2019/03/04LROニュース(6)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2019/03/04LROニュース(6)

記事アーカイブ

  • 2019.03.05 UP
    2019/03/04LROニュース(6)
    • 【1】フジャイラ港で2月から規制適合低硫黄燃料油の生産・供給が開始
      • 【1】2月24日、世界的な燃料油供給基地であるフジャイラ港の港長は、船社向け告知(Notice to Mariners No. 254)で、フジャイラ港において2020年規制に適合する硫黄含有分0.5%以下の低硫黄分燃料油の精製を開始し、同港と同港沖合の錨地において、早ければ2月から船舶への供給を開始すると発表した。
      • 原文 Feb. 24, 2019, フジャイラ港(長谷部正道)
    • 【2】英国のEU離脱:3月29日以降に外国の港湾に到着する貨物の取り扱い
      • 【2】英国が合意なき離脱をした場合、離脱後に到着する貨物の原産地国をどうするべきなのか等不明瞭な状態が続いている。現在英国は、EUの加盟国なので関税適用等の基準となる原産地国表示についてはEUということになるが、海上輸送中に英国がEUを離脱した場合、輸出貨物の原産地国がEUではなくて英国となるので、原産地国をEUと記載した通関書類は無効となり、通関書類の修正が必要になる可能性がある。輸入国の税関当局から見ても、原産地国をどこと認定し、どの関税率を適用するかについて混乱が生じて、船舶や輸出貨物が通関のために大幅に待たされる可能性がある。英国EU離脱推進派は、EUとの関税同盟を離脱し、WTO協定に基づいて貿易を行うことが可能であるとしているが、WTOの一般規則だけで円滑な輸出入が確保される保証はない。原産地国にかかわらず原則的に商品の輸出入に関税を課さない自由貿易港の香港では、英国のEU離脱の影響はそこまで強くないと予想されているが、今年2月よりEUとの経済連携協定が発効した日本や、2016年から自由貿易協定を締結した韓国、まもなくEUとの協定が発効するシンガポールなどは、原産地国の認定が極めて重要となる。
      • 原文 Feb. 16, 2019, Hellenic Shipping News(澤井由紀)
    • 【3】中国海南省が使い捨てプラスチック製品等の禁止計画を発表
      • 【3】中国海南省生態学環境部は、生分解性でない使い捨てプラスチック製品の製造・販売・使用を2019年末までに禁止し、プラスチック製レジ袋と食器の製造・販売・使用を2020年末までに禁止すると発表した。雲南省では生分解性でない使い捨てプラスチック製品を年間12万トン使用しており、そのうち6万5千トンを同省内で生産している。中国の他の省では、プラスチック製レジ袋に課金して使用を抑制している程度だが、海南省は使用禁止プラスチック製品のリストを作成するなど最も厳しい姿勢を見せている。同省は2025年までに完全なプラスチックごみリサイクル管理制度を導入する予定で、農業に生分解性のプラスチックフィルムを使用させ、また物流事業にも生分解性のプラスチックの梱包材を使用するようインセンティブ制度を導入する予定。
      • 原文 Feb. 21, 2019, Ecns Cn(長谷部正道)
    • 【4】PPR 6: デンマーク政府が進捗を評価
      • 【4】2月22日、デンマーク海事庁(Danish Maritime Authority: DMA)は、第6回汚染防止・対応小委員会(Sub-Committee on Pollution and Response: PPR 6)の総括を発表したところ概要は以下のとおり。①Sox2020年規制について各国共通の実施方法と規制の実施担保について加盟国間で暫定的な合意がなされ、本年5月に開催される海上環境保護委員会(MEPC)で最終承認を受けることとなった。②具体的には、船上で燃料油のサンプリング試験を行うためのガイドラインや船舶から前寄港地で規制適合燃料油の供給を受けることができなかった証明(Fuel Oil Non-Availability Report: FONAR)が提出された際の取り扱いを含む各国が整合性をもって規制を実施するためのガイドラインなどが最終化される予定。③北極海における燃料としての重油の輸送と使用の禁止については、禁止による社会経済的な影響を評価する方法について合意され、次回2020年のPPR 7でさらにこの影響調査について議論が行われる予定である。
      • 原文 Feb. 22, 2019, DMA(長谷部正道)
    • 【5】中国空母が半年間の近代化改装を終了
      • 【5】中国海軍の空母「遼寧」が6か月間の近代化改修を終え、大連を出港したとする写真がSNSに投稿された。出港が更なる試運転に向けてのものか、あるいは任務復帰に向けてのものかは明らかになっていない。過去には中国軍が「遼寧」を使って試作型電磁カタパルトの実装実験を行ったとするレポートもあるが、電磁カタパルトを装備し理論通りの利点を得ることは米海軍のフォード級空母においてさえも困難であると実証されていると多くの専門家が指摘している。また、「遼寧」を模して中国が建造中の国産空母「001A」型が前週末にかけてエンジンを始動し甲板上を片付ける動きがあり、4度目の海上試運転が行われる兆候とする報道もある。遼寧省の海事当局は軍事訓練を理由として大連沖の黄海に3月5日までの立入禁止海域を告示しており、この軍事訓練が「遼寧」によるものか、「001A」によるものか、あるいは両艦によるものかは不明であるものの、「遼寧」と「001A」の両艦が艦隊運動訓練や通信訓練を行うと一部の専門家は見ている。
      • 原文 Feb. 26, 2019, Asia Times(武智敬司)
    • 【6】国際海運会議所: カナダの原油海上輸送禁止法案に対して重大な懸念を表明
      • 【6】カナダの上院では、ブリティシュコロンビア州の北側の海岸に位置する港湾等への原油等の粘着性の高い油の海上輸送を停止する法案(Bill C-48)について審議中だが、国際海運会議所(International Chamber of Shipping: ICS)はこの法案に対する強い懸念を表明したところその概要は以下のとおり。①海上輸送停止法案は科学的な根拠に基づいておらず、成立すれば、米国の各州など他国の追随を許す悪しき前例となる。②法案が実施されればカナダの国際貿易のみならず、世界貿易の効率性を損なうこととなる。③タンカーの油濁事故は近年激減しており、700トン以上の油を流失した油濁事故は、30年前には年間平均25件発生していたが、ここ数年は年間2件程度しか発生していない。④カナダはIMOの規制を含む現実的で国際的にも最善とみなされているような手段を通じて環境保護の強化を図るべきである。⑤世界の海運界はカナダも加盟国である国連海洋法(United Nations Law of the Sea: UNCLOS)の規定とIMOの包括的かつ世界的な法的枠組みに従って、油濁事故ゼロを目指して、しっかりとした環境保護措置をとることの重要性を十分に認識している。
      • 原文 Feb. 26, 2019, ICS(長谷部正道)
  • 資料閲覧 その他