2020/04/14LROニュース(7)

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  • 2020.04.15 UP
    2020/04/14LROニュース(7)
    • 【1】 シンガポール海事港湾庁が外国人港湾労働者を浮体式宿泊施設に隔離
      • シンガポール海事港湾庁(MPA)は、約1300人の健康な外国人港湾労働者をタンジョン・パガーターミナルに建設された浮体式宿泊施設に今後数週間以内に隔離すると発表し、第1陣として31人の外国人労働者が浮体式宿泊施設に移された。外国人労働者は、風邪や肺炎の症状がないか健康診断を受けてから移送され、24時間の医療体制化で監視される。労働者の間のウィルス蔓延を防ぐため、1部屋には安全な距離を保ちながら2-3人づつ収容し、毎日2回の検温を実施し、一日1時間甲板上に出て運動等をすることが許可される。MPAの副長官は、今回の措置はあくまで健康な外国人港湾労働者をコロナウィルスから守るための措置であるとしている。
      • 原文 April 13, 2020, MPA(長谷部正道)
    • 【2】 USCG: バラスト水管理規則の履行期限を1年以上延長
      • コロナウィルスの蔓延に伴いUSCGはバラスト水管理規則( 33 CFR, 151 Subparts C and D)の履行期限の延長を認める海事安全情報(MSIB 14-20)を4月9日発出したところその概要は以下のとおり。①コロナウィルス禍によるサプライチェーンの混乱や労働力不足によって、船主や船舶運航会社によるバラスト水管理規則の履行・遵守が困難になっていることをUSCGとしても認識している。②従って、2021年4月1日までに同規則の履行期限を迎える船舶について、以下の履行期間の延長を認める。③船主または船舶運航会社は、USCGに申請すれば履行期限の12か月延長を認められる。この申請にはいかなる証明書類も添付する必要はないが、今回の期限の延長に加えて履行期限の再延長はあり得ない。④履行期限を12か月以上延長する必要がある場合には、バラスト水管理装置(BWMS)の購入日と同装置を設置することを予定していた日程を証明する書類・同日程で設置できなかったことを証明する、ドライドックを行う予定であった造船所またはBMWS製造事業者が作成した証明書等の証明書類を併せてUSCGに提出する必要がある。
      • 原文 April 9, 2020, USCG(長谷部正道)
    • 【3】 気候変動に伴う生態系の混乱が突然起こる時期の予測
      • ケープダウン大学等の研究者が、4月8日Nature誌に発表した表記論文の概要は以下のとおり。①人為的要因による地球温暖化の継続によって、生物多様性に対するリスクは日々増しており、将来的に地球規模で壊滅的な生物多様性の喪失が発生することが予測されている。②本研究では、1850年から2100年までの気温と降水量の年間予測を基に、3万種以上の海洋・陸上生物が気候変動によって絶滅の危機に晒される恐れのある時期を推定した。その結果、危機的なタイミングはほぼ全ての生物集団において同時に訪れるため、気候変動による生態系の混乱が突然発生することが予測された。③GHGの排出量が多い場合、生態系の突然の混乱はまず熱帯海洋地域で2030年までに始まり、2050年までに熱帯雨林と高緯度の地域へ広がっていく。④地球温暖化を2℃以内に抑え込むことができれば、突然絶滅する生物集団の割合は2%以下となるが、気温上昇が4℃となると、この割合は15%になる。⑤この研究の結果、いつどこで生態系の突然の混乱が発生するか予測するための枠組が明らかになった。
      • 原文 April 8, 2020, Nature(植木エミリ)
    • 【4】 IMOと各地域のPSC当局が現実的対応をとることで合意
      • 4月8日、IMOとUSCGを含む世界各地域の10のPSC地域組織(MoU)の代表がオンラインで会合を開催したところその概要は以下のとおり。①PSC検査官と船員の感染リスクを抑えるため、検査対象船舶に実際に乗船するPSC検査の件数を大幅に削減しているものの、サブスタンダード船と考えられるリスクの高い船舶については、集中的に検査を継続している。②旗国が当該船舶に対して例外・除外・証明書の期限延長措置等を認容している場合には、PSC当局も現実的・柔軟な対応をとっているが、PSC当局間の対応の整合性を図るためにも、各当局が柔軟な対応をとるにあたっての基準の明確化が望ましいとの意見がPSC地域組織から出された。③各PSC地域組織は、整合性の取れたPSCの方法や政策を共同で策定していくことに合意した。④旗国として認容している証明書の期限延長措置などについては、多くのIMO加盟国がIMO事務局に通報しており、これらの措置を踏まえて、いくつかのPSC地域機関は既に、コロナウィルス蔓延期間中の、船舶検査の在り方についてガイダンスや情報を発表している。
      • 原文 April 10, 2020, IMO(長谷部正道)
    • 【5】 比政府がコロナ禍で海外に取り残された13000人の比船員の帰国支援
      • フィリピンは世界でも最大の船員供給国のひとつだが、コロナウィルスの蔓延に伴い世界各国で広がった移動制限の結果、商船やクルーズ船に乗務していた多くのフィリピン人船員が帰国できずに海外で取り残されている。そこで比政府は比船員を帰国させるためのチャーター機を手配する等により、既に13000人の比船員を帰国させた。同国外務省の出稼ぎ労働者担当副大臣は、全ての海外に取り残された比船員の帰国を実現すると明言している。例えば、同国の在米大使館は、クルーズ船の拠点であるマイアミとバルバドス諸島に取り残された比船員を、地元の船員仲介事業者とクルーズ船社と協力して、自国に帰国させる調整を行っている。同国は、欧州・中東・アジアといった他の地域からの船員の帰国も支援している。
      • 原文 April 14, 2020, Offshore Energy biz(長谷部正道)
    • 【6】 ICSが西アフリカの海賊に対処するためのBMPを作成・公表
      • 国際海運会議所(International Chamber of Shipping:ICS)は3月、ギニア湾を含む西アフリカ沿岸における海賊被害の防止と保安強化のためのベストプラクティス集(BMP)を公表した。このBMPは、船舶の航海計画の立案、海賊・武装強盗による襲撃の検知、回避、報告などを支援することにより船員の安全を確保することを目的にしている。BMPは要求される基本的な行動として以下の事項を挙げ、襲撃を受けた場合の対処法なども含め各事項について解説している。①リスク評価と意思決定に必要な現在の脅威に関する情報の把握。②把握した情報に基づくリスク評価の実施と対策の準備。③防護措置の補強、打ち合わせや訓練の実施、見張りの強化、旗国や保険会社などの助言に従うといった対策の実行。④MDAT-GoGへの登録と報告、事案発生時の遭難信号の発信や通報、疑わしい事例を含めた事案の報告。⑤他の海運企業、軍等との協力や証拠保全のために必要な法執行機関への協力。
      • 原文 March, 2020, ICS(若林健一)
    • 【7】 対策から取り残されるケアホームで4月3日までに406人が死亡
      • 英国政府の発表によると、4月12日時点の英国国内の新型コロナウィルス感染者数の累計は前日から4,342人(530人)増えて88,621人(7,255人)、前日からの死者数は717人(4人)で死者数の累計は11,329人(102人)となった。政府が公表している死者数については、病院での死者数のみ計上されケアホームや自宅での死者数は含まれていないとして批判を受けており、政府もイングランドだけで2,099のケアホームで感染者が発生していることを認めているが、正確性と迅速性を重視している結果と説明している。英国統計局によると、イングランド及びウェールズのケアホームなどでの死者数は4月3日までに406人に達しており、これは当時政府が公表していた死者数の10.92%に当たる。英国では11,300のケアホームに約41万人が生活しており、ケアホームを運営する慈善団体等は、新型コロナウィルスとの闘いにおいてケアホームは置き去りにされ感染が広がっているとして、職員や病院から退院した入居者への優先的な検査の実施や感染防止用の保護具の支給などの支援を政府に求めている。
        ※括弧内の数値は厚生労働省発表による日本国内の4月13日正午時点の発生状況
      • 原文 April 13, 2020, BBC(若林健一)
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