2019/10/25LROニュース(6)

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  • 2019.10.28 UP
    2019/10/25LROニュース(6)
    • 【1】 欧州港湾協会が環境年次報告書を発表
      • 【1】欧州港湾協会(European Sea Port Organization:ESPO)が2019年年次環境報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①本報告書はあらかじめ選択された港湾の環境パフォーマンスを図る基準をもとに、ESPOの会員港湾であるEU/EEAの94港湾から、「環境港湾自主診断法(Eco Ports Self Diagnosis Method)」に基づき提出された情報を分析した。②欧州の港湾の透明性と信頼性を高め、港湾周辺自治体との信頼関係を強化するために、2016年から毎年環境年次報告書を作成・公表している。③環境問題の管理体制については、ほぼすべての港湾が関連環境法令のリストを把握し、「環境政策」を立てており、港湾管理当局が負うべき環境上の責任についても文書化している比率が向上した。④問題点としては、近年「環境関連の訓練」の機会が減少しているとともに、より多くの港湾が「環境報告書」を作成・公表して各港湾の環境政策などの透明化を図るべきである。⑤各港湾が優先的に取り組んでいる課題のトップ10については、第1位が「大気汚染問題」で第2位が「エネルギー消費量の削減」で過去4年間同じ優先順位だった。
      • 原文 October, 2019, ESPO(長谷部正道)
    • 【2】 永久凍土の解凍によって放出される水銀が食物連鎖に及ぼす悪影響
      • 【2】ニューハンプシャー大学の研究者達が永久凍土の解凍に伴う水銀による環境汚染について学術誌に発表したところその概要は以下のとおり。①地球温暖化に伴い北極圏の永久凍土が解凍し、永久凍土の中に封じ込まれていた水銀が周辺の水・土地・大気を汚染する可能性がある。②放出された水銀はメチル水銀のような毒性の高い形に変化して、周辺環境を汚染し、北極圏の野生動物・水産物・北極圏の住民等の健康に深刻な影響を与える可能性がある。③メチル水銀に汚染された鳥類や魚類は繁殖能力が減退し個体数が減少するほか、汚染された動物を食べる先住民の健康にも深刻な影響をもたらす。④水銀が永久凍土に含まれている間は有害なメチル水銀にはならないが、水に溶けだして酸素の少ない沼地にたまると、簡単に有毒なメチル水銀に変化する。⑤こうしたメチル水銀を含んだ沼地に生えた植物を陸上の動物が食べることにより、陸上の食物連鎖にも水銀汚染が拡大する可能性がある。
      • 原文 October 16, 2019, Sea Coast Online(長谷部正道)
    • 【3】 中国が原子力発電と北極圏の風力発電でロシアとの連携を模索
      • 【3】ロシア訪問中の中国国営電力会社のトップは原子力発電と北極圏の風力発電でロシアと連携していきたいと語った。ロシアは最新の原子力発電施設の建設に豊かな経験を持ち、ロシアと中国は田湾原子力発電所に2基、Xudabao原子力発電所にも2基の原子炉を建設することを2018年6月に合意している。一方で、中国は風力発電などで得た再生可能エネルギーを蓄電し高圧で送電する技術を持っているので、北極圏における風力発電施設の建設に両国が協力することが可能である。同トップは、中国は同国のエネルギー供給減としての化石燃料に対する依存率を2050年までに50%以下まで引き下げることを目標としているとも語った。
      • 原文 October 7, 2019, Sputnik News(長谷部正道)
    • 【4】 独:主要国内港湾の岸壁で陸上電源の整備を推進
      • 【4】独連邦政府と独の北海・バルト海に面する主要港湾の管理者は、10月10日覚書を締結し、岸壁に停泊中の船舶が発電のために船舶に搭載されたディーゼルエンジンを使用する代わりに、岸壁から再生可能エネルギーで発電された電力を船舶に供給して、各港湾都市の大気の浄化と騒音の削減を進めることで合意した。しかし、従来とおり船内で発電するコストと比べて、陸上から供給される電力コストが高いので、現状では船主側からのニーズは低く、コストを引き下げるためには、陸上から供給される電力に課税される税金の減免が必要となる。岸壁における陸上給電施設の整備のために、2020年から総額1億4千万ユーロの助成金が各港湾に支給される。ハンブルグ・キール・ロストクの各港では、既に陸上給電施設の整備計画があり、5月にはキール港で最初の陸上給電施設のための発電施設が完成し、同港に着岸する船舶の半数に電力を供給することが可能となった。
      • 原文 October 16, 2019, World Maritime News(長谷部正道)
    • 【5】 2020年9月に自律無人運航船が英国から米国まで大西洋横断計画
      • 【5】英国から米国への移民400周年記念事業として、自律無人運航を行うMayflower号が、2020年9月に英国のプリマスから米国まで大西洋を横断する計画が、プリマス大学・IBM等の共同事業として進められている。人工知能システムをIBMが提供し、自律船は自ら進路を決定し、他の船舶等との衝突を回避し、必要に応じ衛星電話で基地との交信も可能で、光を用いたリモートセンシング技術であるLIDAR(Light Detecting And Ranging)、GPS等を活用する。船体は主船体のわきに両翼の後続を持つトリマランで、現在ポーランドのグダンスクで製造されている。同船は海洋学的な調査を行う傍ら、衝突防止のための人工知能による学習アルゴリズムの実用試験の場ともなる。同船の動向はプリモスの遠隔センターから監視し、緊急時にはセンターから遠隔操船することも可能となっている。
      • 原文 October 16, 2019, BBC(長谷部正道)
    • 【6】 COSCO Tankerに対する米制裁措置が部分的に暫定解除
      • 【6】COSCOのタンカー子会社(COSCO Shipping Tanker:Dalian)は、イラン産の石油を輸送した疑いで9月下旬に米国政府による制裁の対象とされたが、同社が所有する大型タンカー(Very Large Crude Oil Carrier:VLCC)Coswisdom Lakeに対する制裁が一時的に免除され、搭載していた原油を16日にブルネイで荷揚げした。荷揚げ後に改めて制裁が課せられるが、同様の制裁解除は米国産の原油を韓国へ輸送していた同社所有のVLCCについても要求があったとみられる。本件に関して、同社及び米国務省ともに何もコメントしていない。
      • 原文 October 16, 2019, Reuters(若林健一)
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