2020/06/11LROニュース(7)

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  • 2020.06.11 UP
    2020/06/11LROニュース(7)
    • 【1】比政府:米軍の地位協定の破棄を保留
      • 【1】比外相は6月2日、今年2月11日に米国側に対して通知した米軍との訪問軍地位協定(The Visiting Forces Agreement:VFA)の破棄について、6ヶ月間留保することを米国側に伝えたことを明らかにした。VFAは米軍が比国内において活動する上で根本的な役割を果たし、VFAが破棄されれば比国内での米軍の一時滞在や2014年に両国が締結した防衛協力強化協定(Enhanced Defense Cooperation Act)の履行が不可能になる。今回の比政府の決定については、南シナ海において挑発的な行動を続ける中国に対抗する周辺国を米海軍が支援していることや、コロナウィルスの感染拡大により比軍の行動が制約を受けるなか米軍との協力関係を継続することで様々な緊急事態に対処する能力が向上することが影響していると考えられる。
      • 原文 June 4, 2020, The Diplomat(若林健一)
    • 【2】世界海洋の日:国連事務総長メッセージ
      • 【2】表記メッセージの概要は以下のとおり。①パンデミックの収束とより良い復興を目指すにあたり、我々は、世界の海洋を含む自然界との関係を正しく修正する義務があり、現在はその良い機会である。②海洋は人類にとって生活の糧や交通・貿易の手段を与えるだけでなく、地球上で最大の二酸化炭素の吸収源として、気候変動を律する重要な役割を担っている。③近年、気候変動に伴う海水面の上昇により、世界全体の海抜の低い地域に住んでいる人々の生活を脅かし、さらに、海洋の酸性化が進み、海洋における生物多様性や食物連鎖が大きな影響を受け、海洋プラスチックによる汚染がいたるところで発生している。④このような課題に対応するため「持続可能な海洋のための革新」が今年のテーマとして選択され、2021年から始まる「持続可能な開発のための海洋科学の10年」は政府等の関係者に、海洋の保全を図るための、変革と科学をもたらすための力と枠組を与える。
      • 原文 June 8, 2020, 国連(長谷部正道)
    • 【3】露検察庁:永久凍土の上に建設された構造物の緊急点検を実施
      • 【3】ノリリスクの油濁事故の原因が永久凍土の融解に伴う地盤沈下である可能性が高いことから、同様な事故の再発防止のため、露検事総長は地方検察庁と環境検察庁に対して、融解が始まっている永久凍土の上に建設された構造物の安全性の緊急点検を実施することを命じた。シベリアを中心として露の国土の65%は永久凍土におおわれているが、ロシアの連邦気象庁によれば、シベリアでは気温の上昇が、地球上の他の地域に比べて2倍の速度で進んでいるため、露国内の永久凍土の上に建設されている総額約3千億ドル(約32兆円)の建物とインフラが危機に瀕している。中でもシベリアを横断する7万5千kmに及ぶ石油パイプラインが地盤の沈下により破損する恐れがある。このほかにも、鉱石採石場・石油/天然ガス生産センター・高速道路・鉄道などが永久凍土の上に建設されているが、油濁事故が発生したノリリスクの周辺だけでも永久凍土の22%が融解して不安定な状態になっており、過去10年間で多くの建物が倒壊している。
      • 原文 June 8, 2020, Bellona(長谷部正道)
    • 【4】ナイジェリアのバイエルサ州沖でコンテナ船に対する海賊未遂事件
      • 【4】6月10日、ナイジェリアのバイエルサ州沖にあるアグバミ石油施設の南西約53海里を航行中のコンテナ船に5人の賊が高速艇を使用して移乗を試みたが、コンテナ船側が警報の作動、消火ポンプの起動、増速と回避動作などの措置をとったことから賊は移乗をあきらめ逃走し、乗組員や船体に被害はなかった。本件は今年に入り沿岸から離れた沖合で発生した9件目の事案で、賊による違法乗船や銃器の発砲を伴う襲撃の多くはナイジェリアの南方70海里以遠の海域で発生している。本件は西アフリカ地域で今年発生した59件目の事案で、昨年同期の56件と比較してわずかに増加している。
      • 原文 June 10, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【5】米国の対イラン制裁(海上輸送関係)が強化
      • 【5】米国政府は、大量破壊兵器の拡散やその支援に関する活動を標的として昨年12月に発表していたイランの海上輸送に対する制裁を発動した。これにより、イランの国営海運会社Islamic Republic of Iran Shipping Lines(IRISL)及び上海に拠点を置くその子会社E-Sail Shipping Company(E-Sail)に関連するタンカーやコンテナ船等の計121隻が制裁対象リストに追加された。米国政府は、制裁の発表から6ヶ月間発動を延期した理由について、イランに対する人道支援物資の輸送に必要な代替手段を見つけるための猶予を与える目的だったと説明し、イランと取引を行う場合はIRISL及びE-Sail以外の輸送手段を使用しなければ制裁を受けるおそれがあると警告するとともに、各国政府に対して自国の港や領海において両社の活動を調査して適切な対応をとることを求めている。
      • 原文 June 9, The Maritime Executive(若林健一)
    • 【6】カナダの港湾も船員交代を原則自由化
      • 【6】カナダ海運会議所・カナダ運輸省・国際運輸労連(ITF)カナダ支部は、船員の交代を促進するために、空港・ホテル・船舶の間の船員の移動方法などについて新たなコロナ感染対策を発表した。勤務が終了して船舶から下船する船員は査証も検疫措置も必要とせず、交代要員として船舶に乗船する船員についても検疫措置を求めないこととした。特定国の船員は、依然として査証が必要だが、査証申請と審査はオンラインで実施することができ、船員はカナダ政府の領事館に出頭する必要もなく、迅速に査証を取得することができる。ITFは船員交代ばかりでなく、何か月もの間上陸していない船員のために、船員が一定の管理のもとに上陸できるように船主や港湾関係者等と引き続き協議を行う。シンガポール海事港湾庁は3月27日以降これまでに約3千件の船員交代を認め、今週だけでも3機のチャーター便がアレンジされ、船員の帰国を支援する。
      • 原文 June 10, 2020, Splash 247(長谷部正道)
    • 【7】病院での治療を待つ人の数が年末までに約1000万人に増加する見込み
      • 【7】英国の国民保健サービス(NHS)によると、病院での治療を待っている人はイングランドだけで現在約420万人いるが、コロナウィルスの影響により病院の職員数の減少や社会的距離の確保のために一度に治療する患者の数を制限せざるを得ない病院があることなどから、年末までにその数は980万人まで増加し、また、仮に感染拡大の第2波が発生した場合には1080万人に達すると見込まれている。政府は、病院でのサービスをコロナウィルス感染拡大以前の状態に早期に戻したい意向を示しているが、NHSの最高責任者は首相に宛てた手紙の中で、社会的距離の確保の問題や多くの職員がコロナウィルスへの対応で疲弊していることから時間を要すると警告しており、また、新たに政府が導入した検査追跡システムがうまく機能することや感染防止用保護具が病院の職員に十分に供給される必要があるなど、多くの課題が存在するとも語っている。

        ※6/9の英国の感染者数:1,387人(日本21人の66倍、緊急事態解除基準47人の30倍)
        ※6/9の英国の死者数:286人(日本0人)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 June 10, 2020, The Guardian(若林健一)
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