2020/10/01LROニュース(7)

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  • 2020.10.01 UP
    2020/10/01LROニュース(7)
    • 【1】 チャールズ皇太子が気候変動マーシャルプランを提唱
      • 【1】英チャールズ皇太子は9月21日、NYで開催された気候週間(Climate Week)のビデオメッセージにおいて、気候変動によってもたらされる危機と自然界の喪失による「包括的な大惨事」に対し、戦争状態の様な態度で真剣に取り組む必要があることを参加者に呼びかけた。皇太子は、地球温暖化と生物多様性の縮小という脅威は、パンデミックの打撃をも凌ぐと語り、かつて第二次世界大戦で被害を受けた欧州を再建した復興援助計画「マーシャル・プラン」と同規模の、気候変動問題のための「マーシャルプラン」に取り組む必要性を表明した。また各国政府とビジネスリーダーに対して、GHGの削減・環境汚染を続けている産業への補助金の撤廃・自然界の復元に関する明確な戦略をまとめることを求めている。同様に、英国や独、EUは2050年までの炭素中立化に向けて取り組んでいるが、こうした努力では不十分であり、人類が直面している問題の深刻さを考慮すれば、2030年までの炭素中立を実現可能にする真の変革が絶対的に不可欠であると述べた。
      • 原文 September 21, 2020, The Guardian(植木エミリ)
    • 【2】 EUの海洋再生可能エネルギーに関する戦略が明らかに
      • 【2】EUは洋上風力・波力・潮力などの再生可能エネルギーの活用戦略を年末までに発表する予定であるが、9月24日にパブコメが締め切られたロードマップによると、欧州委員会の「北海・バルト海・黒海・地中海・大西洋における大規模な海洋再生可能エネルギーの開発をテコ入れしたい」という意図は明らかである。現在の欧州理事会議長国を務める独は、洋上風力発電の開発に特に熱心で、独政府は昨年、停滞している風力発電事業を揺り動かすために、洋上風力発電事業に関するロードマップを作成した。欧州委員会は、欧州における洋上風力発電の大幅な規模拡大を主に目指す一方で、潮力発電や波力発電などの新興技術が重要な役割を果たすことも予測している。潮流発電は、海中に風力発電のタービンを設置するようなものだが、既にいくつかの試験施設が完成しており、波力発電に比べて商業化に近づいている。波力発電については、現在様々なプロトタイプが実際に海で試験中で、波の動きによって海中のロープを引っ張って発電するブイのような形のものから、波の動きで空気を押し出してタービンを動かす大規模な浮体施設のようなものまでさまざまである。
      • 原文 September 28, 2020, EURACTIV(植木エミリ)
    • 【3】 ReCAAP ISC 週間報告書(9月22日から28日)
      • 【3】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)に、9月22日から28日まで通報された事件は、重要度4(賊は武装せず、乗組員の負傷なし)の窃盗事件が2件であったが、その概要は以下のとおり。①9月23日、インドネシアのPulau Nongsaから北東約3.5海里のシンガポール海峡東航レーン内を航行中の貨物船で、機関室内を巡回していた機関長が主機の予備品が複数盗まれているのを発見した。船内に賊の姿はなく、賊がいつ船内に侵入したのかも分かっていないが、機関室を乗組員が離れた午前0時01分から機関長が巡回を実施した午前2時までの間に犯行が行われたものとみられている。②6月14日午前0時01分ころ、ベトナムのブンタウ錨地に錨泊中の貨物船に複数の賊が侵入し、船首楼にある塗料庫内から塗料缶を複数盗み逃走した。
      • 原文 September 29, 2020, ReCAAP ISC(若林健一)
    • 【4】 中国が2060年までに炭素中立化を実現するための手段
      • 【4】中国が2060年までに炭素中立化を達成するには、化石燃料に圧倒的に依存している同国において、劇的に違う発電方法を見つける必要がある。地球の気温上昇を1.5℃以下に抑制するには、CO₂排出量は350GTを超えてはならないが、中国は毎年排出される33GTのCO₂のうち28%を占める最大の排出国である 。中国では毎年、地球全体のエネルギー消費量の1/5、石油21億トン分に相当する88EJを消費しており、使用されるエネルギーの2/3は化石燃料によって賄われ、3600億台 の自動車のほとんどが石油 を燃料にし、石炭火力によって2/3の電力が生産されている。中国の脱炭素化を可能にする最善の方法は、再生可能エネルギーによる電気の生産量を増やすことであるが、電気を使用する他の利点として、より少ないエネルギーで同じ性能を発揮できることが挙げられる。例えば、電気エンジンは内部燃焼機関の3~4倍効率が良く、地熱を利用して家を温める電気モーターによる熱ポンプも、ガスボイラーの3~4倍効率が良い。または、消費するエネルギーが灯油ランプの1/50であるLEDライトなども挙げられる。
      • 原文 September 29, 2020, Reuters(植木エミリ)
    • 【5】 IAPH: 港湾ターミナルにおけるLNG燃料船の安全なハンドリング
      • 【5】国際港湾協会(IAPH)が標記ガイドラインを発表したところその概要は以下のとおり。①LNGを燃料とする新船や改造船の港湾への寄港数が増加する中で、港湾側もLNG燃料船を受け入れ、LNG燃料供給中も、安全に貨物の積み下ろしができるよう準備する必要がある。②これらのLNG燃料船は安全に設計されているものの、ターミナル管理者は、重油燃料船と比べたLNG燃料船のリスクレベルに応じて、既存の安全手順を再検討する必要がある。③このためIAPHのクリーン舶用燃料(CMF)WGは、ターミナルに停泊した船舶に船舶から船舶へLNGを給油する場合も含め、LNG燃料船の安全な取り扱いを担保するために、ターミナル管理者の手続面・運用面での準備態勢に関する本ガイドラインを作成した。④このガイドラインに従って、安全管理システムの手順・従業員のスキル等を整備したターミナルは、「LNG対応可能ターミナル」として認定される。
      • 原文 September 28, 2020, IAPH(長谷部正道)
    • 【6】 CBD: 人為的な海中騒音:海洋・沿岸部における生物多様性への影響
      • 【6】生物多様性条約(CBD)事務局が表記報告書の案を公表しているところその概要は以下のとおり。①人類による海洋の利用が増えたため過去100年間、海洋環境における人為的な騒音が大幅に増加した。②近年、人為的な海中騒音が、重要な地球的汚染源としてとらえられ、海洋動物に対しても大きなストレスを与えていることが認識されるとともに、解決が必要な課題として認識されている。③海洋環境には物理的/生物学的な原因で発生したいろいろな自然の音が存在する。④一方で、船舶の運航・石油ガス開発・様々なソナーの使用などによって人為的に発生した騒音により、海中の世界は大きな影響を受けている。⑤多くの海洋性の動物にとって、音は非常に重要な存在であり、連絡・遊泳・食事・天敵の襲来の探知などに利用されている。
      • 原文 September, 2020, 生物多様性条約(長谷部正道)
    • 【7】 英国首相:英国の状況は重大な局面にあると警告
      • 【7】英国では一日の新規感染者数が7,000人を超え過去最多を記録した。ジョンソン首相は9月30日に記者会見を行い、全国的に感染者数や入院患者が急増していることを改めて説明し、英国は感染拡大を抑制するための重大な局面にあると述べ、再び全面的なロックダウンを発令することを避けるため現在の政府のガイダンスに従うよう国民に対して呼びかけるとともに、必要な状況となればさらに厳しい制限を躊躇なく課すと警告した。

        ※9/30の英国の感染者数:7,143人(日本301人の24倍、緊急事態解除基準47人の152倍)
        ※9/30の英国の死者数:71人(日本9人の7.9倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 September 30, 2020, Evening Standard (若林健一)
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