2019/07/25LROニュース(6)

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  • 2019.07.26 UP
    2019/07/25LROニュース(6)
    • 【1】合意なきEU離脱:アイルランドの港湾の渋滞は不可避
      • 【1】英国の新たな首相候補は共に、バックストップ(英国がEUを離脱(Brexit)した場合、どのような状況下においても、アイルランドと北アイルランドの国境は現状とおり自由な往来を保証するというもの)条項を、EU離脱協定から除くべきだと主張しているが、離脱協定の中核をなす条項を削除するための協議にEUが応ずる可能性はなく、合意なきEU離脱の可能性が高くなっている。7月18日、アイルランド首相は、同国はBrexitに備えて700人の通関職員を増員し、ダブリン空港・ダブリン港・ロスレア港に仮設施設の整備とともに、追加配置する準備をしたものの、そうした準備にもかかわらず、合意なき離脱になれば、空港・港湾における貨物の渋滞が不可避的に発生するだろうとも述べた。英国のEUからの離脱は10月31日まで延長されているが、欧州委員会の新委員長に選任されたフォン・デア・ライエン氏は、英国から要請があれば、合意なき離脱を回避するために、更なる離脱期限の延長を支持するだろうと述べている。
      • 原文 Jul 18, 2019, Irish Times(長谷部正道)
    • 【2】6月の全世界の気温が史上最高を記録
      • 【2】米国海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric Administration)の米国環境情報センター(National Centers for Environmental Information)によれば、20世紀における6月の地球全体の平均気温である15.5℃より、今年は平均気温が0.95℃高くなり、記録が残っている過去140年間の中で最高を記録した。これまでの6月の気温が高かった上位10年のうち9年は2010年以降であり近年温暖化が急激に進んでいることを裏付けている。北極海の海氷の面積は、1981年から2010年までの平均面積と比べると、今年は10.5%狭く、史上2番目に狭い記録となり、南氷洋の海氷は同8.5%狭くなり、史上最低を記録した。
      • 原文 July 18, 2019, NOAA(長谷部正道)
    • 【3】イラン革命防衛隊がホルムズ海峡で英国のタンカーを拿捕
      • 【3】7月19日、イラン革命防衛隊は声明で、英国籍タンカー「Stena Impero」をホルムズ海峡において国際法に従わなかったことを理由に拿捕したと発表した。ロイター通信によると、同日、英外務省報道官は報告を受けて情報の収集と分析に努めていると述べた。一方でトランプ大統領は同日、イランがホルムズ海峡で2隻のタンカーを拿捕したとみられると述べており、ロイター通信によると英国が運航するリベリア籍タンカー「Mesdar」がホルムズ海峡をペルシャ湾向け通航したのちに北向けに変針しイランに向かったと報じている。イランは、2隻目のタンカーの拿捕については確認していないとしている。
      • 原文 July 19, 2019 Tehran Times(若林健一)
    • 【4】イラン革命防衛隊が英タンカー拿捕時の音声が公開
      • 【4】イラン革命防衛隊が英国籍タンカーを拿捕する際の音声が7月21日に公開された。これによると、イラン側からタンカーに対して「指示に従えば安全は保障する。直ちに北に迎え。」と指示する状況や、英国艦船からイラン側に対して国際法に従うよう求める状況が記録されている。英国艦船は拿捕されたタンカーから遠く、これを防ぐことができなかった。
        英国では24日に新首相が就任する予定であり、当該タンカーの拿捕は、英国にとって難しいタイミングで発生したと言える。英政府は、軍事的オプションは選択肢にないと言い、英国防相は緊張状態の抑制を求めている。英国籍タンカーの拿捕はイラン国内では支持されており、21日、約160名の国会議員が、イラン革命防衛隊によるタンカー拿捕を称賛する共同声明を発表、イラン革命防衛隊は覆面姿でヘリコプターからタンカーに降下する隊員の映像を公開した。
      • 原文 July 22, 2019, Navy Times(若林健一)
    • 【5】ICSがイラン革命防衛隊による英タンカーの拿捕を非難する声明を発表
      • 【5】国際海運会議所(International Chamber of Shipping:ICS)は、英国籍タンカー「Stena Impero」がホルムズ海峡の公海上を航行中に予定のコースを外れたとの報告を受けた。ICS事務局長は、特に船員の安全について懸念を示し、各国当局が協力して迅速で透明性のある解決策を見出し、船員の安全を確保することを求めている。
      • 原文 July 19, 2019, ICS(若林健一)
    • 【6】INTERTANKO: ホルムズ海峡紛争当事者に冷静な対応を求める
      • 【6】国際独立タンカー船主協会(International Association of Independent Tanker Owners: INTERTANKO)はホルムズ海峡を巡る最近の動きに関し声明を発表したところその概要は以下のとおり。①同協会は最近ホルムズ海峡で起きた事件に深い懸念を持っているが、同海峡を通過する船舶が、報復を恐れることなく通常の安全な運航を再開できるよう、関係当事者が冷静な対応をとることを要請する。②英国籍とリベリア籍の2隻のタンカーがイラン革命防衛隊に拿捕され、リベリア籍のタンカーは解放されたが、英国籍のタンカーは「国際規則に違反した。」として引き続き拘束されている。③同協会は拿捕された船舶の船員のみならず、同海峡を航行する船舶の船員の不安感を思うと、国際海域において自由で安全な航海が保証されることが基本であると考える。④ホルムズ海峡経由で毎日約1900万バレルの石油が輸出されているが、これは世界の石油輸出量の20%に匹敵するほど重要な輸送ルートであり、紛争をさらにエスカレートさせないため、全ての関係者が冷静に協議を行う必要がある。
      • 原文 July 20, 2019, INTERTANKO(長谷部正道)
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