2020/07/03LROニュース(7)

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  • 2020.07.03 UP
    2020/07/03LROニュース(7)
    • 【1】 洋上風力発電の採算性と気象・海象条件
      • 【1】 2年前までは、洋上風力発電は世界的にみても取るに足らない規模であったが、2030年までには1兆ドル(約107兆円)規模の事業に成長することが予想される。2010年以来海上風力は強まる傾向にあり、この傾向はあと少なくても10年は続き、洋上風力発電の効率化に貢献する。しかし、非常に激しい嵐に遭遇し、洋上風力発電がダウンした際には、バックアップの発電設備がない限り、電力の供給に大きな影響を与えることになるので、洋上風力発電の関係者にとっては、このような非常事態がいつ起こるかを予測し準備することが重要である。米国には現在洋上風力発電施設は1か所しかないが、エネルギー省は2030年までには、700億ドル(約7.5兆円)の事業規模になると予想しており、今後は沿岸ばかりではなく、より沖合に設置されることとなり、より厳しい気象海象条件を想定する必要がある。洋上発電予定海域の風力の強さをより正確に予測することが、事業の採算性の予測に不可欠である。
      • 原文 June 30, 2020, Forbes(長谷部正道)
    • 【2】 WOC: 日本財団/GEBCO Seabed 2030事業のオンライン調査に協力呼びかけ
      • 【2】 世界海洋協議会(WOC)は、日本財団/GEBCO Seabed 2030事業の主要パートナーとして、2019年の持続可能な海洋サミット(SOS)においてもSeabed 2030事業に関する特別セッションを開催したが、7月1日、海運会社をはじめとする海洋関連民間事業者に、現在実施中のオンライン調査に協力するように呼び掛けた。既存の全ての海洋の水深に関する情報を発見し発行するために、Seabed 2030事業は世界の海洋地図作成者・水路学者・科学者・民間事業者等を結集した世界的な共同体を作り上げているが、既存の情報で足らない部分についてはMap the Gapと称する新たな情報収集活動を実施することも目指している。WOCはWOCのSMART Ocean/SMART Industries事業の一環として、海洋関連事業者が海底の情報を含むすべての情報を収集・共有することを目指しており、Seabed 2030事業のために水深情報の収集に協力することに興味がある企業はWOCに連絡して欲しい。
      • 原文 July 1, 2020, World Ocean Council(長谷部正道)
    • 【3】 コロナ予防対策としての使い捨てマスク使用の環境上の問題
      • 【3】 ロンドン大学UCLのPlastic Waste Innovation Hubが発表した標記研究報告書の概要は以下のとおり。WHOはパンデミック予防対策として一般の国民がマスクを着用することを推奨していないが、マスクを着用することによって感染者から吐き出される細かな飛沫が飛散する範囲と量を減らすことができるとの多くの報告もあり、多くの国が国民に対してマスクの着用を推奨している。英国では6月15日より公共交通機関でのマスク着用が義務となったが、販売されているマスクのほとんどはプラスチックの層からできている使い捨てマスクで、仮に英国民が1年にわたって毎日1枚使い捨てマスクを使用した場合、新たに6万6千トンのプラスチックごみが環境へ流出し、気候変動へ与える影響は再使用可能なマスクを使用した場合の10倍以上となる。医療現場では、使い捨てマスクや手袋を安全に分別して処理するシステムがあるが、医療現場以外ではこうした安全な処理システムが無く、マスクの着用を強制化することは、家庭ごみの量を増やし、ポイ捨てされるマスクを増やすことになる。再使用可能なマスクの性能は使い捨てマスクとほぼ変わらないことが実証されており、同研究所は、英国政府がマスクの着用を義務付けるのであれば、再使用可能なマスクの使用や洗濯方法についても併せて周知を図る必要があると勧告した。
      • 原文 April 24, 2020, Plastic Waste Innovation Hub(植木エミリ)
    • 【4】 EUの水素戦略におけるBlue Hydrogenの位置づけ
      • 【4】 EUは7月中旬に長期の水素戦略を発表する見通しだが、炭素回収・貯留(CCS)技術と組み合わせて天然ガスから製造されるBlue Hydrogen(BH)を計画に含めるか否かが議論の核となっている。欧州では、BHをクリーンな燃料に移行するまでの橋渡しとして使用する動きが高まりつつあるが、価格変動が大きく、欧州諸国にとっては政治的リスクも高い天然ガスへの依存を残すことになる。一方、再生可能エネルギーによる電力で水を電気分解することで製造されるGreen Hydrogen(GH)は、価格競争力と電解槽の操業率を上げるための需要の確保が課題となっている。独・仏・蘭・ベルギー・スイス・オーストリア・ルクセンブルク政府によるPentalateral Energy ForumはGH優先を明確にしているが、水素市場の急速な拡大と、より早急なGHG排出量の削減を図るにはBHも排除すべきでないという見方もあり、6月10日に独自の国家水素戦略を採択した独政府も、長期的に持続可能性のある水素はGHのみであるとしながらも、BHへの門戸も開けたままにしている。英国の気候変動委員会も、6月末に発表した年次報告書において、BHを排除しない意思を明確にしている。
      • 原文 July 1, 2020, Green Tech Media(植木エミリ)
    • 【5】 ASEAN首脳会合で南シナ海問題の明確な対応を示せず
      • 【5】 コロナウィルスの影響により延期されていた第36回ASEAN首脳会合が6月26日にテレビ会議形式で開催され、南シナ海を巡る問題がコロナウィルスの感染拡大とともに主要な課題となった。4月には西沙諸島でベトナム漁船が中国の巡視船と衝突し沈没する事案も発生しており、一部ではベトナムやフィリピンなどが南シナ海における中国の行動を強く批判するとの期待もあったが、会合では明確なメッセージは示されずその期待も失望に変わった。議長を務めるベトナム首相は開会にあたり、世界がコロナウィルスと戦っている最中にいくつかの地域では国際法に違反し地域の安全や安定を脅かす無責任な行為が行われていると述べたものの、他国と同様に中国を名指しすることはなかった。各国首脳が南シナ海における米中の軍拡競争を懸念していることは明らかで、議長声明の中でも、米国を意識し、南シナ海における権利を主張する国だけでなく、その他のすべての国が事態を複雑化させ緊張を高めぬよう非軍事的で自制的な行動をとることが重要であると述べている。結果として今回の会合では、南シナ海を巡ってはASEAN諸国の協調は未だ見えず、各国は米中の争いに巻き込まれることを心配していることがうかがえ、中国との関係性についてもほぼ変化は見られなかった。
      • 原文 July 1, 2020, The Interpreter(若林健一)
    • 【6】 EU船舶リサイクル規則:インベントリーの作成期限迫る
      • 【6】 2013年に採択されたEU船舶リサイクル規則では、2020年12月31日以降EU加盟国内の港湾に寄港または係留する船舶は船内の危険物の種別や所在位置などを示したインベントリー(IHM)を船内に備え置きする義務がある。しかし、当該規則の対象となる約3万5千隻のうち約1/3は、IHMを準備し認証を受ける作業を開始していないと見込まれており、加えて、コロナウィルスの影響でIHMを認証する検査官が出張できず、多くの船がこれから作業を始めることを考慮すると、年末までにIHMを備え置けない船舶が出てくることが予想される。IHMの作成において、船舶を構成する何千という部品の素材を明示するのは新造船においてもたやすいことではないが、既存船について、既に船体に組み込まれている部品の素材を特定するために(特にその部品の製造者が現存しない場合)IHM作成者が都度視認しサンプリングをしなくてはならないので、検査の対象船舶の種類と大きさにもよるが、IHN作成の準備から認証まで最低でも3か月はかかるとみる必要がある。このような懸念を受けて国際船級協会連合(IACS)は4月20日、旗国の承認が得られれば、まずはオンラインでIHM遠隔認証を行った上で、船上での確認作業ができるようになった時点で、船上確認作業を行うという方針を発表している。
      • 原文 June 30, 2020, Watson Farley & Williams(植木エミリ)
    • 【7】 職場でコロナウィルスに感染する事例が1週間で増加
      • 【7】 5月13日にロックダウンが一部緩和されて以降職場で勤務する人の数が増えていく中、イングランドにおいて職場でコロナウィルスに感染したと疑われる事例が急増している。イングランド公衆衛生庁によると、6月7日までの1週間に報告された職場での感染事例は24件で前の週の5件から急増し、6月28日までの1週間では前の週の22件から倍増して43件となっている。病院、介護施設、学校など他の多くの場所では感染事例は減少しており、職場のみ感染事例が急増している結果となっている。

        ※7/1の英国の感染者数:829人(日本127人の7倍、緊急事態解除基準47人の18倍)
        ※7/1の英国の死者数:176人(日本2人の88倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 July 2, 2020, The Guardian(若林健一)
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