2020/02/10LROニュース(6)

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  • 2020.02.12 UP
    2020/02/10LROニュース(6)
    • 【1】 シンガポール港:入港24時間前までに健康問診票の提出義務付け
      • 【1】シンガポール港の港長(海事港湾庁: MPA)は、2月1日にPort Maritime Circular(No.3 of 2020)を公表し、同港に入港する船舶に対して、シンガポール環境庁(NEA)が義務付けている健康問診票(Maritime Declaration of Health: MDH)の提出について周知したところその概要は以下のとおり。①過去14日以内に中国の港湾に寄港した船舶または過去14日以内に中国国内に滞在した船員または乗客が乗船している船舶は入港24時間以上前に、NEAへMDHの提出が義務付けられる。②上記対象船舶の船長は追加措置として以下の措置を実施することが推奨される。㋐コロナウィルに感染した場合の症状(発熱・鼻水・咳・息切れ)について船員と旅客に周知すること。㋑一日最低2回、全ての船員と旅客に対し体温の測定を実施すること。㋒38℃以上発熱した船員・乗客を隔離すること。体調のすぐれない船員はマスクを装着すること。㋓シンガポール入港前に船内の共有エリア・船室の消毒を実施すること。船員はNEAが作成したコロナウィルス消毒用のガイダンスに従って、消毒を実施することができる。
      • 原文 February 5, 2020, シンガポール海事港湾庁(長谷部正道)
    • 【2】 英国MCA: 海難救助の安全・効率性を高めるためにドローンの有効性を調査
      • 【2】英国海事沿岸警備庁(The Maritime & Coastguard Agency:MCA)は2月5日、無人航空機の潜在的な能力を活用し、英国沿岸における海難救助に役立て、救助活動がより安全で効果的なものとなるよう、現行の規則の見直しを進めることを発表した。昨年だけで、MCAの捜索救助ヘリコプターが出動した回数は平均して1日当たり7件にのぼり1600人以上を救助しており、また、MCAは2万2千件以上の救助活動の調整を行い、7000名以上を救助している。さらに、無人航空機の活用は、海洋汚染を発見する能力も高め、貴重な海洋環境の保護にも役立つことが期待されている。
      • 原文 February 5, 2020, MCA(若林健一)
    • 【3】 GEF-FAO: The Common Oceans ABNJ Programの主要成果
      • 【3】地球環境ファシリティ(GEF)が5000万ドル(約54億7500万円)を出資し、国連農業食糧機関(FAO)が国際海域におけるウミガメやマグロをはじめとする海洋生物の多様性保護に取り組んできた5か年計画The Common Oceans ABNJ Programについて、FAOが1月29日に発表した成果の概要は以下のとおり。①科学者と漁業管理者が共同開発した、コンピューターシミュレーションに基づく透明で持続可能な漁業戦略を活用したところ、世界全体で過剰漁獲の状況にあった13のマグロ漁場が5つに減った。②刺し網の設置方法を改善するなどによって、イルカやウミガメなどの混獲率が減少し、顕著な例では、北アラビア海の刺し網漁業による海洋哺乳類の死亡率が2013年から2018年にかけて98%まで減少した。③世界全体で新たに18の海域を脆弱な海洋生態系の海域として指定し、サンゴ礁や海綿などの生息地を保護した。これらの海域は現在漁業の為には開放されていない。
      • 原文 January 29, 2020, FAO(植木エミリ)
    • 【4】 ナイジェリア交通省:国内の錨泊地の安全確保を国が直轄
      • 【4】ナイジェリア交通大臣は2月3日の記者会見で、海賊などから民間船舶を保護するためOcean Maritime Solutionsがナイジェリア海軍の協力を得て運用しているThe Secure Anchorageプロジェクトについて、民間組織による安全確保には限界があるとして停止することを発表した。また、ナイジェリアに入港するすべての船舶は、政府が安全確保を直轄しナイジェリア港湾局(The Nigerian Ports Authority)が管理する港内で錨泊しなければならないとするDeep Blueプロジェクトの運用開始を発表し、同プロジェクトが完全運用に至ればナイジェリア領海内やギニア湾での海賊やその他の犯罪は激減するだろうと自信を見せた。ナイジェリア海事安全庁(The Nigerian Maritime Administration and Safety Agency)長官によると、Deep Blue プロジェクトに使用するために既に15隻の高速艇及び1隻の特殊任務船を調達済みで、さらに2月中に1隻の特殊任務船が追加配備され、今年の第一四半期中にヘリコプター1機も配備される。
      • 原文 February 4, 2020, Seatrade Maritime News(若林健一)
    • 【5】 ICSがギニア湾で増加する船員誘拐事件に懸念を表明
      • 【5】2月5日、国際海運会議所(The International Chamber of Shipping:ICS)は、2019年にギニア湾で発生した船員誘拐事件は50%以上増加しており、2020年に入りその暴力性はさらに強まっているとして、ギニア湾で増加する船員誘拐事件に対して懸念を表明したがその概要は以下のとおり。①世界で報告されている船員誘拐事件の9割以上がギニア湾で発生しており、その多くはナイジェリア領海を出域した船舶で行われている。②ナイジェリア政府がDeep Blue プロジェクトなどを通して海上保安能力の改善に努めていることは認めるが、これまでの海上での取締りや海賊の逮捕・訴追等の行動の結果による現状を直視する必要がある。③国際社会は、船員の生命や安全に関する脅威に対処するため、ナイジェリア政府に早急な解決策を提供するなどの支援を行い、ギニア湾沿岸国の海上保安体制が改善するために実践的かつ効果的な支援を行う必要がある。④海賊事件が減少している他の地域を見れば、民間船舶と当局との連絡や調整が重要であることが分かる。⑤ICSの絶対的な優先事項は船員の安全であり、ナイジェリア政府や国際社会と密に連携していく。
      • 原文 February 5, 2020, ICS(若林健一)
    • 【6】 EMSAがEFCAと連携して遠隔操縦無人機を利用して違法漁業を取り締まり
      • 【6】欧州海事安全庁(The European Maritime Safety Agency:EMSA)は、遠隔操縦無人機システム(Remotely Piloted Aircraft System:RPAS)を提供することにより、欧州漁業管理庁(The European Fisheries Control Agency:EFCA)による漁業監督能力の強化を支援し、連携を図っている。RPASは、地中海、北東大西洋の西部、北海及びバルチック海において運用可能で、4つの回転翼をもつ無人機をEFCAの取締船から飛行させ、立入検査実施前の評価、実施中の監視、及び実施後の分析を遠隔で実施することを可能とし、漁業管理を強化するための革新的な手法を模索するEFCAを支援する。また、無人機が船舶の近傍を飛行することで、進行中の状況に関するデータを収集することが可能で、収集されたデータはスペインのビーゴにあるEFCAの調整センターやリスボンのEMSA本部だけでなく、監視船に乗船中のEFCA職員にも安全な衛星通信を介して即時に届けられる。RPASのサービスは、漁業監督だけでなく他の海上保安業務に対しても有効である。
      • 原文 February 5, 2020, EMSA(若林健一)
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