2019/04/11LROニュース(6)

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  • 2019.04.12 UP
    2019/04/11LROニュース(6)
    • 【1】ロスネフチが北極海北航路を利用して1億トンの原油を輸出することを約束
      • 【1】露大統領は2024年までに北極海北航路の輸送量を8千万トンにまで引き上げるよう大統領令を出しているが、4月初めに露大統領と同国最大の石油会社であるロスネフチのトップが会談し、同社はこの目標達成に貢献するため、2024年までに北極海北航路沿いに原油積み出し基地を建設し、ヴァンコル・スズン等の内陸部の油田から原油をパイプラインで基地まで輸送し、さらに最近発見されたハタンガ地方の大規模油田やタイミル地方の計画中の事業を進めて、2030年までに最大1億トンの原油を同基地から北極海北航路を使用して輸出すると約束した。
      • 原文 Apr. 3, 2019, The Barents Observer(長谷部正道)
    • 【2】増加するコンテナ船火災の保険会社にとってのリスクについて
      • 【2】(論説)国際海上保険連合(International Union of Marine Insurance)の貨物委員会と損害防止委員会の両委員長が最近相次ぐコンテナ船の火災問題について論じたところその概要は以下のとおり。①コンテナ船の大規模火災は、しばしば人命・船舶・貨物を損傷し、重大な環境被害ももたらすことから最近注目を集めている。②2018年にはコンテナ船の大規模火災事故が続いたが、火災発生の当初に迅速な消火活動が行われない限り、すぐに乗組員の手には負えない規模となる。③これらの火災原因の多くは、コンテナに積載されている貨物について正確な申告が行われず、有害物質が適切な方法で積載されないことにある。④コンテナ船社間のアライアンスが進んだことにより、他社が集荷したコンテナを他社の貨物検査能力に依存して運ばなくてはいけなくなったことも問題を複雑化している。⑤コンテナ船の大型化に伴って、1隻のコンテナ船に積まれている貨物価額の総計が優に10億ドルを超えることも多く、また近年の保険契約は従来の保険契約に比べ付保の範囲が拡大しているのもいったん事故が発生した場合の損害賠償請求額を拡大している。
      • 原文 Apr. 2, 2019, Safety4Sea(長谷部正道)
    • 【3】ロンドン国際仲裁裁判所がジプチ政府に5億ドル以上の賠償金支払い命令
      • 【3】DP World社が1/3、ジプチ港湾庁が2/3の株式をそれぞれ所有するジプチのDoralehコンテナターミナル会社(DCT)が、ジプチ政府がDCTと締結したコンセッション協定の中の独占規定に違反して、ジプチ多目的ターミナル(Djibouti Multipurpose Terminal)の運営権をライバルの中国の招商局集団(China Merchants: CM)に認めたことに対する損害賠償請求訴訟をロンドン国際仲裁裁判所(The London Court of International Arbitration)に申し立てていたが、4月4日、同裁判所は3億8500万ドルの違約金と、DCTに対するロイヤルティ未払い分1億4800万ドルとDCTの訴訟費用の合計5億ドル以上を、ジプチ政府がDCTに支払うことを命じる判決を下した。ジプチ政府が港湾運営者としてのDCTを追放して、CMに港湾の運営を任せようとして以来、ジブチ政府とドバイ政府が所有するDP Worldの間の法廷闘争は続いているが、今回の判決でDP World側が5連勝し、DP WorldはCMに対し、香港の裁判所でも訴訟を提起している。ジプチ政府の行政庁であるジプチ港湾庁が2/3の支配権を持つDCTが、自国政府を訴えるという皮肉な展開となっている。
      • 原文 Apr. 5, 2019, The Load Star(長谷部正道)
    • 【4】EMSAが2019年版Outlookを発表
      • 【4】EMSAは4月5日、「EMSA OUTLOOK 2019」を公表した。このOUTLOOKでは、5つの業務分野即ち、①海運及び海洋監視 ②法令執行のための立入検査 ③技術協力 ④海洋汚染防止・汚染対応 ⑤組織管理 について、2019年の業務実施方針を示している。詳細はリンクから。
      • 原文 Apr. 5, 2019, EMSA(武智敬司)
    • 【5】シロクマによるプラスチックの誤食が大きな問題に
      • 【5】(論説)今年の初めにロシア北極圏のノバヤ・ゼムリャ島の小さな軍事施設があるベールージャ・グバに食糧を求めた52匹のシロクマが出現し、非常事態が宣言されたが、きちんと処理していない食品廃棄物のある所にシロクマが出現した好例である。こうしたごみの中には多くのプラスチックが混入しており、1996年から2018年までにボフォート海南部の地元猟師によって捕獲された51頭の熊の胃の内容物を調査したところ、25%の熊の胃からプラスチックが発見された。シロクマの胃から小腸につながる幽門はとても狭いので、ここに大きなプラスチックが詰まると痛みがひどく、シロクマの態度をイライラ攻撃的なものとする。空腹なクマがごみをあさり、プラスチックが胃に詰まって、さらに空腹となり攻撃的になるという悪循環を起こすのである。ウミガメがプラスチックバックをクラゲと間違って積極的に食べるのとは違い、シロクマの場合は厳寒の北極圏ではごみの中の食物にプラスチック袋が張り付き、シロクマは食物と一緒に張り付いているプラスチック袋を食べざるをえないことになる。
      • 原文 Apr. 5, 2019, Hakai Magazine(長谷部正道)
    • 【6】国連大陸棚限界委員会が露の北極海大陸棚申請を容認
      • 【6】露は北極海において約120万㎢の海底を自国の大陸棚の延長として国連大陸棚限界委員会(The United Nations Commission on the Limits of the Continental Shelf: CLCS)に申請しているが、天然資源開発省の担当者によれば、ロシアが申請中の北極海における大陸棚の延長が地理学的に「ロシア大陸から延びる大陸棚の構造」と同一であるとCLCSが認定した。国連海洋法(1982 UN Convention on the Law of the Sea)上、CLCSによってこうした地理学的な認定を受けることは、加盟国が公海上の一区域を自国の大陸棚の延長として認定されるための条件の一つである。しかし、専門家によればCLCSには大陸棚の限界を確定する権限はなく、CLCSに提出された科学的な情報の有効性を判断できるにすぎないので、北極海における大陸棚の境界が確定するまでには、更なる科学的・外交的な手続きが必要で妥協が成立するまでまだ何年もかかることが予想される。露は2001年に北極海沿岸国としては最初に大陸棚の申請をCLCSに提出したが、CLCSが科学的裏付けにかけるとしたため、申請を改定し、2015年に再申請を提出していた。
      • 原文 Apr. 5, 2019, The Barents Observer(長谷部正道)
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