2020/04/07LROニュース(7)

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  • 2020.04.08 UP
    2020/04/07LROニュース(7)
    • 【1】北極圏の泥炭地がCO₂を吸収する能力が2050年以降減少
      • 【1】泥炭地は、大気中のCO₂を吸収して貯留する高い能力があり、地球全体の表面積のわずか3%しか占めていないにもかかわらず、地中に含まれる炭素の約1/5を内包しており、欧州では森林の5倍以上のCO₂を貯蔵する炭素吸収源(carbon sink)である。4月3日、東フィンランド大学の研究者達がGlobal Change Biology誌に発表した、地球温暖化による泥炭地のCO₂吸収・貯留能力の変化に関する研究によると、北極圏の泥炭地が炭素を吸収・貯留する役割は21世紀末まで継続することが明らかになった。ただし温暖化が激しく進行した場合は、泥炭の中のミネラル分の増加に伴い、2050年以降のCO₂を吸収・貯留する能力は大幅に減少することが予想される。また今後の気候変動による、永久凍土の融解や北極圏の地形の変化が新たな泥炭地の形成にどのような影響が及ぼすかは、将来的な泥炭地のCO₂吸収・貯留能力と、それに伴う気候変動緩和能力を予測するうえで重要な不確定要素となっている。
      • 原文 April 3, 2020, Science Dairy(植木エミリ)
    • 【2】コロナ:USCGが120隻以上のクルーズ船から25万人の乗客の下船を支援
      • 【2】米国沿岸警備隊(US Coast Guard:USCG)は、4月2日、フロリダ州のポート・エバーグレーズにおいて1,200名以上のクルーズ船の乗客の下船を支援した。USCGは、新型コロナウィルス感染拡大を防止するため、米国疾病予防管理センター(CDC)による指導のもと、国土安全保障省、税関・国境警備局、運輸保安庁、港湾管理者などと協力し、過去3週間において120隻以上のクルーズ船から25万人の乗客の安全な下船、検査、検疫、送還手続を支援しており、また、米国沿岸のクルーズ船で新型コロナウィルスの感染が拡大した3月7日以降、計31件の航空機による救急搬送を実施している。
      • 原文 April 4, 2020, Marine Log(若林健一)
    • 【3】コロナウィルス: 出口が見えない船舶解体事業の再開
      • 【3】世界的な産業の封鎖が続く中で、海事関係産業で最も影響を受けているのが船舶の解体事業である。インドでは全土の封鎖が始まってから1週間がたったが、港湾封鎖が続いているため、解体のためにインドに到着した船舶が輸入通関手続もできずに錨泊地で滞船している。バングラデシュも封鎖措置を4月12日まで延長すると既に発表しており、解体船舶の船主や買取事業者は窮地に陥っており、インド・バングラデシュ・パキスタンの政府が船舶の輸入禁止措置をいつまで続けるのか注視している。通関待ちの船舶に乗船している船員の福祉も懸念材料で、通関が再開して、船舶を海岸に乗り上げるまでは下船することもできない。仮に船舶解体場の操業が再開したとしても、屑鉄の供給先である製鉄工場が閉鎖されている期間中に売却できなかった既に解体を始めていた船舶のくず鉄の在庫処理が優先となり、新たな船舶の受け入れの急速な回復は望めない。
      • 原文 April 7, 2020, Hellenic Shipping News(長谷部正道)
    • 【4】コロナウィルス:乗客を乗せた114隻のクルーズ船が米国近海で滞船
      • 【4】多くのクルーズ船社は3月13日から米国発のクルーズ船の運航を自主的に停止し、3月14日には米国疾病管理予防センター(CDC)は自主的に運航を停止しなかった船社に対して運航禁止命令を出しているが、USCGによれば、5万2千人の乗客を乗せたクルーズ船が米国の港湾または錨泊地で繋留・錨泊している。さらに4万1千人の乗客を乗せた41隻のクルーズ船が米国に向かっている。母港に着岸出来たクルーズ船もあるが、多くは港湾から離れたところで錨泊している。クルーズ船は乗客を下船させることができる港湾や安全な錨泊地を見つけるのに躍起となっている。米国周辺で運航されていたクルーズ船上でコロナウィルスの患者が初めて発見された3月7日以降、USCGはクルーズ船からの患者の緊急輸送を31件実施している。
      • 原文 April 7, 2020, World Maritime News(長谷部正道)
    • 【5】コロナウィルス:WPSPがコロナタスクフォースと情報ポータルを創設
      • 【5】世界港湾持続可能性計画(World Ports Sustainability Program: WPSP)は国際港湾協会(IAPH)の加盟港湾からの要請に基づき、世界的な専門家から構成されるCOVID 19タスクフォースを立ち上げ、港湾管理者等に対してベストプラクティスに基づくガイダンスや最新の各国の法規制の状況等の情報を提供する「世界港湾COVID 19情報ポータル」を4月2日立ち上げた。タスクフォースはIAPHの中南米担当副会長が議長となり、アントワープ・釜山・フェリクストゥ・広州・ロンドン・ロスアンゼルス・ロッテルダム港の港湾管理者等から構成され、経済的な影響を分析するため上海海事大学とエーゲ大学の経済学者が参加している。タスクフォースは①世界の各港湾の運用状況②各港湾が入港船舶に対して適用している法規制③港湾に関する運用上の世界的なベストプラクティス④各政府の支援策⑤世界的な港湾部門に対するCOVID 19の経済的な影響について調査・分析を行う。
      • 原文 April 2, 2020, WPSP(長谷部正道)
    • 【6】ECSAとETFが船員の労働環境改善のための新たな共同事業を開始
      • 【6】欧州船主協会(ECSA)と欧州運輸労連(ETF)は、EUの海運分野における社会対話委員会(Social Dialogue Committee)において、それぞれ雇用者側と労働者側を代表するSocial Partners’組織として認定されているが、EUの資金を得て、今後2年間の新規共同事業として「海運分野における魅力的でスマートで持続可能な労働環境への貢献(contributing to an Attractive, Smart and Sustainable Working Environment in the Shipping Sector: WESS)」事業を開始すると4月7日発表した。WESS事業は①ECSA-ETF共同健康・安全作業グループに対する支援と②「欧州における海運業界への女性の積極的な参加に関するECSA-ETF共同宣言」に記されている優先行動事項の実施の2点を主たる事業の柱とする。WESS事業の事業進行管理チームは、まずは2番目の柱である女性の海運分野への進出に関する事業を実施するために必要な専門家の公募を開始するので、希望者は5月29日までに応募することとされている。
      • 原文 April 7, 2020, ECSA(長谷部正道)
    • 【7】英国首相が入院・集中治療室へ
      • "【7】英国政府の発表によると、4月6日時点の英国国内のこれまでの新型コロナウィルス感染者数は、前日から3,802人(383人)増加して51,608人(3,654人)となり、前日からの死者数は439人(3人)で、これまでの死者数は5,373人(73人)となった。英国政府は、首相官邸で自主隔離中であったジョンソン首相が、4月5日にロンドン市内の病院に入院、6日には集中治療室に移ったものの、人工呼吸器を使用するには至っておらず症状は安定していると発表した。増加する感染者の治療に当たる国民保健サービス(NHS)を支援するため、英国政府が25万人を目標にイングランドにおけるボランティアを募集したところ、目標の3倍に及ぶ75万人からの応募があった。ボランティアは各地域において、高齢者など感染によるリスクが特に高いとされる約250万人を対象に、携帯アプリ「GoodSAM」を通して食料品や医薬品の配達、通院の補助、電話相談などを行う。
        ※括弧内の数値は厚生労働省発表による日本国内の4月6日正午時点の発生状況"
      • 原文 April 07, 2020, BBC(若林健一)
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