2018/9/21 LROニュース(6)

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  • 2018.09.25 UP
    2018/9/21 LROニュース(6)
    • 【1】 インド太平洋地域におけるロシア海軍の増強
      • 【1】ロシアのプーチン大統領は7月29日の海軍記念日の式典において、今年中に26隻の新造艦船が同海軍に就役することを明らかにしたが、太平洋地域に限ってみれば、2024年までに37隻の新造艦船が就役する予定であり、同地域の露海軍にはこの10年間で28隻の新造艦船が就役したことと比べると大幅な増強となる。これについて豪の専門家は、太平洋地域における露海軍が沿岸防衛から外洋における活動に転換したと分析している。同専門家は露海軍の活動テンポ、活動海域や前線に展開する艦船数がここ5年間で目覚ましく増加しており、艦船数こそ少ないものの、展開能力は冷戦期程度まで回復し、旧ソ連時代の伝統的行動海域であるインド洋や北極海に達しているとしている。また、あらゆる場面で米中・米露関係が緊張状態にある状態では、露中海軍の協力も考慮すべきであり、戦術面・運用面における露中海軍の統合運用能力が向上し、両海軍の合同訓練等の重要性が高まるとしている。加えて、艦船の建造においても、中国の造船所で露艦艇を建造するといった協力も考えられる。
      • 原文 Aug. 15, 2018 ASIA TIMES(武智敬司)
    • 【2】 ReCAAP月間レポート(2018年7月)
      • 【2】2018年7月にReCAAP情報共有センターに報告された海賊及び武装強盗事件は、武装強盗事件7件で、前月(1件)と比較し急増している。また、2018年1月からの合計件数は47件で、前年同期(49件)と比較し4%減であった。また、スールー海・セレベス海での船員誘拐事件も7月は発生していない。他方で、シンガポール海峡における航行中のバージからの積荷窃盗が7月は2件報告されたことで2018年1月以降のマ・シ海峡での事件は合計で7件となっており、前年同期(2件)と比較し増加が懸念される。
      • 原文 Aug. 2018 ReCAAP-ISC(武智敬司))
    • 【3】 世界で最初の自律電動コンテナ船の建造契約が締結
      • 【3】8月15日、世界初の自律電動コンテナ船Yara Birkelandの船主となるYara社は、ノルウェーの造船会社のVard社と同船を2020年までに建造する契約を2億5000万NOKで締結したと発表した。竣工後段階的に手順を踏んで2022年までには完全自律運航を実現する予定。この事業はノルウェー国営企業のNOVAから1億3360万NOKの財政支援を受ける予定で、Yara社とVard社との間の契約締結式にはノルウェーの首相が列席した。この事業にはコングスベルグ社も参加して、遠隔操縦や自律運航について技術支援を行っている。
      • 原文 Aug. 15, 2018, Yara(長谷部正道)
    • 【4】米スーパー、環境に配慮した水産物の販売は進むもプラ対策は不十分
      • 【4】8月15日、Greenpeaceが米スーパーマーケット22社の持続可能な水産物の販売に向けた取組について評価報告書を公表したところ、その概要は以下のとおり。①調査を開始した10年前はすべてのスーパーで取組が不十分であったが、今回の調査では22社中20社が最低限の合格水準に達していた。②環境に配慮した水産物の販売については各社の取組が大きく向上したものの、昨今大きな問題となっているプラスチック対策については総合的な政策を掲げているスーパーはなく、すべてのスーパーで対応が必要である。③また、違法漁業や労働者の人権侵害を起こしている水産業者と取引しているスーパーも多くあり、環境面・倫理面ともに配慮した水産物を供給するようスーパー側が水産業者に求めていくことも必要である。なお、スーパーのランキング結果は以下リンクを参照のこと。
      • 原文 Sep. 21, 2018, Greenpeace(Julie Harper)
    • 【5】 独主導の多国間北極調査に2019年から中国の科学者も参加
      • 【5】ドイツの砕氷船を利用した北極海の天候を調査する多目的観測船(Multidisciplinary drifting Observatory for the Study of Arctic Climate: MOSAIC)による北極海の調査に2019年から中国人の科学者も参加することとなった。砕氷船を基地として、北極点に至る航路で、海氷・海洋・天候の状況を約1年間にわたって観測し、北極海の気候・海氷・海洋と海洋生態系の相互関連性を明らかにし、北極圏における天気予報や海氷の予測の精度を上げることを目標とする。
      • 原文 Aug. 16, 2018, ECN(長谷部正道)
    • 【6】 ReCAAP ISCと比CGがスールー海の保安会議を共催
      • 【6】ReCAAP情報共有センター(ReCAAP ISC)とフィリピン沿岸警備隊は、スールー海・セレベス海における協力の促進と海上治安の向上を目的とした会合を共催した。会合にはマニラに駐在する各国外交官のほか、フィリピンの関係省庁や海運業界、インドネシア沿岸警備当局といった主要な関係者が一堂に会し、同海域の現状のレビューや海上の安全のための取組みに対する評価、自由な海運と船員の安全に向けた協力の深化のための方策について議論が行われた。ReCAAP ISCはその任務である適時かつ正確な情報共有、海上犯罪の撲滅に向けた関係当局に対する能力支援、政府機関と海運業界との協力促進を通じ、フィリピン沿岸警備隊と関係者への支援を継続していく。
      • 原文 Aug. 17, 2018 Seatrade Maritime News(武智敬司)
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