2019/07/30LROニュース(6)

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  • 2019.07.31 UP
    2019/07/30LROニュース(6)
    • 【1】8月7日までに各国が新たなCO₂削減目標の概要を国連に提出へ
      • 【1】9月23日に国連で開催される気候変動サミットでは、脱炭素化を加速化させるための具体的な提案を発表することが、各国首脳に期待されているが、サミットを前に国連事務総長は各国首脳に書簡を送り2050年までに炭素中立化を実現するための計画を立てるように要請した。書簡の中では、8月7日までに各国がサミットで発表する予定の新たな目標の簡潔な要旨を国連に提出するように求めており、提出された提案のうち、野心的で意味のある提案のみサミットで発表が許される見込み。2050年までの炭素中立化は、英国・北欧諸国等わずかな先進国しか現段階では約束しておらず、中国のような新興国はまだ真剣な検討もしていない状況。パリ協定においては、参加国は現在のCO₂削減目標をさらに強化した改定案を2020年に発表することになっている。
      • 原文 July 22, 2019, Climate Change News(長谷部正道)
    • 【2】マヨルカ島の住民がクルーズ船の寄港制限を要求
      • 【2】スペイン領の地中海のマヨルカ島には、年間約500隻の巨大クルーズ船が寄港し、200万人の観光客が島に立ち寄るが、特に夏の観光シーズンには多いときで一日5隻から8隻の巨大クルーズ船が寄港し、1万5千人の観光客が上陸するが、このような集中豪雨的なクルーズ船の寄港は深刻な環境面での悪影響を与えているとして、同島の30以上のNGOと1万1千人の島民が、クルーズ船の寄港を一日1隻に制限し、クルーズ船の観光客を最大で一二と4000人に制限するよう陳情書を作成した。NGOの「交通と環境(Transport & Environment)」が最近発表した報告書では、クルーズ船によって欧州内で最も環境汚染されているバルセロナ港に次いで、マヨルカ島のパルマ港は欧州内で2番目に環境汚染された港湾であると指摘されている。陳情書では島に寄港するクルーズ船の排ガスによって、自動車による大気汚染の200倍以上の大気汚染が引き起こされていると指摘されている。
      • 原文 July 25, 2019, The Guardian(長谷部正道)
    • 【3】海面下の氷河が従来予測より極めて速いペースで失われていることが判明
      • 【3】陸上の氷河が海と接するときに、海面下でどのようなペースで氷河が溶けているか、今までは科学的に解明されてこなかったが、オレゴン大学の研究者達が、レーダー・ソナー・定期的な写真撮影によって、アラスカにおいて経年的に海面下の氷河がどのように変化したかを初めて明らかにした。世界中の氷河の後退は、大気の温暖化のみならず海洋の温暖化によってももたらされており、従来は後者の影響を過小評価していたが、海面下の氷河については、従来の予測の10倍から100倍のスピードで失われており、結果として海面の上昇を促進していることがわかった。
      • 原文 July 26, 2019, Science(長谷部正道)
    • 【4】北極海第2LNG事業への出資者構成が確定
      • 【4】ロシア最大の独立系天然ガス製造事業者であるノヴァテクは、北極海第2LNG事業の最後の10%の出資枠を、三井物産と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によって構成される合弁事業体の日本北極海LNGに30億ドルで売却することを6月決定した。同社は既に中国石油天然気集団(China National Petroleum Corp)と中国海洋石油集団(China national Offshore Oil Corp)の2社に10%の出資枠を売却する強制力のある契約を締結している。同社は今回の契約により、最終投資決定(Final Investment Decision)を行い、事業の実施に必要な資金を得ることになる。北極海第2LNG事業は、重力式プラットフォームの上に建設され、3つの生産ラインの合計で年間660万トンのLNGを生産する予定。同社は世界の2大LNG輸入国である日本と中国を含み世界のLNG需要の2/3を持つアジア太平洋市場に確固としたシェアを確立することを目指しており、中国・インド・パキスタン・バングラデシュといった国々の今後のLNGの需要の増加に着目している。
      • 原文 July 25, 2019, Natural Gas International(長谷部正道)
    • 【5】インドがインド洋における対中国MDA向上のためにモザンビーク等と連携
      • 【5】インド国防相は26日、7月28日から3日間の日程で同国のSAGAR政策(関係国と安全保障と経済成長を共有するインド版一帯一路政策)の一環としてモザンビークを訪問し、両国が排他的経済水域における監視活動や民間船舶の運航情報や水路情報を共有することに合意することを明らかにした。インド海軍にとってインド洋における中国のプレゼンス拡大は大きな課題となっている。中国は、海賊対処の目的でミサイル駆逐艦、潜水艦及びフリゲート艦を展開しているが、この協定に基づき、インドはインド洋を運航する中国船を含む民間商船の動向を把握することが可能となる。インド海軍は12か国以上の国と、レーダー基地や監視システムの構築及びこれらを通じた情報共有による海洋状況把握(Maritime Domain Awareness:MDA)能力を完全にすべく協議を進めている。
      • 原文 July 26, 2019, Sputnik(若林健一)
    • 【6】加政府がセミクジラ保護のための船舶の運航速度制限を強化
      • 【6】セミクジラは世界で400頭ほどしか残っていない絶滅危惧種だが、カナダ政府はセミクジラと船舶の衝突事故を予防するため、4月28日からセントローレンス湾において船長20m以上の船舶について、運航速度の上限を10ノットとする速度制限を導入していた。しかし規則導入後も8頭のセミクジラが死亡し、2017年にカナダで12頭、米で5頭が死亡したのに次ぐペースで死亡事故が増加しているため、7月8日から規制を強化し、船舶の運航速度制限の適用海域を拡大し、制限の対象となる船舶を船長20m以上から13m以上に拡大するとともに、衛星を利用した上空からの監視(National Aerial Surveillance Program)を強化して、クジラの生態を監視し、必要に応じさらに衝突予防策を強化すると発表した。また、運航速度規制に違反した2隻の船舶に対し、規制開始後初めて、それぞれ7800ドルの罰金刑を7月26日に言い渡した。
      • 原文 July 26, 2019, CBC(長谷部正道)
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