2019/01/31LROニュース(6)

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  • 2019.02.01 UP
    2019/01/31LROニュース(6)
    • 【1】ポルトガル籍船に武装民間警備員の乗船が可能に
      • 【1】1月10日、ポルトガル閣僚会議はポルトガル籍船舶への武装民間警備員の乗船を可能にする法律を承認した。海賊による船舶乗っ取りや船員誘拐による経済的損失と人命に対するリスクの高まりを受けて、船舶所有者から民間武装警備員の乗船が求められており、この法律により、ポルトガル籍船舶の所有者は海賊のリスクが高い海域を所有船舶が航行する際には自社船舶の保護のため民間警備会社の使用や、武装警備員の船舶への乗船を図ることができる。
      • 原文 Jan. 22, 2019, Mondaq(武智敬司)
    • 【2】P&Oフェリーが英国のEU離脱の前にすべての英国籍船をサイプラスに転籍
      • 【2】英仏海峡でフェリーを運航しているP&Oは英仏海峡のフェリー運航のため、現在6隻の英国籍フェリーを保有しているが、3月29日の英国のEU離脱を前に、同社は同社の保有するフェリーの船籍について検討をした結果、運航上と税制上の観点からすべての英国籍船をサイプラスに転籍することを決定した。サイプラスは世界でも主要な船舶登録国であり、転籍に伴う追加的な検査等の負担が少ないうえ、税制上も現在の英国の税制に比べてはるかに有利なトン数標準税制の適用を受けられる。保有船舶の転籍に伴って、乗組員に関する取り扱いは現状のまま変更しない。英国政府は合意なきEU離脱に備えて、複数の船社とフェリー用船契約を締結したが、英国の船社については実績のあるP&Oではなく、1隻もフェリーを保有しないSeaborne Freight社と用船契約を締結したことから、野党労働党や船員組合から批判を浴びていた。
      • 原文 Jan. 23, 2019, Euractiv(長谷部正道)
    • 【3】フジャイラ港においても開放型スクラバーの使用を禁止
      • 【3】世界の主要船舶燃料供給港であるシンガポール港においては2018年11月から、中国の港湾においては今年から開放型スクラバーの使用が禁止されているが、UAEのフジャイラ港もこれらの先例に追従し、港内における開放型スクラバーの使用を禁止しすることを決定した。これらの港湾は合計で世界全体の船舶燃料供給量の1/4のシェアを持っており、影響は大きい。これまで2000隻以上の船舶がスクラバーを搭載しているが、全体の3/4はコストの安い開放型スクラバーを採用しており、以上の港湾では港湾内での洗浄水の排水はできないものの、港湾の外では排水できるので大きな問題はないと専門家は指摘している。しかし、2020年規制が実施されれば、燃料供給事業者は規制適合油の供給にシフトするので、スクラバーを選択した船主は、重油の安定供給について寄港地の燃料補給事業者と事前に合意する必要がある。アジア最大の石油精製事業者であるSinopec社は既に上海港の精製施設で6000トンの低硫黄適合油を生産した。
      • 原文 Jan. 22, 2019, Reuters(長谷部正道)
    • 【4】英国政府が2050年を目標年次とした海事振興戦略を発表
      • 【4】1月24日、英国の運輸大臣がIMOで2050年を目標年次とした英国としての海事振興戦略である「Maritime 2050」を発表した。同戦略は①英国の競争上の利点②技術③人的資源④環境⑤インフラ⑥貿易⑦保安といった7分野毎に、短期・中期・長期的な戦略を勧告している。さらにMaritime 2050を補完するものとして、この戦略に従って政府と業界が実施すべき行動計画(route map)も今後作成される予定で、24日にはとりあえず貿易と技術の2分野について行動計画が同時に発表された。残りの分野別行動計画も2019年中には発表される予定。Maritime 2050の本文は以下のリンクを参照。
      • 原文 Jan. 24, 2019, 英国運輸省(長谷部正道)
    • 【5】香港のコンテナ港湾としての世界ランクが過去40年間の最低に
      • 【5】香港港は天然の深水港で中国大陸の輸出入の窓口として、100年以上にわたり香港経済の成長を支え、2004年までは年間15万隻以上の船舶が寄港する世界で最大のコンテナ港として栄えてきた。しかし、中国本土の港湾が政府の支援を受けて、大型コンテナ船が寄港できるインフラの整備を進め、香港経由の輸出入に頼らずに、直接海外の港湾と結ばれるようになってから、香港港の地位は相対的に低下してきたものの、2017年までは、何とか世界の5大コンテナ港湾の地位を確保してきた。しかし、2018年の実績速報を見ると、中国の広州港と韓国の釜山港に抜かれた模様で、2019年中には中国の青島港にも抜かれる見込みである。米中の貿易戦争が激化し、中国企業が製造拠点を香港港の競争相手であるシンガポール港やマレーシアのTanjung Pelepas港の近くに移転することになれば、香港港の凋落にさらに拍車をかけることとなる。中国本土の港湾やシンガポール港のターミナル運営会社は政府の支援を受けて投資を行ってきた一方で、香港港のターミナル運営会社は政府支援を受けない純粋民間会社であるため、第10ターミナルの建設構想の遅れのように、他の港湾と競争していくための機敏な投資を行いにくいという根本的な問題を抱えているため、将来的に世界の5大コンテナ港湾に返り咲くことはほぼ不可能である。
      • 原文 Jan. 23, 2019, gCaptain(長谷部正道)
    • 【6】デンマーク政府が第3次「アフリカの角平和・安定化計画」を発表
      • 【6】デンマークの「アフリカの角平和・安定化計画」は、エチオピア、ケニア、ソマリアのうち特にソマリアに焦点を当て、デンマークの安全保障と繁栄に直接・間接的に脅威となるテロ、海上犯罪、不法移民などの問題について、地域の関係者(機関)の能力向上を図ることで紛争や不安定の解消を図ることを目的としており、2.19億DKKの予算が充てられている。この目的を達成するために、次の関連プログラムが行われる。①ソマリアにおける、紛争管理能力及び治安関係者の強化 ②過激主義者による暴力水準の低下 ③地域及び国の陸上・海上における国境警備機関の能力強化。
      • 原文 Jan. 22, 2019, デンマーク政府(武智敬司)
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