2020/09/01LROニュース(7)

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  • 2020.09.01 UP
    2020/09/01LROニュース(7)
    • 【1】 INTERPOL: 世界で増加するプラスチックごみの違法取引/処分
      • 【1】8月27日、国際刑事警察機構(INTERPOL)は2018年1月以降、世界で増え続けるプラスチックごみの違法取引に関する報告書を取りまとめたところその概要は以下のとおり。①2018年1月以来、プラスチックごみが実際に発生した国を隠すために、第3国を経由して、東南アジアの諸国にプラスチックごみを違法に海上輸送する犯罪件数が急増している。②さらに偽造された書類や虚偽の廃棄物登録などを使用した欧州/アジア諸国における違法なプラスチックごみの焼却や埋め立ての件数も増加しており、犯罪の範囲の広がりと複雑性が浮き彫りにされている。③今回の報告書は40の加盟国の公開情報と犯罪捜査情報を基き、世界のプラスチック廃棄物市場における不正貿易ルートや犯罪行為について包括的な情報を提供し、個々の事案にあった法の執行方法について勧告している。
      • 原文 August 27, 2020, INTERPOL(長谷部正道)
    • 【2】 韓国:9/1からSOx規制(0.1%)海域規制を施行
      • 【2】韓国海洋水産部は「港湾における大気汚染の改善に関する特例法」第10条第1項に基づき、同国の主要港湾及びその周辺海域(SECA)にて停泊/錨泊する船舶について、硫黄含有分0.1%の燃料油を使用することを義務付ける法律を9月1日から施行する。さらに2022年1月1日からは、第2段階として、SECAを運航する船舶にも規制の対象を拡大する。第1段階の規制はMARPOL Annex VIに従い、現在EUが実施しているSECAに関する規制と類似した規制となる。本規制に適合した燃料油への切り替えは、着岸後1時間以内に実施し、元の燃料への切り替えは、離岸する1時間前から実施することができる。海洋水産部が承認するスクラバー(開放型も含む)を使用することもできる。船舶は燃料の切り替えに関する記録を保全し、使用する燃料油やスクラバーに関する文書も当局の求めに応じて提出する義務がある。規制値を超える燃料油を使用した場合には、1年以内の懲役刑または1000万ウォン(約89万円)以下の罰金刑が科せられる。
      • 原文 August 28, 2020, IBIA(長谷部正道)
    • 【3】 ベーリング海の米EEZ内で演習中の露海軍と米漁船が遭遇
      • 【3】米国の漁業関係者や沿岸警備隊によると、8月26日にベーリング海の米国の排他的経済水域(Exclusive Economic Zone:EEZ)内でタラ漁を行っていた米国漁船が露海軍の艦艇と遭遇し、漁を行っていた海域から移動するように要求を受けた。米沿岸警備隊によると、米国のEEZ内では米国漁船は漁業活動を行う権利を有しているが、他国の船舶による通航のための入域を妨げるものではない。露海軍は当該海域において事前に計画していた演習を実施中であったとされ、露国防省は翌27日に映像を公開してミサイル巡洋艦と原子力潜水艦が合同でミサイル発射訓練を実施したことを明らかにしている。
      • 原文 August 27, 2020, Alaska Public Media(若林健一)
    • 【4】 ベネズエラ沖で石油貯蔵タンカーが浸水し沈没のおそれ
      • 【4】ベネズエラとトリニダード・トバゴの間にあるパリア湾に位置するコロコロ油田に洋上貯蔵積出施設として係留されているベネズエラ籍タンカー「Nabarima」が沈没の危機に瀕している。同船には現在120万バレル(約16万トン)の原油が搭載されているが、機関室やその周囲の区画が高さ約1.5メートルまで浸水し、排水作業が行われているが水位は上昇しており、船体は右舷側に傾斜している。同船は2005年に建造され遅くとも2015年以降同海域に係留されているが、同船を管理するベネズエラ国有企業PdV社が5年間にわたって適切な修繕を実施していないとの情報もある。同船は機関室が浸水していることから、搭載している原油を荷揚げするためにターミナルまで自力で航行することも困難な状態にあると思われる。
      • 原文 August 31, 2020, Argus(若林健一)
    • 【5】 トーゴの南方沖合で漁船が乗っ取られる
      • 【5】8月28日午前7時30分ころ、トーゴのロメの南方約95海里の海上を航行していた漁船が賊による襲撃を受け、乗っ取られたと見られている。漁船は現在東に向かって航行しており、当局が対応に当たっている。ギニア湾における漁船を狙ったこの手の犯行は珍しいものではなく、ベストプラクティスの励行を怠ることにより標的とされ、日和見的に犯行が行われる場合が多い。本件が、漁船を襲撃する犯行グループがより大きな船舶に接近して乗り移る能力を有することを示すものではないが、付近海域を航行する船舶は引き続き警戒を続ける必要がある。
      • 原文 August 28, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【6】 シンガポール:船員交代の要件を見直して専用施設を設置
      • 【6】シンガポール港の港長(海事港湾庁: MPA)は、同港での船員の交代の要件を見直して9月1日から適用すると発表したが概要は以下のとおり。①船員交代を認めるケースとしては、船員の雇用契約期間が超過している場合、安全運航に必要な定員数より多く乗っている船員を下船させる場合、船舶の売買に伴い交代が必要となる場合、下船させる者が監督者など船の乗組員ではない場合、船員の家族に不幸があった場合や健康上の理由から乗船継続が困難な場合とする。②船員を乗船させる場合、感染リスクが低い国や地域から入国する船員以外のすべての船員は出発地で14日間の隔離措置が必要。コロナウィルスに感染した船員は陽性を確認した検査日から21日以上経過した後に出国すること。出国前48時間以内に政府の承認を受けた施設等でPCR検査を受け、陰性の検査結果を取得する必要がある。③船員を下船させる場合、下船する船員は下船前14日間上陸してはならずその間健康な状態が維持されている必要がある。下船前24時間以内にシンガポールの医者による渡航に関する健康証明を取得する必要がある。④Tanjong Pagarターミナルに船員交代の専用施設(Crew Facilitation Centre:CFC)を設置して、交代のため乗船する船員が船の到着を待つ間待機する場合や、船員が感染した場合に濃厚接触した船員を隔離する場合等に使用する。
      • 原文 August 28, 2020, MPA(若林健一)
    • 【7】 ギリシャから到着の航空機内でクラスター発生か?
      • 【7】8月25日にギリシャのザギントス島から英国ウェールズのカーディフに到着した旅客機に搭乗していた乗客193名のうち7名がコロナウィルスに感染していたことが確認され、政府はこの機体に搭乗していた乗客・乗員の全員に対して2週間の隔離措置を課す方針を明らかにした。搭乗していた乗客の1人は、多くの乗客がマスクを着用せずに他人と会話するために機内の通路を行き来し、乗員もこれを注意することはなかったと証言している。現在までに感染が確認された乗客は16人に及んでおり、ウェールズの保健当局が残りのすべての乗客に連絡をとるとともに、自覚症状がない場合でも自主隔離を実施することや直ちに検査を受けるよう呼び掛けている。

        ※8/30の英国の感染者数:1,715人(日本849人の2倍、緊急事態解除基準47人の36倍)
        ※8/30の英国の死者数:1人(日本9人の0.1倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 August 31, 2020, BBC (若林健一)
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