2020/05/08LROニュース(7)

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  • 2020.05.08 UP
    2020/05/08LROニュース(7)
    • 【1】韓国の硫黄排出規制の強化の準備を進める船主
      • 【1】韓国では2020年9月1日より、仁川港・麗水港・釜山港・蔚山港等の港湾に接岸・錨泊する際、硫黄含有濃度0.1%以下の燃料油の使用が義務化され、更に2022年には、着岸・錨泊する際のみならず硫黄排出規制海域(Emission Control Areas: ECA)を航行中にも同低硫黄燃料の使用が義務となる。海運業界はIMO2020規制への対応を済ませたばかりで、更にコロナウィルスによる前例のない規模での世界貿易の縮小が進んでいる厳しい環境下での新しい規制強化に懸念の声も上がっている。しかし、原油価格の暴落によって船舶用燃料の価格は下がっており、硫黄分0.1%以下の舶用ガスオイル(MGO)の韓国における価格は、今年の第一四半期の平均は535.05ドル(約56560円)/mtだったのが、4月1日から29日の平均価格は282.32ドル(約30130円)/mtと大きく下落しており、IMO規制適合VLSFOの同期の平均価格245.39ドル(約26185円)/mtであるところ、新たな負担額は約37ドル(約3945円)/mt程度で済んでおり、多くの船主は既にMGOの手当ても済んでいる。IMO2020規制の施行を経て、船舶やその乗組員も燃料の切り替え作業等に習熟してきており、大きな混乱もなく韓国の規制強化に対応できると見込まれている。
      • 原文 April 30, 2020, S&P Global(植木エミリ)
    • 【2】FMCコミッショナーが米議会に港湾ターミナル運営事業者救済を要請
      • 【2】米連邦海事委員会(FMC)のBentzel/Sola両コミッショナーが、5月1日、米下院運輸・インフラ委員会と上院商業・科学・運輸委員会に連名で港湾ターミナル運営事業者の救済を要請する手紙を発出したところその概要は以下のとおり。①米国内の港湾においては、一定の取り扱い予想貨物量を前提に、リース料金が算出されているが、コロナウィルスの影響で長期間にわたって取り扱い貨物量が減少すると、ターミナル運営事業者の貨物取扱手数料も激減して、リース料の支払いが困難になる。②こうした状況を放置すれば、米国内の港湾ターミナル事業と海運活動の健全な継続が困難となりかねない。③コロナウィルス禍においても、船員・港湾労働者・港湾引き込み鉄道の労働者・トラック運転手といった必要不可欠な労働者達(essential workers)が懸命に仕事を継続しているおかげで、製造業の原料から医療従事者が使用する医療機器を含む輸出入品の9割を担う海運活動が維持されている。④現在ターミナル運営事業者がこうした経済状況を反映して、港湾管理者とリース料引き下げ交渉をしているようだが、交渉は難航しており、連邦政府と地域の港湾管理者が一帯となって、整合性の取れた救済策を導入すべきである。
      • 原文 May 1, 2020, FMC(長谷部正道)
    • 【3】IRENA: 「世界の再生可能エネルギーの展望」を発表
      • 【3】国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が4月20日、「世界の再生可能エネルギーの展望:2050年までのエネルギー転換」を発表したところ、その概要は以下のとおり。①2010年以来、エネルギーに関連するCO₂の排出量は年間1%増加しており、今後とも同様の増加傾向が続く。②本展望においては、パリ協定に従い、世界気温の上昇を「余裕をもって2℃以内」に抑え込むために必要なエネルギー投資を「エネルギー転換シナリオ」として示す。③再生可能エネルギー産業における雇用人員は、2050年までに全世界で現在の4倍の4200万人となり、エネルギー効率の向上化対策によってさらに2100万人の雇用が創出される。④本展望の「完全な非炭素化のための見込み」においては、最も非炭素化が難しくコストがかかる分野について、非炭素化を達成するための革新的な技術開発・事業モデル・生活様式の変化について焦点を当てる。⑤壊滅的な地球温暖化の傾向を逆転し、非炭素エネルギーの使用を迅速に進めるためには、国際連携の強化が必要である。
      • 原文 April 20, 2020, IRENA(植木エミリ)
    • 【4】多くの死亡者・感染者を出したカーニバル社が8月から運航再開を表明
      • 【4】米国疾病対策予防センター(CDC)は、クルーズ観光がコロナウィルスを世界に蔓延させたと来る返し警告していたが、5月1日、米国議会もCarnival Cruise Line(CCL)の親会社であるCarnival Corporationに対し、どうして同社がクルーズ船の旅客と上院を迅速に守れなかった調査を開始すると発表した。こうした動きにかかわらず、CCL社は、CDCの運航禁止命令が解除されるのを待って、8月1日から同社のクルーズ船8隻の運航を再開すると発表した。この発表に対して、CDCはクルーズ船の運航の再開の可否を検討するのに必要な安全性に関する十分な情報を持っていないし、クルーズ船社といつから運航を再開できるか議論もしていないとコメントしている。CCL社は同社が運航していたDiamond Princess号・the Zaandam号・Ruby Princess号の船上でコロナウィルスの蔓延を許し、1500人以上の感染者と何十人もの死亡者を出している
      • 原文 May 4, 2020, The Guardian(長谷部正道)
    • 【5】IMO 2020: AMSAが規制不適合油を搭載していた船舶を拘束
      • 【5】オーストラリア海事安全庁(AMSA)は5月1日、IMO2020規制に違反する規制不適合油を搭載していたとして、ジーロング港にてドバイのMUR Shippingが運航しているドライバルク船African Heronを拘束した。当該船舶は5月1日に拘束されたのち、規制非適合油を陸揚げし、燃料タンク等を清掃したうえで5月3日に出航を許可された。2020年3月1日より施行されているIMOの規制不適合油の輸送禁止は、スクラバーを設置していない船舶が硫黄分濃度0.50%を超える燃料を輸送してはならないというものであるが、当該船舶の搭載していた燃料の硫黄分濃度はその上限を超える1.38%に及んでいた。
      • 原文 May 5, 2020, Ship & Bunker(植木エミリ)
    • 【6】海運労使がIMOに船員交代促進のための12段階の手順を提案
      • 【6】国際海運会議所(ICS)・国際運輸労連(ITF)をはじめとする海運関係団体が、ILOやWHO等の国際機関と連携して、現在コロナウィルスの蔓延によって、乗務の交替ができずに船舶から下船できない船員を救出し、円滑な船員の交替を促進するための12段階のロードマップを作製し、IMO事務局長に提出したものが、5月6日IMOから公表された。ロードマップは、交代要員が居住地を出発してから乗務する船舶に乗船するまでの6段階の手順(protocol)と、乗務の終わった船員が船舶を離れてから居住地に帰国するまでの6段階に分かれて具体的に記述されている。具体的なロードマップはIMOの下記Circular Letter (No. 4204/Add. 14)を参照。
      • 原文 May 6, 2020, IMO(長谷部正道)
    • 【7】英国での感染者数が20万人に達し死者数は欧州で初めて3万人を突破
      • 【7】5月6日までに英国内でのコロナウィルス感染者数の累計は前日から6,111人(109人)増え201,101人(15,463人)となり20万人に達し、死者数の累計は前日から649人(8人)増え30,076人(511人)となり欧州で初めて3万人を突破した。依然として深刻な状況が続くなか、ジョンソン首相は現在の対策についての評価を行ったうえ、10日午後7時に外出禁止措置の緩和策について概要を発表することとしているが、緩和を検討するにあたっては新たな感染のピークを避けるため科学とデータに基づき最大限の注意を払う必要があると述べ、首相報道官も緩和の内容は極めて限定的ものになると述べている。また、ジョンソン首相は緩和策が与える影響を注視し、必要な場合は躊躇なく引き締めを行うとも述べた。
        ※括弧の数値は厚生労働省発表による日本国内の5月7日正午時点の状況
      • 原文 May 07, 2020, BBC(若林健一)
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