2020/01/24LROニュース(6)

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  • 2020.01.27 UP
    2020/01/24LROニュース(6)
    • 【1】 IMO 2020: 保険会社から見た船主が順守すべきこと
      • 【1】IMO 2020規制実施にあたり、燃料油の基準適合性・スクラバーの性能・スクラバー排水の問題等に係る全く新たな船主責任の問題が発生しうるので、P&I保険事業者はどのような船主責任に係る新たな保険金請求が寄せられるか息をひそめて注視している。こうした新たな保険金請求の査定にあたっては、保険会社はまず船主または船員に故意による規制違反があったかどうかを重視する。PSC当局による違反摘発については、中国において既に2件摘発されているが、3月1日からは、規制不適合油の輸送自体が禁止されることに留意する必要がある。保険会社としては、船社は船毎に規制実施計画(Implementation Plan)を策定するとともに、実施計画がきちんと実施されていたことを示す記録をきちんと船上に保管することを推奨する。もしPSC当局によって規制違反の嫌疑をかけられた場合は、乗組員はこれまでに規制遵守のために善意でやるべきことは全てやってきたことをきちんと説明することが重要である。
      • 原文 January 17, 2020, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【2】 デンマーク海事庁が船上に大型電池を装備する際の安全ガイドラインを発表
      • 【2】認証船級協会が作成した電気機器の船舶への設置に関する規則を、電池の装備についても利用することは可能ではあるが、最近の電池は、欠陥があると火災を発生し、化学反応によって直ちに消火が困難であるなどの特別な問題がある。このため、デンマーク海事庁はDNV GLと共同で、電池を補助機関の代わりに使用している既存のハイブリッド旅客船の運航実績から、船舶に電池を搭載する際のリスク分析を行い、安全確保のためのガイドラインを作成し発表したところ具体的なガイドラインについては下記リンクを参照。
      • 原文 January 9, 2020, デンマーク海事庁(長谷部正道)
    • 【3】 中国がレジ袋・使い捨てプラスチック製品の製造・使用を段階的に禁止
      • 【3】中国は長年にわたり、14億の国民が排出するごみの処理に頭を悩ませてきたが、2017年1年間だけで、家庭からのゴミの排出量は2億1500万トンに達したが、そのうちどのくらいがリサイクルされているかは不明である。中でもプラスチックの消費量では、世界の最高レベルであり、2010年には6千万トンのプラスチックごみを出しているため、中国国家発展改革委員会は、1月19日、国内における大規模な使い捨てプラスチック製品の削減のための5か年計画を発表した。具体的には分解性でないレジ袋の使用が大都市では2020年末までに、その他の全土で2022年末までに禁止される(生鮮市場においては2025年まで猶予)。またレストランにおけるプラスチック製ストローの使用も2020年末までに禁止され、他の使い捨てプラスチック製品についても使用量を3割削減することが求められている。また、ホテルにおいても無料の使い捨てプラスチック製品の提供を2025年までに停止するよう求めている。
      • 原文 January 20, 2020, BBC(長谷部正道)
    • 【4】 Nautilus International: 船員からの相談項目のトップは賃金の未払い
      • 【4】船員労働団体のNautilus Internationalは、24時間受付可能な船員からの相談を国際船員福祉・支援ネットワーク(ISWAN)に委託して実施しているが、2019年中の総相談件数は316件と対前年比32件増加し、2014年に電話相談を開始して以来、相談数の総計は1400件以上となり、1775名の船員が支援を受けた。相談は直接email, live chat, Skype等を利用して複数の言語で行うことができる。2019年に実際に相談された案件としては、賃金の未払いが最も多く、不当解雇・船上の船員によるいじめが次に続いている。労働契約上の問題については、相談内容はNautilusの調査員に伝達され、PSC当局によって拘束された外国籍船に関連する事例や英国に寄港する船舶の船員の劣悪な船内居住環境の問題などは、さらにNautilus国際運輸労連(ITF)調査員に回される。2019年には、船員の社会的孤立・ストレス・疲労の問題が大きな問題になりつつあることが認識されてきたが、多くの船員は仕返しを恐れて、こうした問題について身分を明らかにして問題を取り上げることに依然として躊躇している。
      • 原文 January 16, 2020, Nautilus International(長谷部正道)
    • 【5】 露行政監査院:不十分な気候変動対策が経済成長に悪影響を与えると警告
      • 【5】露行政監査院は、政府が気候変動問題に対処しないことは、平均寿命の増加や経済成長を目標とする国家プロジェクトの達成を脅かすだろうと警告した。気候変動によるGDPへの打撃は国全体で2-3%、最も甚大な地域では6%に及ぶにも関わらず、4000億ドルを投じる国家の一大計画に気候変動対策は含まれておらず、更に経済を増強させる為の政策が環境問題に追い打ちを掛けると危惧されている。例えば都市部の開発は、リサイクルやごみの管理などについて十分な計画がなされておらず、統計によると国内のごみ処理場は向こう6年の間に埋め尽くされる見通しである。露政府は昨年パリ協定を批准したばかりで、気候変動対策に立ち遅れており、本年1月に発表された気候変動対策計画では、政府の各省庁は所管分野に関する気候変動対策の原案を作成するために18か月もかけることを認めている。気候問題の解決なしに、目標達成を想像することは難しいと行政監査院は結論付けた。
      • 原文 January 14, 2020, The Moscow Times(植木エミリ)
    • 【6】 IMO 2020: VLSFOが重油燃料に比べて多くの黒煙を排出し温暖化に悪影響
      • 【6】フィンランドと独は、IMOで2月に開催される第7回汚染防止・対応小委員会(PPR 7)に、IMO 2020規制適合油(VLSFO)の方が、重油燃料に比べて70%から95%も多くの芳香族化合物を含む結果、10%から85%以上の黒煙を排出するという調査結果報告を提出した。黒煙は太陽熱をよく吸収するので、温暖化効果があり、特に極圏では雪や氷に付着して融解を促進する。両国は国際標準化機構(ISO)が船舶燃料油の品質基準(ISO 8217)を見直して、芳香化合物についても基準に散り入れて、黒煙排出に関する環境的な影響の改善を図るべきであると提案している。この提案を受け、地球の友(FOEI)・世界自然保護基金(WWF)等の環境団体は、上記報告書の深刻さと北極海の環境や気候変動に対する海運の将来的な貢献に鑑み、IMOは緊急に関連規定を改正し、北極海におけるVLSFOの使用を禁止し、蒸留燃料油に切る替えることを求める文書をPPR 7に提出した。
      • 原文 January 20, 2020, Euractiv(長谷部正道)
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