2019/07/24LROニュース(6)

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  • 2019.07.25 UP
    2019/07/24LROニュース(6)
    • 【1】再生可能エネルギーを利用して浮体式構造物から島嶼国に電力・水を供給
      • 【1】アイルランドのコーク大学のエネルギー・気候変動・海事問題SFI研究センター(MaREI)はEUのHorizon 2020事業の一環として900万ユーロの支援を受け、小島嶼国に再生可能エネルギーを利用して電気や水を供給するための浮体式プラットフォームを建造するモデル事業であるMUSICA(Multiple Use of Space for Island Clean Autonomy)を開始すると発表した。MUSICAは人口2000人までの島の住民が必要とする7割の電力と100%の真水を、風力・太陽光・波力などの再生可能エネルギーを利用して浮体式構造物から供給することを目標とする。小島嶼国においては、電力や水の価格は通常の2-3倍の高コストがかかるうえに、供給力が小規模でかつ不安定であるという問題を抱えている。MUSICA事業によって、浮体式構造物からより安い電力と水を安価に供給することによって、小島嶼国の経済的な独立・自治を支援できる。浮体式構造物によって環境にやさしい養殖業の支援も行うことができる。
      • 原文 July 16, 2019, MaREI(長谷部正道)
    • 【2】ナイジェリアでトルコ人船員が武装した海賊に人質に取られる
      • 【2】10名のトルコ人船員がナイジェリア沖において海賊に身代金目的で誘拐された。ギニア湾において海賊が乗り込んできた際、Paksoy-1はカメルーンからコートジボワールへ向かっていた。積荷は積んでおらず、8名の船員が難を逃れた。トルコは人質となった船員の解放に向け動いている。国際海事局(The International Maritime Bureau:IMB)は、ギニア湾を海賊に関して世界で最も危険な海域としている。同船の運航者は、武装した約12名の海賊が同船を襲撃し、船員はシタデルへ隠れたが、船に火を放ち皆殺しにすると脅されたことから姿を現して捉えられたと述べている。IMBによると、誘拐事案の73%及び人質事案の92%がナイジェリア沖、ギニア沖、トーゴ沖、ベナン沖及びカメルーン沖といったギニア湾において発生している。IMBは近頃、ナイジェリア海軍のしょう戒によりギニア湾において海賊事案が顕著な減少を見せていると言及している。今年これまでにナイジェリア沖で発生した事案は、昨年の同期間の31件に比べ、21件となっている。
      • 原文 July 16, 2019, BBC(若林健一)
    • 【3】スクラバー選択のリスクと経済的リスク分散方法
      • 【3】スクラバー投資には、1隻あたり3百万から1千万ドルかかり、船主にとっては当該投資に必要な資金の確保とスクラバーを船舶に装備するためのドッグの確保とドッグ期間中は機会収入を失うという不利益がある。また、最近ではいくつかの港湾において開放型スクラバーの使用が禁止されるといった政策的なリスクもある。スクラバーを利用すれば相対的に低コストの既存の重油燃料を使用することができ、当該船舶の運航コストが下がるので。これによって利益を受ける用船者や荷主にスクラバー投資費用の分担を求めることも可能で、傭船契約や輸送契約中に「船主補償(owner compensation)」条項や「設備投資(capital expenditure)」条項を盛り込むことも可能である。また、IMO2020年規制適合燃料油と重油燃料の価格差がまだ明らかにはなっていないが、船主と用船者でこの価格差によって発生する利益を分配する「利益配分協定(profit sharing provisions)」を契約に盛り込むことも可能である。
      • 原文 July 15, 2019, HFW(長谷部正道)
    • 【4】ホルムズ海峡通行中の米海軍の強襲揚陸艦がイランのドローンを撃墜
      • 【4】7月18日、トランプ米大統領はホワイトハウスで、ホルムズ海峡において米国艦船が警告に従わず接近するイランの無人機を破壊したと述べた。6月には、イランが米軍の無人機を破壊したことで、両国間で緊張が高まっている。トランプ大統領は、イランの無人機が度重なる警告を無視して米国艦船まで約1000ヤードまで接近したことから、米国艦船が自衛措置をとったと述べた。ニューヨークタイムズによると、ある国防省職員は、無人機はジャミング装置を使用して墜落させたと伝えている。イラン外相は同日、無人機を失ったという情報には接していないと述べた。
      • 原文 July 19, 2019, BBC(若林健一)
    • 【5】一帯一路政策とスイスとの関係
      • 【5】中国・スイス間の自由貿易協定(Free Trade Agreement: FTA)は2014年から発効しているが、スイスが他国と締結しているFTAの中で人権に触れられていない唯一例外的なFTAであり、発効以来、中国の金融機関の融資によって、436億ドルの投資がスイス国内で行われ、80を超えるスイス企業が買収されている。電力等の国家にとって重要なインフラ産業に対する外国企業による買収について、独・伊等のG7加盟国は国が拒否権を持っているが、スイスは国家にとって重要な産業を外国企業の買収から守る手段がなく、中国国営金融機関が世界的な信用を有するスイスの銀行を買収することは、中国元をドルに代わる国際通貨にするための重要なステップとなる。中国は中国人観光客も有力な経済進出の手段としており、中国とスイスとの間で一帯一路に関する連携協定が締結された本年4月には、1万2千人の中国人観光客がスイスを訪れ、1400万ドル分スイス経済に貢献している。一人の観光客が一日当たり使う金額は、独が130ドル、米が280ドルであるのに比べ、中国人観光客は378ドルも使いスイス経済にとっては魅力ある存在となっている。
      • 原文 July 19, 2019, Splash247(長谷部正道)
    • 【6】米国防総省:湾岸有志連合は対イラン軍事同盟を目指さず
      • 【6】米国国防総省高官は、ホルムズ海峡周辺における安全保障に向けた新たな有志連合の目的は、イランに対して軍事的に対抗することではなく、監視能力の強化であると述べた。また、米国は他国の船舶の護衛は実施せず、護衛の要否については各参加国の判断に委ねるとし、米国は情報共有の枠組みを提供し、参加各国が自国の船舶の護衛を実施する場合はこれを援助すると述べた。さらに、どのような船舶による貢献が望ましいか問われ、機動性の点から小型で高速の船艇であると答えている。今月初旬に国防省は、同枠組みをイエメン沖にも展開させたい考えを示している。同高官は、複雑な多国籍による取組みを調整するには時間を要するとし、明確な時期は示していない。
      • 原文 July 18, 2019, Reuters(若林健一)
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