2019/11/19LROニュース(6)

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  • 2019.11.20 UP
    2019/11/19LROニュース(6)
    • 【1】 中国とギリシャがピレウス港におけるCOSCOの投資に合意
      • 【1】 COSCOが2009年にピレウス港のコンテナターミナルの改善と運営のために35年間の租借権を獲得し、さらに2016年にCOSCO海運がピレウス港の株式の51%を取得して以来、中国とギリシャは関係を強化してきたが、11月11日、中国の習近平国家主席とギリシャの首相は、ピレウス港のCOSCOのコンテナターミナルを視察し、COSCO海運が、同港を欧州最大のハブ港湾とするためさらに6億ユーロの投資を行うことで合意した。具体的には、COSCOは2022年までに3億ユーロの追加投資を行うことを条件に、同社が持つ同港の持分をさらに16%積み増して67%に引き上げる。この合意は習国家主席の今回の公式訪問にあたって締結された16の貿易に関する合意の中のひとつ。同港は欧州・アジア・アフリカ諸国の間の貿易の中継地点として、中国の戦略的な欧州の拠点となる。
      • 原文 November 11, 2019, Reuters(長谷部正道)
    • 【2】 ヴェトナムが中国との南シナ海の紛争を国際仲裁手続きにかけることを検討
      • 【2】 ヴェトナムと中国は豊富な海底資源が埋蔵されているヴェトナムのEEZ内にあるヴァンガード堆の領有権を巡って長い間対立しているが、ヴェトナムの外務次官は、2国間協議とは別に、国際的な仲裁・調停・裁判手続きを活用することも検討していると11月の初めに表明した。国際法の専門家によれば、フィリッピンの先例と同様、ヴェトナム政府は中国政府の同意なしに、ハーグの常設仲裁裁判所の強制的な仲裁に本件を持ち込むことが可能としている。仲裁裁判では、国際法に従い、中国の九段線に基づく主張は退けられる一方で、領土の領有権紛争については両当事国の合意なしには強制力を持った裁定ができないので、ヴェトナムの南沙諸島・西沙諸島に関する領有権が認められることもないものと考えられる。
      • 原文 November 12, 2019, Asia Times(長谷部正道)
    • 【3】 永久凍土の融解により北極圏において突然異常気象が起こる可能性
      • 【3】 McGill大学の研究者等による新たな研究によれば、広範な永久凍土地帯が融解を続けているため、北極圏に暮らす人々・生態系・インフラに対する気候変動の影響が、今まで予測されていたのよりはるかに早く訪れる可能性がある。想定される急激な気候変動の影響の典型例としては、カナダのノースウェスト準州やユーコン準州において、大規模な山火事が発生する頻度が、毎年2倍に増加する可能性がある。永久凍土は地表の水分が地中に吸収される障壁の役割を果たしていたが、永久凍土が融けることにより、地表の水分が地中深く吸収される結果、地表面が乾燥して可燃性が高くなり、大きな山火事の誘因となる。これらの準州においては、さらに集中豪雨や落雷の頻度が高まる一方で、夏季の乾燥度が高まる結果、現在の気象条件を前提として建設されている道路・建物・パイプライン・採鉱施設などに壊滅的な影響を与える可能性がある。
      • 原文 November 12, 2019, CBC(長谷部正道)
    • 【4】 英国船主協会:船舶の運航速度一律削減に反対
      • 【4】 英国船主協会がIMOのGHG中間作業部会の開催に先立ち、船舶の運航速度の一律削減提案に対して反対意見を改めて表明しているところその概要は以下のとおり。①船舶の減速によってもたらされる利点については認めつつ、異なるタイプの全ての船舶に適用できるGHG削減のための共通の方策はないし、船舶の減速運航が唯一の方策ではない。②全ての船舶が減速運航を強いられれば、現在の海上輸送貨物量を維持するために、より多くの船舶が必要となり、結局合計GHG排出量が増加することにもなりかねない。③排出されるGHGの量そのものを減らす技術革新を促すような国際的な対策が必要である。④5月のMEPCにおいては、過半数がgoal-based approachを明確に支持し、今回の中間作業部会でもこの考え方に支持が集まる見通しであることは心強いが、いずれにせよ短期的なGHG削減方法について結論をさらに先送りすることは好ましくなく、進むべき方向性を今回の作業部会で示すべきである。
      • 原文 November 11, 2019, 英国船主協会(長谷部正道)
    • 【5】 メキシコ湾で石油掘削リグの補給船が海賊に襲撃される
      • 【5】 11月12日、メキシコ海軍はメキシコ湾のシウダードデルカルメン沖で石油掘削リグへの補給船が海賊に襲撃され、船員2人が銃撃を受けて負傷したと発表した。賊は2隻の小型艇に分乗した約8人の武装海賊で、補給船に乗り移って船員から金品を奪った。メキシコ国営石油会社のPemexは最近このような強盗が増えて、石油生産が影響を受けており、賊は高価な機器を奪って転売し、船員の所持品を強奪しているとコメントした。海賊事件の多くは、多くの石油掘削リグが密集するメキシコ湾の南岸で発生している。
      • 原文 November 12, 2019, Reuters(長谷部正道)
    • 【6】 魚の幼生が多くのマイクロプラスチックを餌と誤食
      • 【6】 海の表面には、自然現象として、slicksと呼ばれるなめらかなプランクトンの膜が発生し、魚の幼生が成長するときの餌となるが、研究者がハワイ沖のslicksを調査分析したところ、太平洋ゴミベルトにおいて発見される海洋プラスチックの量の8倍のマイクロプラスチックが発見され、slicks中の魚の幼生の個体数の7倍以上のマイクロプラスチックがslicksに含まれていることが分かった。魚の幼生がこうしたマイクロプラスチックを餌と間違えて食べていることは明らかであるが、プラスチックを食べることによる魚の個体数への影響について科学的な研究はないが、成魚に成長しなくてはいけない幼生が栄養が全くないマイクロプラスチックを食べることによって、魚の成長に良い影響があることは考えられない。魚の生物多様性と漁獲量は、気候変動・生息域の減少・過剰漁獲などによって脅威にさらされているが、幼生によるマイクロプラスチックの捕食も生物多様性への脅迫要因となっている可能性がある。
      • 原文 November 12, 2019, BBC(長谷部正道)
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