2019/06/06LROニュース(6)

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  • 2019.06.07 UP
    2019/06/06LROニュース(6)
    • 【1】英国の環境法制がEU離脱によって受ける影響
      • 【1】化学物質による汚染・工場からの排気・農薬による環境汚染など英国の環境規制の約8割はEUの規制が根拠になっていることから、EU離脱後はEUの影響やEU法の適用なしに、どの英国の環境規制がどの程度退行するか懸念されている。現在は1972年の欧州共同体法(European Communities Act 1972)によって、英国内のEU法履行法令無しに、各種命令等EU法が直接英国内に適用されているが、この共同体法はEU離脱日(または移行期間が設けられる場合は移行期間終了日)に失効する。失効日以降の環境法令の空白を防ぐために、2018年のEU(離脱)法(European Union (Withdrawal) Act)は、離脱日の前日に英国内に直接適用されていたEU法は離脱後も「残存EU法(retained EU law)」として、そのまま英国内法として置き換えられると定めている。(当該時点で発効していないEU規則は除く。)したがって、英国政府が残存EU法を改正しない限り、離脱後も環境法制の現状維持が図られることとなる。
      • 原文 May 28, 2019, Osborne Clarke(田中)
    • 【2】中国広東省で港湾と水路・鉄道を結ぶネットワーク協定が締結
      • 【2】中国鉄道広州集団仏山貨物センターは、広東省の広州・東莞・恵州・仏山・江門・中山・肇慶などの20の港湾・船社と協力協定を締結し、広東州で鉄道と水運を活用したマルチモーダル輸送ネットワークを共同で開発していくことで合意した。協定に参加した珠江船務企業(集団)有限公司の関係者は、このネットワークが完成すれば、広東省の港湾から中国の南西部・内陸部への物流が改善されると語った。大湾区では同様なネットワークが仙山市で、2019年初めに結成されている。このネットワークが完成すれば、従前港湾からトラック輸送されていた貨物を水路で貨物鉄道駅まで輸送することによって、輸送コストと環境汚染を同時に削減することが可能となる。
      • 原文 May 29, 2019, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【3】アジアの5大金融機関も次々と石炭火力発電関連の融資を中止
      • 【3】再生可能エネルギーの発電コストの低下・技術革新・反環境的企業とレッテルを張られる信用リスク・融資効率・環境問題等の観点から、世界中で石炭火力発電所への融資中止の動きが広まっている。欧米の金融機関が先行したが、アジアの金融機関も次々と同様の決断をしており、具体的には、アジアの5大金融機関である、中国の国投集団(State Development & Investment Corp)、中国の銀行以外では世界最大の銀行である日本の三菱UFJ銀行、シンガポールの3大銀行は石炭火力発電所への融資を停止すると発表し、こうした動きにインド・韓国・タイの金融機関も追随している。アジア諸国の多くの政府も、人口増加に伴うエネルギー需要の拡大に対応するため、石炭火力発電から割安で海外原料に依存しない持続可能な再生可能エネルギーにエネルギー政策の重点をシフトしている。
      • 原文 May 27, 2019, Energy Post(長谷部正道)
    • 【4】サウジが湾岸協力理事会で一致団結してイランのテロに対抗するよう提唱
      • 【4】5月31日にメッカで行われた湾岸協力理事会は、イエメンの武装組織「フーシ」を支援しアラブ諸国の内政に干渉するイランを非難する共同声明を発表して終了した。声明は、アラブ・イスラム諸国の安全と安定を実現するとともに、アラブ・イスラム諸国の発展を阻害するような動きと侵略の脅威に断固として立ち向かうとの内容で、サウジのサルマン国王がツイッターで明らかにした。サルマン国王はイランがテロ組織を支援しているとして、国際的な対策を求めていた。この会合は米国とイランの対立について話し合うためにサウジがアラブ、湾岸、イスラム諸国に呼び掛けて行われたものである。
      • 原文 June 1, 2019, Sputnik(武智敬司)
    • 【5】ICSが海事労働条約履行ガイドラインを改定し第3版を出版
      • 【5】国際海運会議所(International Chamber of Shipping: ICS)は、国際労働機関(International Labor organization: ILO)海事労働条約(Maritime Labor Convention: MLC)が2013年に発効して以来の全ての改正を反映した履行ガイドラインの第3版を発行した。新ガイドラインにはILOや国際運輸労連(International Transport Workers’ Federation: ITF)等が作成した様々な参考資料に加えて、Port State Control時における MLCの履行状況に関する検査手順等の有益な情報も含まれている。船員の福祉の部分については、デジタル化の進展や船員の職場に関連する様々な技術革新を踏まえて、全部書き直されている。第3版には、その他にも①船員放棄が発生した場合に必要となる財源の確保に関する強制措置②海賊事件に巻き込まれた際の雇用契約の変更③セクハラやいじめ防止措置④ICSとITFが共同で作成した船員福祉のための新ガイドライン⑤健康・安全に関する規定の実施方法等に関する説明が追加されている。
      • 原文 May 30, 2019, ICS(長谷部正道)
    • 【6】比も加に1500トンのプラスチック等の家庭ごみを送り返す
      • 【1】比政府は2014年から「リサイクル可能なプラスチック」と偽って、カナダから輸入された家庭ごみの問題をカナダ政府と協議していたが、2016年に同国の裁判所で、カナダからのゴミは輸入事業者の負担でカナダに返送すべきことが命令された。同年カナダ政府は同じ問題を繰り返さないために、有害廃棄物の輸出を国内法で禁止した。カナダ政府がごみ返送の実施期限とされていた5月15日までに、ごみの返送を実施しなかったために、比政府は同国のカナダ大使を本国に召還していた。対象となるごみはコンテナ69個分で約1500トンあり、スービックからカナダのバンクーバーまで貨物船で輸送され、廃棄物処理施設で焼却処分される。ごみの返送費と処理費はカナダ側が全額負担する。カナダ環境大臣は今後とも国際的な義務に従い、カナダから輸出されたごみについて適切に対処していくとコメントしている。
      • 原文 May 31, 2019, BBC(長谷部正道)
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