2019/08/30LROニュース(6)

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  • 2019.09.02 UP
    2019/08/30LROニュース(6)
    • 【1】英国の軍艦増派に併せてイランも長距離地対空ミサイルを配備
      • 【1】英国海軍は8月24日、ホルムズ海峡における英国商船の護衛任務に関して3隻目となる45型駆逐艦1隻の増派を明らかにし、同任務を継続するため艦船の派遣について柔軟に対応すると述べた。一方、イラン大統領は8月22日、一度に100個の目標を認識して6つの異なる武器で対応が可能とされる長距離地対空ミサイルシステムBavar-373の配備を公表しつつ、話合いは無駄であると述べている。8月25日にはイラン外相が、G7サミットが開催されているフランスのビアリッツを訪問してマクロン仏大統領と会談したものの、トランプ米大統領との会談は行われなかった。
      • 原文 August 25, 2019, The Maritime Executive(若林健一)
    • 【2】ハンブルク港がロッテルダム港と共同で入港中の船舶の排ガス対策
      • 【2】ハンブルグ港については独の緑の党と社会民主党が共同で、同港を中期的に炭素中立とするため、寄港するコンテナ船のCO₂排出を削減するなどの環境対策に関する法案を提出しているが、厳しい環境対策をとることによって港湾としての国際競争力を失わないように、北部欧州で競合するロッテルダム港と共同で整合的な環境対策をとれるようオランダの議会関係者にも働きかけ、ロッテルダム港についても近日中に同様な法案が提出される予定。欧州第1位と第3位の港湾が協力して、GHGや大気中の有害物質の削減に取り組めば、他の港湾に範を示すことになる。緑の党関係者は、「ロッテルダム港はハンブルグ港にとって最大のライバルだが、環境対策では最強の同盟者になる。」と語っている。
      • 原文 August 26, 2019, World Maritime News(長谷部正道)
    • 【3】SEA-KITの無人試験艇が来年にも大西洋横断
      • 【3】英国の技術会社であるSEA-KITはX-Prize事業で自律運航艇の開発で日本財団と連携したが、全長36フィートの無人艇Maxlimer号で、来年前半に約1か月かけて大西洋の横断を図ると発表した。同船は多くの船舶が運航している航路では遠隔操作されるが、外洋ではGPSの信号を利用して自律運航を行う予定。
      • 原文 August 27, 2019, Ship & Bunker(長谷部正道)
    • 【4】北極海北航路の開発で対立するロシアとノルウェー
      • 【4】露政府は、ノルウェーとの国境に近いムルマンスクからアラスカと接するベーリング海峡までの北極海北航路(Northern Sea Route: NSR)の実用化のために、航路上の新港湾建設や大型砕氷船の建造など110億ドルを投資する計画である。一方、ノルウェー政府の外務大臣はイズベスチヤ紙に「NSRはルート全体にわたっての船舶の安全運航に必要な捜索救難体制・インフラの整備不足に加えて、極めて厳しい気象海象条件など非常に重大な問題があり、未だ商業的な利用は困難である。」と語っている。これに対し、在ノルウェー露大使館関係者は、「露はNSRの開発にあたりノルウェーに期待していない。新型砕氷船の就役により、2020年代には通年運航が可能となるNSRに対して、中国をはじめとするアジア諸国は強い関心を持っている。」とコメントしている。2018年は対前年比70%増の1800万トンの貨物がNSRで輸送されたが、プーチン大統領は国家の最優先課題としてNSRの輸送量を2024年までに8千万トンに拡充することを政府に命じている。
      • 原文 August 26, 2019, The Moscow Times(長谷部正道)
    • 【5】仏大統領:船舶の速度制限の推進をG7で提唱
      • 【5】仏大統領はG7サミット開幕を前に、「船舶の速度制限は世界的にGHGの排出を削減するための最も有効な手段のひとつであり、海運業界と協力して粛々と船舶の速度制限に取り組んでいくため、他の首脳とも本件について議論する。」と語った。同大統領は、今年初めに仏海運業界の大御所であるLouis-Dreyfus氏から船舶の速度制限について支援要請を受けたのをきっかけに、この問題に取り組み、仏コンテナ船社大手CMA CGMの会長に本件につき、新たなグリーン海運グループを主導するよう要請している。仏は、4月のIMOのMEPCにおいても運航速度の制限を提案しており、2023年までに船舶からのGHG排出削減策を決定するというIMOの作業計画では、パリ協定の合意目標達成のためには遅すぎると考えている。ICS・BIMCO等の国際海運業界団体は、船舶速度の強制的な制限に反対している。
      • 原文 August 27, 2019, Splash 247(長谷部正道)
    • 【6】なぜ東南アジア諸国の海軍は中国と米国と同じ合同訓練を行うのか?
      • 【6】ASEANは、昨年10月に中国の広東省沖で中国海軍とはじめての合同訓練を実施しているが、米海軍とASEANが9月第1週にタイランド湾において少なくとも8隻の艦船と空母を参加させて同様の合同訓練を実施する予定であると、複数のメディアが報じている。ASEANは、今回米軍とも合同訓練を行うことで、経済連携という理由から関係を維持したい中国と、南シナ海で圧力を強める中国に対抗するため関係を強めたい米国双方とのバランスをとるとともに、防衛と安全保障分野における他国との連携について、中国以外の国に対しても排他的ではなく中立であることを示す狙いがあるとみられる。
      • 原文 August 26, 2019, VOA(若林健一)
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