2019/07/29LROニュース(6)

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  • 2019.07.30 UP
    2019/07/29LROニュース(6)
    • 【1】チッタゴンの船舶解体場で解体作業員の転落死事故が発生
      • 【1】7月23日、バングラデシュのチッタゴンにあるKabir製鉄Khwaja船舶解体場で、台湾のEvergreenが所有していたコンテナ船を解体中の作業員1名が転落死した。過去数年にわたり同船舶解体場では死亡事故が続き、2017年と2018年の2年間だけでも少なくとも4名の作業員が死亡し、2016年には作業員の死亡事故に抗議した労働者に対し、警備員が発砲して7名を負傷させるという事件まで起こしている。2018年1月には、ノルウェー中央銀行は、Evergreenが同社の廃船をチッタゴンの海岸の危険な船舶解体場に売り払っているという理由で、同社をノルウェーの世界的な年金基金の投資対象から除外しているが、同社はこうした動きを無視して、今年も5隻の船舶をバングラデシュで解体し、うち3隻は今回の事故が発生したKabirグループの船舶解体場に売却されている。
      • 原文 July 24, 2019, Shipbreaking Platform(長谷部正道)
    • 【2】英国政府のGreen金融戦略と企業がとるべき行動
      • 【2】英国政府はClean Air戦略に基づき、英国を2050年までに炭素中立とすることを発表したが、これに続き7月2日Green金融戦略(Green Finance Strategy)を発表し、金融面から2050年までの炭素中立を支援するため、融資決定にあたり、当該企業の気候変動・環境面での取り組みを重視するとともに、国内外における気候変動・環境に関する新技術等に積極投資する。従って、今後企業経営者は、新たな事業を行うための融資を受けようとする際には新事業が環境面で与える影響を検討しなくてはならず、また将来的な企業戦略を検討する際にも、当該企業戦略が政府の気候変動・環境政策に適合するか検討する必要があり、もしこうした検討をせずに気候変動・環境面での融資基準に適合していなければ、今後融資を受けられない可能性もある。上場企業は本戦略に従い2022年までに気候変動に関連する事項の情報開示を行わなくてはいけない。
      • 原文 July 23, 2019, eSQUIRE Global Crossing(長谷部正道)
    • 【3】Maritime UK: ジョンソン新首相に要望書を提出
      • 【3】英国の海事関係団体の統括組織であるMaritime UKの会長がジョンソン新首相に要望書を提出したところその概要は以下のとおり。①湾岸における英国商船の安全航行を確保するために英国政府は最善の努力をすること。今後事態が悪化したときに備えて、英国海軍による湾岸地域における護衛能力を増強すること。②英国の海事関連産業は、合意に基づくEU離脱となることを望むが、合意なき離脱となった場合でも政府と密接に協力して準備を行っていくが、政府は早急に、EU離脱に伴う暫定的な通関措置について再検討し、国際貿易事業者番号(international trader registration number)の交付を進め、EUとの間のフェリーが寄港する港湾における暫定的な通関措置を国内の全ての港湾に拡大適用し、急増する通関申請に対応するため既存の税関のITシステムを改善する必要がある。③新首相が提唱している「自由貿易港」の創設は、様々な施策の一つとして場所を選ぶ必要があり、その他の港湾については、港湾の接続性を向上させるための道路等のインフラ整備が重要。
      • 原文 July 24, 2019, Maritime UK(長谷部正道)
    • 【4】英国政府:2020年COP26で主催国として気候変動対策リードをもくろむ
      • 【4】今後2020年末までに開催される予定の重要な気候変動に関する国際会議を考慮して、英国のチャールズ皇太子は英連邦外相会議で「気候変動のレベルを人類が生存可能なレベルに維持するためには、今後の18か月にどのような政策決定ができるかにかかっている」と発言したが、2018年に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書でも地球の気温の上昇を1.5℃以内に抑え込むためには、世界全体のCO₂の排出量を2020年までにピークアウトしなくてはならないと記述されている。今年最初の重要な国際会議は、国連事務総長主催のもとに、9月23日に国連本部で開催される気候変動特別サミット(special climate summit)で、出席する各国首脳は各国の炭素削減目標の大胆な改善を求められている。次の機会が本年チリのサンティアゴで開催されるCOP25だが、英国政府としては2020年末に英国で開催されることがほぼ確実なCOP26を活用して、フランスが主催国としてパリ協定をリードしたのと同様に、英国がEU離脱後、地球温暖化対策の主導権を示すことを狙っている。
      • 原文 July 24, 2019, BBC(長谷部正道)
    • 【5】イランがインド政府の働きかけに応じ拿捕したタンカーの船員の釈放を始める
      • 【5】イラン政府は、7月14日に石油の密輸にかかわっていたとして拿捕したパナマ籍の小型タンカーの12人のインド人船員を釈放した。インドの外交筋は同船の残りの3人の船員と、同様にイランによって拿捕された英国籍タンカーの船員およびジブラルタル政府によって拿捕されたイランのタンカーの船員の解放を引き続き働きかけている。
      • 原文 July 26, 2019, Splash247(長谷部正道)
    • 【6】 英国新首相はイラン政府の人質戦法と取引をするべきではない
      • 【6】(論説):英首相は、イランに拿捕されている英タンカーStena Imperoの解放に向け何をすべきか判断を迫られており、首相就任後最初の危機に直面している。イランは、ジブラルタル沖で英国に拿捕された自国のタンカーGrace 1の解放を求めている。この種の人質戦法に対しては断固とした対応で臨むことが、その威力を奪い、その手段が行き詰った戦略であることを証明する。しかし、仮に取引に応じた場合、ホルムズ海峡においてイランがより多くの船舶を拿捕することを促すことになる。また、積荷がシリアに向かわないのであればイランタンカーを解放する用意があると英国が発表した後に、英国タンカーが拿捕されていることから、イランは単に船と船の交換を求めているのでなく、シリアへの物資輸送の自由を求めていると言える。シリアの殺戮者に打撃を与えるために英首相ができるせめてものことは、イランによるシリアへの石油の輸送を止めることである。
      • 原文 July 25, 2019, gCaptain(若林健一)
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