/documents/details/122425

  1. IMO決議167(78)
    Guidelines on the Treatment of Persons Rescued at Sea

https://wwwcdn.imo.org/localresources/en/KnowledgeCentre/IndexofIMOResolutions/MSCResolutions/MSC.167%2878%29.pdf

  1. UNHCR General legal considerations
    General legal considerations: search-and-rescue operations involving refugees and migrants at sea

https://www.refworld.org/policy/legalguidance/unhcr/2017/119597

  1. 国連越境組織犯罪防止条約(UNTOC)及び関連議定書
    United Nations Convention against Transnational Organized Crime and the Protocols Thereto

https://www.unodc.org/documents/treaties/UNTOC/Publications/TOC%20Convention/TOCebook-e.pdf

  1. 密入国議定書
    Protocol against the Smuggling of Migrants by Land, Sea and Air

https://www.unodc.org/documents/middleeastandnorthafrica/smuggling-migrants/SoM_Protocol_English.pdf

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