2019/04/17LROニュース(6)
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2019.04.18 UP
2019/04/17LROニュース(6)
- 【1】南アフリカ海事安全庁がスクラバーの使用を承認
- 【1】南アフリカ海事安全庁(South African Maritime Safety Authority : SAMSA)はさらなる告知があるまで、南アフリカ領海内で開放型、閉鎖型、ハイブリット型のスクラバーの使用を承認すると3月に告示した。2020年から、スクラバーを使用した重油燃料のほか、SAMSAは舶用ガスオイル、低硫黄燃料油、LNG、舶用バイオ燃料の使用もIMO2020年規制に適合するものとして認めていく。SAMSAが管轄する港湾地域としては、ケープタウン港、サルダニア湾、ポートノロス港、ポート・オブ・ングラ港、東ロンドン港、ダーバン港、モーセルベイ港、ポートエリザベス港、リチャーズベイ港などがある。スクラバー使用推進団体であるClean Shipping Alliance 2020は今回のSAMSAの決定を歓迎し、ほかの港湾当局においてもスクラバーから排出される排出水の環境的な影響に関する中立的な研究成果を吟味し、スクラバーによって排気中の硫黄成分だけでなく、大気中の微細粒子なども取り除かれるというメリットも勘案の上、スクラバーの使用許可を出してほしいとの見解を発表している。
- 【1】南アフリカ海事安全庁(South African Maritime Safety Authority : SAMSA)はさらなる告知があるまで、南アフリカ領海内で開放型、閉鎖型、ハイブリット型のスクラバーの使用を承認すると3月に告示した。2020年から、スクラバーを使用した重油燃料のほか、SAMSAは舶用ガスオイル、低硫黄燃料油、LNG、舶用バイオ燃料の使用もIMO2020年規制に適合するものとして認めていく。SAMSAが管轄する港湾地域としては、ケープタウン港、サルダニア湾、ポートノロス港、ポート・オブ・ングラ港、東ロンドン港、ダーバン港、モーセルベイ港、ポートエリザベス港、リチャーズベイ港などがある。スクラバー使用推進団体であるClean Shipping Alliance 2020は今回のSAMSAの決定を歓迎し、ほかの港湾当局においてもスクラバーから排出される排出水の環境的な影響に関する中立的な研究成果を吟味し、スクラバーによって排気中の硫黄成分だけでなく、大気中の微細粒子なども取り除かれるというメリットも勘案の上、スクラバーの使用許可を出してほしいとの見解を発表している。
- 【2】「世界で最大の外航自律運航船」を実現する事業がシンガポールで始動
- 【2】シンガポール海事週間において、ロイズ船級協会(LR)は、先進的な情報通信企業であるST Engineering Electronics Ltdと三井物産と連携して、シンガポール海事港湾庁(MPA)が資金支援する「世界最大の外航自律運航船航行システム開発事業」を開始すると4月10日発表した。LRは既に世界最初となる自律運航船開発事業に参加しており、こうした先行事業から得た知見を活かして、世界で初めてとなる大型外航商船の自律運航化事業に取り組む。
- 【2】シンガポール海事週間において、ロイズ船級協会(LR)は、先進的な情報通信企業であるST Engineering Electronics Ltdと三井物産と連携して、シンガポール海事港湾庁(MPA)が資金支援する「世界最大の外航自律運航船航行システム開発事業」を開始すると4月10日発表した。LRは既に世界最初となる自律運航船開発事業に参加しており、こうした先行事業から得た知見を活かして、世界で初めてとなる大型外航商船の自律運航化事業に取り組む。
- 【3】DNV GLの先進海事都市報告書2019:シンガポールが首位を維持
- 【3】4月10日、DNV GLはMeron Economics社と協力して「先進海事都市報告書2019 (The Leading Maritime Capitals report for 2019)」を発表した。報告書では世界の先進的な15の都市について、ハードのインフラ的な側面ばかりでなく、ソフト面や優秀な人材の供給可能性など複数の基準に照らして、海運事業やその関連事業者にとって最も活動しやすい都市であるかという観点から総合的に比較検討を行っている。ランキングは①海運②港湾と物流機能③都市としての魅力と競争力④海事金融と海事法⑤海事技術力の5分野ごとに評価されており、シンガポールは5分野のうち①から③までの分野で首位、④についてはロンドンが⑤についてはオスロが首位となった。総合順位としては1位のシンガポールと2位のハンブルグは前回と同様で、3位にロッテルダム、4位に香港がそれぞれ躍進した。そのあとは5位ロンドン、6位上海、7位オスロ、8位東京と続いている。ちなみに、船腹量や造船量といった客観的な基準だけで言えば、東京はシンガポール・ロッテルダムに続いて3位となっているが、評価者の主観的な基準による評価が11位と上位都市の中では極端に低いため8位となっている。
- 【3】4月10日、DNV GLはMeron Economics社と協力して「先進海事都市報告書2019 (The Leading Maritime Capitals report for 2019)」を発表した。報告書では世界の先進的な15の都市について、ハードのインフラ的な側面ばかりでなく、ソフト面や優秀な人材の供給可能性など複数の基準に照らして、海運事業やその関連事業者にとって最も活動しやすい都市であるかという観点から総合的に比較検討を行っている。ランキングは①海運②港湾と物流機能③都市としての魅力と競争力④海事金融と海事法⑤海事技術力の5分野ごとに評価されており、シンガポールは5分野のうち①から③までの分野で首位、④についてはロンドンが⑤についてはオスロが首位となった。総合順位としては1位のシンガポールと2位のハンブルグは前回と同様で、3位にロッテルダム、4位に香港がそれぞれ躍進した。そのあとは5位ロンドン、6位上海、7位オスロ、8位東京と続いている。ちなみに、船腹量や造船量といった客観的な基準だけで言えば、東京はシンガポール・ロッテルダムに続いて3位となっているが、評価者の主観的な基準による評価が11位と上位都市の中では極端に低いため8位となっている。
- 【4】コンテナ船火災防止対策として不正な申告を防ぐ必要性
- 【4】(論説)2012年のMSC Flamina火災事故、2017年のMaersk Honam火災事故など、近年コンテナ船の深刻な火災事故が継続しているが、危険物の不正申告や無申告を防ぐための緊急措置が必要である。Maersk Honam事故は乗員5名の死亡に加え、5億ドルを超える損害額が発生したため、2018年9月にMaerskは危険物をコンテナ船に積み込むための新たなガイドラインを作成し、コンテナ船を6つの区域に分類して、リスクの高い貨物は船員の居住区域や機関・推進機区域のような脆弱性の高い区域のそばを避け、甲板上のリスクの低い区域に積載するなどの対応をとり、貨物事故通報機構(Cargo Incident Notification System)から提供されたコンテナ火災に関する統計を活用して、貨物の種類に応じてコンテナ船内に積載する場所を決定している。危険物の不正申告の主たる動機は、こうした危険物を特別に梱包し積みつける手間とコストを節約するためであるが、最近の専門家の報告によれば、コンテナ船に積み込まれるコンテナの約1/3は貨物の申請が適正に行われず、全体の約1割のコンテナには危険物が積載されていることが分かった。
- 【4】(論説)2012年のMSC Flamina火災事故、2017年のMaersk Honam火災事故など、近年コンテナ船の深刻な火災事故が継続しているが、危険物の不正申告や無申告を防ぐための緊急措置が必要である。Maersk Honam事故は乗員5名の死亡に加え、5億ドルを超える損害額が発生したため、2018年9月にMaerskは危険物をコンテナ船に積み込むための新たなガイドラインを作成し、コンテナ船を6つの区域に分類して、リスクの高い貨物は船員の居住区域や機関・推進機区域のような脆弱性の高い区域のそばを避け、甲板上のリスクの低い区域に積載するなどの対応をとり、貨物事故通報機構(Cargo Incident Notification System)から提供されたコンテナ火災に関する統計を活用して、貨物の種類に応じてコンテナ船内に積載する場所を決定している。危険物の不正申告の主たる動機は、こうした危険物を特別に梱包し積みつける手間とコストを節約するためであるが、最近の専門家の報告によれば、コンテナ船に積み込まれるコンテナの約1/3は貨物の申請が適正に行われず、全体の約1割のコンテナには危険物が積載されていることが分かった。
- 【5】ISWANが船舶の拘留に伴う船員放棄に関する新たなガイドラインを発表
- 【5】国際船員福祉支援ネットワーク(International Seafarer’s Welfare and Assistance Network)は、国際海運会議所(International Chamber of Shipping)・国際運輸労連(International Transport Workers’ Federation)等と協力して、4月5日「船舶の拘留に伴う船員放棄(Arrested and Detained Vessels and Abandoned Seafarers)」に関する新たなガイドラインを発表した。新ガイドラインは港湾福祉委員会(port welfare committee)のメンバーや船員福祉機関が船舶が拘留され船員が放棄された場合の対処方法を再検討することを目的とし、港湾停泊中の船舶で船員放棄が発生した場合の関係機関の責任関係を概説している。新ガイドラインは英国商船船員福祉審議会(UK Merchant Navy Welfare Board)がもともと作成したガイダンスをベースに、他国の船員福祉審議会が各国の事情に応じて変更が加えられるように配慮して作成されている。新ガイドライン本文は以下のリンクを参照。
- 【5】国際船員福祉支援ネットワーク(International Seafarer’s Welfare and Assistance Network)は、国際海運会議所(International Chamber of Shipping)・国際運輸労連(International Transport Workers’ Federation)等と協力して、4月5日「船舶の拘留に伴う船員放棄(Arrested and Detained Vessels and Abandoned Seafarers)」に関する新たなガイドラインを発表した。新ガイドラインは港湾福祉委員会(port welfare committee)のメンバーや船員福祉機関が船舶が拘留され船員が放棄された場合の対処方法を再検討することを目的とし、港湾停泊中の船舶で船員放棄が発生した場合の関係機関の責任関係を概説している。新ガイドラインは英国商船船員福祉審議会(UK Merchant Navy Welfare Board)がもともと作成したガイダンスをベースに、他国の船員福祉審議会が各国の事情に応じて変更が加えられるように配慮して作成されている。新ガイドライン本文は以下のリンクを参照。
- 【6】ETIP Ocean: 海洋エネルギー開発にはより多くのEU加盟国の財政支援が必要
- 【6】欧州委員会の戦略的エネルギー技術計画(Strategic Energy Technology Plan)に関する公式助言機関であるETIP Oceanが海洋エネルギー産業が軌道に乗るまで課題を分析した報告書を発表し、海洋発電事業に対する民間からの投資を誘発するためには、EU加盟国レベルによる財政支援が不可欠であると提言した。報告書では、最近の潮力発電や波力発電の成功事例を紹介し、2050年までに欧州で消費される電力の1割を海洋エネルギーによって供給できる可能性があると強調しつつ、いくつかの必要とされる支援策を提言している。報告書の本文は以下のリンクを参照。
- 【6】欧州委員会の戦略的エネルギー技術計画(Strategic Energy Technology Plan)に関する公式助言機関であるETIP Oceanが海洋エネルギー産業が軌道に乗るまで課題を分析した報告書を発表し、海洋発電事業に対する民間からの投資を誘発するためには、EU加盟国レベルによる財政支援が不可欠であると提言した。報告書では、最近の潮力発電や波力発電の成功事例を紹介し、2050年までに欧州で消費される電力の1割を海洋エネルギーによって供給できる可能性があると強調しつつ、いくつかの必要とされる支援策を提言している。報告書の本文は以下のリンクを参照。