2019/11/18LROニュース(6)
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2019.11.19 UP
2019/11/18LROニュース(6)
- 【1】 米主導のホルムズ海峡海上保安有志国連合が始動
- 【1】11月7日、米国第5艦隊が基地を置くバーレーンで、ホルムズ海峡海上保安連合(Coalition Task Force Sentinel)共同指令センターの発足式が豪・バーレーン・サウジアラビア・UAE・英・アルバニア・米の7か国の代表が出席して実施された。CTF Sentinelの警備対象海域は、アラビア湾・ホルムズ海峡・バブエルマンデブ海峡・オマーン湾とされている。警備の方法としては大型のフリーゲート艦や駆逐艦が両海峡を警備し、小型の警備艇が両海峡の間の通過航路の警備にあたるほか、上空からも海上交通を監視する。
- 【1】11月7日、米国第5艦隊が基地を置くバーレーンで、ホルムズ海峡海上保安連合(Coalition Task Force Sentinel)共同指令センターの発足式が豪・バーレーン・サウジアラビア・UAE・英・アルバニア・米の7か国の代表が出席して実施された。CTF Sentinelの警備対象海域は、アラビア湾・ホルムズ海峡・バブエルマンデブ海峡・オマーン湾とされている。警備の方法としては大型のフリーゲート艦や駆逐艦が両海峡を警備し、小型の警備艇が両海峡の間の通過航路の警備にあたるほか、上空からも海上交通を監視する。
- 【2】 ICSとOCIMFが共同でPWOM作成ガイドラインを発表
- 【2】IMOの極海コードでは、極海で船舶を航行する海運会社は、船舶の極海航行船証明書(Polar Ship Certificate)を取得する要件として、極海運航手順書(PWOM)を作成することを義務付けているが、11月12日、国際海運会議所(ICS)と石油会社国際海事評議会(OCIMF)は、PWOMを作成するためのガイドラインを作成して公表した。極海コード附属書IIとして既に標準PWOMが作成されているが、ICSとOCIMFは各船舶会社が個別のニーズに即した包括的なPWOMを作成するために追加的なガイドラインの作成が必要と判断し、極海での船舶運航経験があり、厳しい運航環境の下で船員が直面する課題にも通じた専門家によってこのガイドラインを作成した。
- 【2】IMOの極海コードでは、極海で船舶を航行する海運会社は、船舶の極海航行船証明書(Polar Ship Certificate)を取得する要件として、極海運航手順書(PWOM)を作成することを義務付けているが、11月12日、国際海運会議所(ICS)と石油会社国際海事評議会(OCIMF)は、PWOMを作成するためのガイドラインを作成して公表した。極海コード附属書IIとして既に標準PWOMが作成されているが、ICSとOCIMFは各船舶会社が個別のニーズに即した包括的なPWOMを作成するために追加的なガイドラインの作成が必要と判断し、極海での船舶運航経験があり、厳しい運航環境の下で船員が直面する課題にも通じた専門家によってこのガイドラインを作成した。
- 【3】 Seas at Risk: 船舶の減速運航に伴う様々な環境上のメリットに関する報告書
- 【3】11月6日、Seas at Riskと「交通と環境(Transport and Environment)」は共同で船舶の減速運航に伴う様々な環境上のメリットに関する報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①船舶の運航速度を10%あるいは20%削減すると、使用される燃料と船舶から排出されるCO₂・NOx・SOxの量がそれぞれ13%と24%削減されるという研究がある。黒煙についても削減割合は明確ではないが、船舶の運航速度の減少に伴って排出量が減るのは明確。②船舶の運航速度を同様に10%あるいは20%削減すると、船舶による海中騒音はそれぞれ40%と67%削減されるという研究がある。③船舶が減速すればクジラに衝突する危険性も減少するが、衝突した場合のクジラの致死率については、船舶の運航速度を10%あるいは20%削減すると、クジラの致死率は減速しない場合の50%と22%となるという研究がある。
- 【3】11月6日、Seas at Riskと「交通と環境(Transport and Environment)」は共同で船舶の減速運航に伴う様々な環境上のメリットに関する報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①船舶の運航速度を10%あるいは20%削減すると、使用される燃料と船舶から排出されるCO₂・NOx・SOxの量がそれぞれ13%と24%削減されるという研究がある。黒煙についても削減割合は明確ではないが、船舶の運航速度の減少に伴って排出量が減るのは明確。②船舶の運航速度を同様に10%あるいは20%削減すると、船舶による海中騒音はそれぞれ40%と67%削減されるという研究がある。③船舶が減速すればクジラに衝突する危険性も減少するが、衝突した場合のクジラの致死率については、船舶の運航速度を10%あるいは20%削減すると、クジラの致死率は減速しない場合の50%と22%となるという研究がある。
- 【4】 国際運輸労連もギニア湾における国際的・地域的な海賊対策の強化を要求
- 【4】11月11日、国際運輸労連(ITF)は最近ギニア湾で多発する海賊による船員誘拐事件に対し、緊急に国際的・地域的に連携して対策を講ずることを要請したところその概要は以下のとおり。①7月にナイジェリアで10人、8月にカメルーンで8人、11月2日にベニン沖で9人、11月4日にトーゴ沖で4人の船員誘拐事件が発生し、今年に入ってから合計で、ギニア湾で62人の船員が誘拐されている。②ギニア湾における海賊の攻撃の頻度と凶暴性は増加しており、海運業界・関係政府・船員組合は緊急に連携して対策を講じる必要がある。③ギニア湾沿岸国は海運業界と船員組合と連携し、必要な対策を実施するのに必要な人員を確保する必要がある。
- 【4】11月11日、国際運輸労連(ITF)は最近ギニア湾で多発する海賊による船員誘拐事件に対し、緊急に国際的・地域的に連携して対策を講ずることを要請したところその概要は以下のとおり。①7月にナイジェリアで10人、8月にカメルーンで8人、11月2日にベニン沖で9人、11月4日にトーゴ沖で4人の船員誘拐事件が発生し、今年に入ってから合計で、ギニア湾で62人の船員が誘拐されている。②ギニア湾における海賊の攻撃の頻度と凶暴性は増加しており、海運業界・関係政府・船員組合は緊急に連携して対策を講じる必要がある。③ギニア湾沿岸国は海運業界と船員組合と連携し、必要な対策を実施するのに必要な人員を確保する必要がある。
- 【5】 IntelliTug事業がシンガポール港においてDPSの実用試験を開始
- 【5】バルチラ・PSA Marine・ロイズ船級協会・シンガポール海事港湾局等は共同でシンガポールで自律運航タグ(IntelliTug)の開発事業を進めてきたが、PSA Marineが所有するタグの実船にDynamic Positioning System (DPS)を搭載して、実際にシンガポール港内で実用試験を開始すると、11月7日バルチラが発表した。新たなDPSは別名Joystick Maneuvering System(JMS)とも呼ばれ、タグをより簡単・直観的に操船することを可能とする。タグの船長はボタンを押すだけで、錨を下ろさずに船舶の位置を固定できるvirtual anchoring機能やタグの進行方向を自動的に固定する機能を使用することができる。このDPSはタグの推進機関にデジタル的な命令信号を送るといったIntelliTugの基礎技術の一部を構成し、ロイズ船級協会から適合証明(Statement of Compliance)を既に受け、安全・信頼性・性能面での保証を受けている。
- 【5】バルチラ・PSA Marine・ロイズ船級協会・シンガポール海事港湾局等は共同でシンガポールで自律運航タグ(IntelliTug)の開発事業を進めてきたが、PSA Marineが所有するタグの実船にDynamic Positioning System (DPS)を搭載して、実際にシンガポール港内で実用試験を開始すると、11月7日バルチラが発表した。新たなDPSは別名Joystick Maneuvering System(JMS)とも呼ばれ、タグをより簡単・直観的に操船することを可能とする。タグの船長はボタンを押すだけで、錨を下ろさずに船舶の位置を固定できるvirtual anchoring機能やタグの進行方向を自動的に固定する機能を使用することができる。このDPSはタグの推進機関にデジタル的な命令信号を送るといったIntelliTugの基礎技術の一部を構成し、ロイズ船級協会から適合証明(Statement of Compliance)を既に受け、安全・信頼性・性能面での保証を受けている。
- 【6】 VLCCs: EEDI第3段階の基準を達成できない可能性
- 【6】10月17日から、造船・海運・船級協会の90以上の団体代表が集まって、東京で3者協議会(Tripartite Forum)が開催されたところ主たる論点は以下のとおり。①IMOによるGHG削減目標については、2030年までの目標については、現在のMARPOL第VI附属書の枠組み内で、既存船のエネルギー効率の向上に関する短期的な対策をとれば実現可能。②2050年までにGHGを半減するという目標についても、新たなゼロ排気技術・新たな持続可能な燃料などに関する研究開発を海運業界の全ての関係者が緊密に連携して行い、行政がこうした持続可能な海運業界の変革を支援・インセンティブ付けするためのより良い明確な規制枠組みを提供できれば達成可能。③ただし、VLCCsについては、通常の設計の改良だけでは、EEDI第3段階の基準を達成できない可能性があり、IMOできちんと議論すべき。
- 【6】10月17日から、造船・海運・船級協会の90以上の団体代表が集まって、東京で3者協議会(Tripartite Forum)が開催されたところ主たる論点は以下のとおり。①IMOによるGHG削減目標については、2030年までの目標については、現在のMARPOL第VI附属書の枠組み内で、既存船のエネルギー効率の向上に関する短期的な対策をとれば実現可能。②2050年までにGHGを半減するという目標についても、新たなゼロ排気技術・新たな持続可能な燃料などに関する研究開発を海運業界の全ての関係者が緊密に連携して行い、行政がこうした持続可能な海運業界の変革を支援・インセンティブ付けするためのより良い明確な規制枠組みを提供できれば達成可能。③ただし、VLCCsについては、通常の設計の改良だけでは、EEDI第3段階の基準を達成できない可能性があり、IMOできちんと議論すべき。