2020/02/27LROニュース(6)

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  • 2020.02.28 UP
    2020/02/27LROニュース(6)
    • 【1】MSC 102: 独等がコンテナ船火災防止のためのSOLAS改正作業を提案
      • 【1】2月10日、国際海上保険連合(IUMI)は記者会見を開催し、海上安全委員会(MSC)の新たな作業項目として、コンテナ貨物の火災の早期発見と効果的な消火に関するSOLAS第11-2章の規定の強化のための条約改正検討作業を委員会の作業計画に加えることをMSC 102で提案するための文書をIMOに、独・バハマ・BIMCO・欧州造船協会(CESA)と共同で提出したと発表した。IUMIの貨物委員会の議長は、「2019年にはコンテナ船を中心に、前例のない数の船舶火災が発生し、直近ではCOSCO Pacific号で火災が発生したが、コンテナ内にリチウム電池が搭載されていることが正確に申告されていなかったことが火災原因と考えられている。このような積載貨物の不正申告は、コンテナ船の大型化に伴って、従前にもまして大きな損害を引き起こしている。この不正申告の問題を解決するためには、全世界的に共通の取り組みが必要であり、海運会社も不正申告された貨物を発見した場合の罰金の導入に取り組んでいる。」と語った。
      • 原文 February 12, 2020, Riviera(長谷部正道)
    • 【2】ECSA: 欧州海運週間でHNS条約批准促進イベントを主催
      • 【2】欧州海運週間開催中の2月19日、欧州船主協会(ECSA)主催によるHNS条約批准を促進するイベントが行われた。近年、コンテナ船を含むあらゆる種類の船舶による有害危険物の輸送(HNS)が増加していることから、船舶の火災・爆発に伴う賠償責任などについて定めた本条約は早期の発効が期待されている。本条約は、少なくとも12の国によって批准された18か月後に発効される予定であり、現時点ではノルウェー・カナダ・トルコ・デンマーク・南アフリカの五か国のみ批准しているが、イベントにおいて、フランス・ベルギー・オランダが批准作業を進めていることを表明し歓迎された。欧州委員会は、可能であれば2021年5月までにEU加盟国の批准を目指すという、2017年の欧州理事会での決定を再び呼びかけている。
      • 原文 February 20, 2020, ECSA(植木エミリ)
    • 【3】NORAD司令官による米上院軍事委員会における証言
      • 【3】北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)司令官で米北方軍(USNORTHCOM)の司令官が米上院軍事委員会(State Armed Service Committee)において、2月13日、北極海を巡る露や中による2019年における軍事活動等について証言したところ、その概要は以下のとおり。①露は北極圏において2019年も軍事施設の拡張を継続した。複数の飛行場において、滑走路の延長・新設工事が実施された。②9月には沿岸防衛用地対艦Bastionミサイルシステムの部隊をベーリング海を挟んでアラスカに面するチュクチ半島に配備した。ロシア国防省によれば、発射訓練の結果、海上の200km離れた目標に見事命中した。このミサイルが、ロシア北東部に配備されれば、ベーリング海峡を通過して北極圏に向かう艦船を攻撃できるだけでなく、迎撃する余裕もなくアラスカ州の一部地域を攻撃することも可能となる。③中国も「北極圏近隣国」と自称して、北極圏の経済的・戦略的可能性を追求するため、露と同様に北極圏に大規模投資を行っている。過去数年、中国の調査船がベーリング海とチュクチ海において調査航海を行い、将来的に中国海軍が同海域で活動するための経験を積み、情報を収集している。
      • 原文 February 13, 2020, 米上院軍事委員会(長谷部正道)
    • 【4】ReCAAP週間報告書(2月11日から18日報告分)
      • 【4】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)に、2月11日から18日まで通報された事件は、重要度3(賊は武装するも、乗組員の負傷なし)の武装強盗事件が1件、重要度4(賊は武装せず、乗組員の負傷なし)の武装強盗事件が1件であったが、その概要は以下のとおり。①2月11日午前5時30分ころ、インド東岸のカキナダ錨地に錨泊中の補給船に、青及び黄色で塗装された小型艇から刃物で武装した4人の賊が、補給船が右舷に防舷材として設置していたタイヤを伝って同船に乗船した。同船の船長が警報を作動させたところ賊は長さ20mの係留索を奪って逃走した。②2月7日12時00分ころ、インドネシアのカリムン島から東に約9.4海里のシンガポール海峡東航レーンで、建築資材を積載してタグボードに曳航されていた艀に木造の小型艇4隻が接近し、8人の賊が艀に移乗して鋼鉄の建築資材約20㎏を奪って逃走した。本件は2020年に入りシンガポール海峡東航レーンで発生した7件目の事例であり、過去5カ月間に同レーン内で発生した事例の報告件数は24件となっている。
      • 原文 February 19, 2020, ReCAAP(若林健一)
    • 【5】EUのギニア湾行動計画(2015-2020)に関する2018年の活動報告書
      • 【5】EUは2月20日、ギニア湾行動計画(2015-2020)(The Gulf of Guinea Action Plan 2015-2020:GoG AP)に関する2018年の活動報告書を公表したが、その概要は以下のとおり。①GoG APは、2013年6月に西・中央アフリカ諸国の首脳会合で採択されたヤウンデ行動指針等を支援するために2014年3月にEU外務理事会が採択したギニア湾戦略(The Strategy on the Gulf of Guinea)を実装するため、2015年3月にEU外務理事会により採択された。②GoG APは、4つの戦略目標、67の活動項目及び14の期待される成果から構成されており、第4回となる当報告書では2018年の活動を記載している。③2018年、ギニア湾の海賊事件は未遂事件も含め約8割増となり、海運業界は多発する海賊事件に深い懸念を示し、船員の誘拐事件等は海運業界による地域への投資拡大や沿岸国の発展に対する貢献を妨げている。④2018年においては、ヤウンデ行動指針による進捗も限られ、多国間や地域的又は地域間の機能的で実行可能な枠組みも未完成のままであり、同年12月にアビジャンで開催された会議を除いてはG7++ギニア湾フレンズ・グループ(The G7++ Friends of GoG)による目立った活動も見られなかった。⑤GoG APを達成するためには、同会議においても議論されたように、ギニア湾の沿岸国や関係機関による持続的な当事者意識が求められる。
      • 原文 February 20. 2020, EU(若林健一)
    • 【6】NOAA: 深海底調査の結果、発見した生物の8割は正体不明
      • 【6】2月18日、米国海洋大気庁(NOAA) が主導するCAPSTONEプロジェクトの調査結果が発表された。『月面の地形より海底の地形の方が把握されていない』とはよく言われる真実であるが、当該プロジェクトは、西太平洋・中央太平洋諸島周辺の海底を調査する、米国政府が実施する海中探索の中でも大規模なものであり、深海平原から熱水噴出孔までを探索した記録カメラの映像から34万7千種類以上の深海生物が発見された。しかし、発見された生物の8割は正体不明であり、原因としては、画像が不鮮明であったり、生物が小さすぎるなどの理由によるものもあったが、大部分は未知の生物であった。当該プロジェクトは、2015年から2017年にかけて、597,230㎢の海底を地図化し、今後の探査や海洋生物の深海の保全に役立つ多くのデータを獲得したが、太平洋の86%以上はまだ地図化されておらず、99%は撮影もされていない。
      • 原文 February 21, 2020, Hakai Magazine(植木エミリ)
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