2019/10/11LROニュース(6)

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  • 2019.10.15 UP
    2019/10/11LROニュース(6)
    • 【1】 米連邦控訴裁:トランプ政権による各州の排気削減義務を免除する規則を否定
      • 【1】米国連邦法では、国民の健康保護のため、2021年までにオゾン層のレベルを一定の基準まで回復することを各州に義務づけているが、風に乗って他の州から流れ込む石炭火力発電所等の排気によって、風下に位置する州が上記オゾン層の基準をクリアするのが困難となっていることから、オバマ政権下のClean Air Actでは、「良き隣人規定(Good Neighbor Provision:GNP)」をおいて、風上の州に実現可能性の有無にかかわらず、風下の州の大気汚染問題の解消に協力することを義務付けていた。これに対して、トランプ政権下の環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)はGNPが風上の州に課している義務は経済合理性がないとして、GNPを無効とする規則(Close-Out Rule: COR)を制定した。これに怒った風下の3州がCORの無効を求める訴えを米連邦控訴裁判所に提出していたが、10月1日、同裁判所はCORを違法とし、EPAに対し、Clean Air Actの要件を満たすために、これまで長い間の懸念となってきた地表のオゾンやスモッグを削減するための計画を策定することを命じた。オバマ政権時代の環境規制を緩和・廃止しようとするトランプ政権の試みは、裁判所では連敗続きだが、今回はホワイトハウスで次席法律顧問として働き、トランプ大統領自らが任命した判事によってもトランプ政権に不利な判断がされた。
      • 原文 October 2, 2019, Inside Climate News(蘭潔美)
    • 【2】 スコットランド議会が「GHG削減目標に関する気候変動法案」を承認
      • 【2】英国ヨークシャーから130km沖合の北海のDogger Bankで、建設が計画されている世界最大の洋上風力洋上風力タービンは、高さが220m以上で、羽の長さも100m以上となり、1基あたり1万6千世帯分の電力を供給することができる。風力発電のタービンはGE Renewable Energy社が製造し、現在使用されているものの3倍以上の発電能力を持ち、施設全体で、450万世帯分或いは英国の総発電量の5%にあたる電力を発電することを計画している。施設は英国のSSE社とノルウェーのEquinor社が共同で2020年から建設をはじめ、2023年から世界最大の洋上風力発電施設として運用を開始する予定。
      • 原文 October 3, 2019, Brodies(蘭潔美)
    • 【3】 スマートコンテナから発信される情報の互換性を確保する規格(BRS)が発表
      • 【3】物流情報技術開発を行うTraxens社は、スマートコンテナから発信される情報の互換性を確保するための世界で初めての規格を作成し、「貿易円滑化と電子ビジネスのための国連センター(UN CEFACT)」からビジネス要件仕様(Business Requirements Specifications: BRS)として公表したと発表した。既に様々なスマートコンテナが実用化されているが、スマートコンテナから発信される様々な情報の統一基準がないので、物流の過程において、スマートコンテナとの情報のやり取りを整合的にできる現況ではない。そこで、2017年10月から同社は、異なるシステムの間の情報の互換性を図り、簡単に情報の統合ができるようにするためスマートコンテナのためのBRSを作成する事業を開始した。コンテナから発信される情報が多くの物流関係者・物流プラットフォーム等に共有されれば、情報の交換を容易にし、自動的にコンテナの状況を把握し、異常があれば即座に対応することが可能となる。
      • 原文 October 3, 2019, Traxens(長谷部正道)
    • 【4】 EUの北極海における政策・事業
      • 【4】EUの北極海フォーラムが、10月3日から4日にかけてスウェーデンのウーメオーで開催されたところ、EUの主要な北極海関連事業として紹介された事業例の概要は以下のとおり。①Nunataryuk事業:北極海沿いの永久凍土の海岸は、世界の海岸線の34%を占めるが、永久凍土の解凍が予測を超える速度で進んでいる。このため本事業はEU内のみならず世界から北極海の沿岸永久凍土問題の専門家を招集し、沿岸永久凍土の解凍が世界の気候変動や地元住民の生活に与える影響を把握し、適応・緩和対策の目標を設定する。②最先端技術を駆使したトナカイの遊牧支援事業:トナカイの遊牧は先住民によって1000年以上にわたって行われてきたが、地球温暖化の影響で、冬季の放牧地から夏季の放牧地に安全に移動するルートを確定するのが難しくなっている。このためEUのコペルニクス観測衛星から得られた画像を放牧者に見せて、安全な移動の支援を行っている。またIoT技術を活用して、トナカイにチップを装着し、放牧者がリアルタイムでトナカイの位置が確認できるよう支援している。
      • 原文 October 3, 2019, EU External Action(長谷部正道)
    • 【5】 ARX:週間海事海賊保安報告書(9月28日から10月4日まで)
      • 【5】ARX MARITIMEは9月28日から10月4日までの週間海事海賊保安報告書を発表し6件の窃盗事件を報告したがその概要は以下のとおり。①9月18日午後、インドネシアのバリクパパンの係留施設に停泊中のタンカーに2人の賊が乗船したが、乗組員が発見し警報が作動したため何も盗らずに逃走した。②9月23日午後7時25分ころ、インドのカキナダ沖で錨泊中のシンガポール籍LPGタンカーに4人の賊がロープを使って乗船したが、乗組員が発見し警報が作動したため倉庫内の備品を持ち去り逃走した。③9月25日午後10時6分ころ、マレーシアのジョホール州・バンダルペナワールの東約16海里で、香港籍貨物船の甲板長が船首楼甲板にいた3人の賊を発見したが、警報が作動したため賊は係留索を伝って逃走した。④9月30日午後3時15分(世界時)ころ、インドネシアのPulau Cula島の西約3.7海里のシンガポール海峡を航行中の貨物船で巡回中の乗組員が後部甲板にいた5人の賊を発見したが、警報が作動したため賊は何も盗らずに逃走した。⑤9月30日午後11時15分ころ、マラッカ海峡を韓国に向け航行中のマルタ籍貨物船の上甲板にいる刃物で武装した5人の賊を乗組員が発見、警報が作動したことから何も盗らずに逃走した。⑥9月30日午前2時55分ころ、インドネシアのLubuk Gaungに着岸中のパナマ籍ケミカルタンカーの機関室に4人の賊が舵機室の扉を壊して侵入し、当直中の機関員が発見し警報が作動したため、エンジンの予備品を盗んで逃走した。
      • 原文 October 4, 2019, ARX Maritime(若林健一)
    • 【6】 MARAD: 中央・東地中海とスエズ運河におけるGPS妨害行為に対し警告
      • 【6】米連邦海事局(Maritime Administration:MARAD)は、中央・東地中海及びスエズ運河周辺の海域で多数のGPS妨害行為が報告されているとして警告を発表したところその概要は以下のとおり。①中央地中海では、特にリビア沖合からマルタの東及び北西側の海域にかけて集中して発生している。②東地中海では、エジプトのポートサイド、スエズ運河周辺及びキプロス周辺で集中して発生しており、イスラエルのハデラとレバノンのベイルート間の海域でも同様の妨害行為が確認されている。④これらの電波妨害はGPS信号の受信を困難にし、船舶の操船、GPS信号を用いた時間調整及び通信機器に影響を与え、また、衛星通信装置にも影響を与える可能性がある。⑤米国沿岸警備隊(US Coast Guard)のNavigation Center(NAVCEN)及びNATO Shipping Center(NSC)のウェブサイトでは、船舶がGPS妨害行為に遭遇した際の効果的な航法、妨害行為を報告するための詳細などについて公開している。⑥GPS妨害行為に遭遇した船舶は直ちに、位置(緯度・経度)、日時及び妨害行為の継続時間などの情報を報告するとともに、分析に用いるため影響を受けた機器の写真などの提供が求められる。
      • 原文 September 24, 2019, MARAD(若林健一)
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