2020/06/05LROニュース(7)
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2020.06.05 UP
2020/06/05LROニュース(7)
- 【1】 CMPグループとアリババがスマート港湾推進で連携
- 【1】 スマート港湾とは、人工知能・クラウドコンピューティング・ブロックチェーンなどの様々な先端技術を統合して、港湾内の貨物の動きを管理・追跡でき、港湾管理者・海運会社等の関係者の業務の効率化を目指すもので、今後5年間で、スマート港湾に関する技術に関する世界の市場は20億ドル(約2200億円)以上の規模になると予想されている。China Merchant Port Group (CMP)は中国国内で41の港湾を、海外で25の港湾を運営しているが、スマート港湾用の開放された情報プラットフォームを立ち上げるために、アリババグループとその金融子会社であるAnt Financial Groupと連携することを発表した。このプラットフォームに、輸出事業者・輸入事業者・物流関係事業者・銀行・税関等の関係官署が参加し、コンタクトレスで輸出入貿易業務をデジタル上で処理できるようにする。中国の港湾運営企業は、世界の中でも先頭に立って港湾の自動化技術の開発を行っており、CMPが一部資本参加している上海国際港湾グループは、世界でも最大の完全に自動化された上海羊山第4期ターミナルを運営している。 原文 June 1, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
- 【2】 シンガポール:船員交代のためのガイドブックを作成・公表
- 【2】 シンガポール港における船員交代を促進するために、海事港湾庁(MPA)・シンガポール海運協会(SSA)・シンガポール船舶職員組合(SMOU)は国際海事雇用者評議会(IMEC)と世界海運評議会(WSC)と協力して、シンガポール船員交代作業グループ(SGCCWG)を結成し、「COVID-19:船員交代と帰国のための手順」を作成公表したところ、本文は以下のリンクを参照。
- 【2】 シンガポール港における船員交代を促進するために、海事港湾庁(MPA)・シンガポール海運協会(SSA)・シンガポール船舶職員組合(SMOU)は国際海事雇用者評議会(IMEC)と世界海運評議会(WSC)と協力して、シンガポール船員交代作業グループ(SGCCWG)を結成し、「COVID-19:船員交代と帰国のための手順」を作成公表したところ、本文は以下のリンクを参照。
- 【3】 2021年1月1日からサイバーセキュリティが安全管理制度の対象に
- 【3】 IMOはMSC 98で「安全管理制度における海事サイバーリスク管理」に関する決議(MSC.428(98))を採択し、2021年1月1日以降、認定代行機関(RO)による最初の適合証書(DOC)審査の際に、安全管理制度(SMS)の重要な部分としてサイバーリスク管理が行われているか審査される。IMOは「海事サイバーリスク管理に関するガイドライン」を作成・公表しているので、DOC 保有者は、自社のSMSが効率的にサイバーリスクを管理し、必要な措置をとっているか評価を行う必要がある。DOC保有者は、サイバーセキュリティに関し、以下のようなPDCAサイクルを構築することが望まれる。①サイバーセキュリティ管理の目標を明確化し、管理対象のシステムとソフトウェアの目録を作成し、サイバーリスク評価を行って、優先順位を付けた改善点を決定する。②サイバーセキュリティに関する方針と手順をSMSの中に統合し、サイバーセキュリティに関する役割と責任を明確化し、サイバーセキュリティ訓練を実施し、ネットワークの個別隔離(segregation)とシステムの強化を実施する。③サイバーセキュリティの目的が効率的に達成されているか評価し、サイバーセキュリティに関する事故に関する報告書や情報を分析し、内部監査を実施する。④前記評価に基づいた改正点や更なる防御措置を実施し、サイバーセキュリティに関する規則が船内で遵守されることを確認し、継続的な改善を目指す。 原文 June 2, 2020, DNV GL(長谷部正道)
- 【4】 CMA CGMもマースクに続いて2050年までの炭素中立を宣言
- 【4】 6月2日、国連Global Compactのオンライン会議に出席したCMA CGMのCEOの発言概要は以下のとおり。①2023年までに同社の船舶が使用する燃料の1割を代替燃料にする。②2050年までに炭素中立を実現する。③2019年には、同社のコンテナ船から排出されるCO₂排出量を6%削減した。④2020年には世界で初めて、LNGを燃料とした23000TEUの大型コンテナ船を導入し、同じ大きさの従来型コンテナ船と比較して、GHGの排出量を約2割削減し、SOxと微小粒子の排出量をほぼゼロにする。なお、コンテナ船業界最大手のマースクも既に2050年までに炭素中立を達成すると発表している。この国連の会議には、CMA CGMの他に、国連事務次長・ノルウェーの首相・海洋問題担当国連特使・IMO事務局長・WWF事務局長が参加した。 原文 June 3, 2020, CMA CGM(長谷部正道)
- 【5】 カナダ政府がクルーズ事業の禁止期間を10月末まで延長
- 【5】 カナダ政府は、コロナウィルス感染防止対策として、3月13日に500人以上の旅客を載せるクルーズ船の運航を7月1日まで禁止する命令を出しているが、5月29日、カナダ政府の運輸大臣は、100人以上の旅客が宿泊できる施設を持つクルーズ船がカナダの領海で運航することを10月末まで禁止すると発表し、事実上2020年内の大型船によるクルーズ事業が中止されることとなったが、一部の大手クルーズ船社は、5月21日にすでに2020年のバンクーバーとアラスカ間のクルーズ船の運航を中止すると発表していた。一方で、クルーズ船以外の旅客船については、7月1日以降、関係監督機関の定める運航再開に関する条件や手続きを遵守することを条件に、運航を再開することができる。北極圏については、Northwest・ヌナブト・ユーコンの準州内の河川や湖における旅客船の運航を7月1日から再開できる一方で、北極海の沿岸域については以上の3準州も含め、12人乗り以上の旅客船の運航が10月31日まで禁止される。 原文 May 29, 2020, Travel Pulse(長谷部正道)
- 【6】 Mission to Seafarers: パンデミック対応の船員救済新キャンペーンを開始
- 【6】 Mission to Seafarers(MtS)はコロナウィルスの影響を受けている船員を救済するために60万ポンド(約8220万円)の募金を集めるためのFlying Angel Campaignを新たに開始したところその内訳は以下のとおり。①デジタル礼拝所の開設(2年間の所要額99000ポンド/約1360万円):訓練を受けた25人の牧師を全世界の時差に併せて配置し、船員の緊急な相談に対し、オンラインで対応する。②船員幸福度指標(SHI)調査用アプリの開発(65000ポンド/約890万円):MtSはShipowners P&I等と協力して、年に4回、船員が10の質問に答える形式でSHI調査を実施しているが、SHI専用アプリを開発して、より多くの船員の声を吸収し、アプリを通じてデジタル礼拝所へのアクセスも可能とする。③モバイルWifiルーター(Mifi)の貸し出し(年間所要額6万ポンド/約820万円):船員が家族等に連絡できるように、Wifiにアクセスできない船舶の入港中にMifiを貸し出す。④船員を直接支援するスタッフが使用する個人感染防護具(PPE)の調達費用(84000ポンド/約1150万円)⑤船員輸送用ミニバスのコロナ対応改修費用(18000ポンド/約247万円)⑥全世界121の港湾に設置された船員安全センターの消毒費用(198000ポンド/約1340万円) 原文 June 3, 2020, The Mission to Seafarers(長谷部正道)
- 【7】 閣議や議会に出席した閣内大臣がコロナウィルスに感染か?
- 【7】 6月3日の下院議会に出席していたビジネス・エネルギー・産業戦略大臣が、質疑中に何度も額の汗をぬぐうなど体調不良を訴えたことから、政府の指針に従いコロナウィルスの検査を受けたうえ自宅で隔離措置をとっている。議会では今週、4月中旬から導入していたテレビ会議システムを使用した出席や投票を、年齢や健康上の理由により出席が困難な議員に限り認める決定をしており、一部の議員からは、依然として感染率が高い現状において議場への出席を求めることは家族や地域住民に感染を拡大させるリスクがあるとして、決定に反対する意見も聞かれる。検査結果はまだ明らかになってないが、今回の件は既にこのような批判の声を一層強める結果となっており、仮に陽性であった場合、大臣から2m以内の距離に15分以上留まっていた議員は2週間の隔離措置を求められることになる。また、大臣は前日に首相官邸で45分間にわたり行われた閣議にも首相や他の大臣とともに出席している。
※6/3の英国の感染者数:1,871人(日本52人の36倍、緊急事態解除基準47人の40倍)
※6/3の英国の死者数:359人(日本6人の60倍)
日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。 原文 June 4, 2020, BBC(若林健一)
- 【7】 6月3日の下院議会に出席していたビジネス・エネルギー・産業戦略大臣が、質疑中に何度も額の汗をぬぐうなど体調不良を訴えたことから、政府の指針に従いコロナウィルスの検査を受けたうえ自宅で隔離措置をとっている。議会では今週、4月中旬から導入していたテレビ会議システムを使用した出席や投票を、年齢や健康上の理由により出席が困難な議員に限り認める決定をしており、一部の議員からは、依然として感染率が高い現状において議場への出席を求めることは家族や地域住民に感染を拡大させるリスクがあるとして、決定に反対する意見も聞かれる。検査結果はまだ明らかになってないが、今回の件は既にこのような批判の声を一層強める結果となっており、仮に陽性であった場合、大臣から2m以内の距離に15分以上留まっていた議員は2週間の隔離措置を求められることになる。また、大臣は前日に首相官邸で45分間にわたり行われた閣議にも首相や他の大臣とともに出席している。