2018/6/8 LROニュース(4)

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  • 2018.06.11 UP
    2018/6/8 LROニュース(4)
    • 【1】 IBIAが「バンカーの品質確保のための供給者BPG」をMEPCで発表
      • 過去数年IMOの燃料の品質に関するCorrespondence Group (CG)は船舶燃料の品質を確保するためのベストプラクティス(BP)に関するガイダンスを、船舶燃料の購入者向け・船舶燃料の供給者向け・加盟国向けの3つに分けてドラフトする作業を進めていたが、MEPC69で供給者向けガイダンスについては、供給者の業界がまずドラフトを作成すべきことが合意されたため、国際バンカー産業協会(IBIA)がガイダンス案を作成し、MEPC72に提出・報告した。ガイダンス案の中でISOの基準に言及している部分については異論が出たものの、ガイダンス案が最終的なIMOのガイダンスの良いたたき台になると評価され、10月の次回MEPC73に加盟国がコメントを提出することで合意した。MEPC73ではCGによってドラフトされた加盟国向けのガイダンスも議論される予定。
      • 原文 Apr. 20, 2018, IBIA(長谷部正道)
    • 【2】 インドネシア:街中に溢れかえるプラスチックゴミ
      • インドネシア第3の都市バンドンでは、大量のプラスチックゴミが川をせき止め、除去作業に軍隊までが動員される事態となっている。以前はバナナの葉のような天然素材が主に用いられていたが、それにとって代わる存在となったプラスチック容器は、人口増加とともに爆発的に増えている。問題の根本的な要因はゴミを溝や水路に捨てる市民の長年にわたる習慣であり、解決に向けてはプラスチックを資源として理解してもらうことが重要である他、活動家の一人は法的措置と子供たちへの教育の必要性についても説いている。大量のゴミを前に人々の意識にも少し変化の兆しが見え、地元当局は、使い終わったプラスチック製品を少額のお金と交換し、リサイクルを促す取組を実践するエコ村の支援に当っている他、街中には500人の街路清掃人がプラスチックを回収し生計を立てており、リサイクル市場もでき上がりつつある。ただ、対応は依然遅々としており、下流域では上流から流れてくるプラスチックゴミで運河も海岸線も完全に埋め尽くされてしまうなど、もはや国レベルで対策を講じなければ解決できない状況となっている。
      • 原文 Apr. 19, 2018, BBC(野口美由紀)
    • 【3】 国際船級協会連合(IACS)が2017年年次報告書を発表
      • 4月19日、国際船級協会連合(IACS)は2017年年次報告書を発表した。理事会議長(DNV GL出身)が巻頭言で触れているポイントの概要は以下のとおり。①海運業界が不確実性、船腹の過剰供給、コストの引き下げ圧力という困難に直面する一方で、新たな技術革新や規制の強化に対応するために、船級協会が安全の確保や技術革新の促進といった面で果たすべき役割は大きい。②具体例として、2017年後半から自律運航技術について、IACSはWGを作って、現行のいかなる規制が自律運航船開発の障害になりうるかを検討している。③サイバーセキュリティについてもWGを作って、共通の課題・ベストプラクティスについて審議し、サイバーセキュリティ対策についての船主等の理解を深めるとともに、最新の情報を提供している。④検査技術の近代化についても、検査の安全性と効率性を向上しながら、検査・保守コストを引きさげるために、関連する共通検査基準を再検討し、改善提案を行う予定である。
      • 原文 Apr. 19, 2018, IACS(長谷部正道)
    • 【4】 海賊対策における武装警備員の位置づけ
      • 今日において、海賊の多発海域を航行する船舶に武装警備員が乗船して警備を行うことは一般的であるが、このようになった契機は、それまで武装警備員の使用に反対の立場にあった国際海運会議所(ICS)が2011年に方針を変更し、武装警備員を使用するかは船主及び旗国に委ねられるべきと主張したことにある。この主張は各国に受け入れられ、多くの国が海賊からの保護を目的に自国船に武装警備員の乗船を認め始めたのである。アデン湾で4人の武装警備員チームを乗船させるのに約6万ドルを要し、これは船主にとって決して安価ではないが、武装警備員に護られた船舶に対して海賊の攻撃が成功した例はこれまでない。2009年には、各国がソマリア沖に海軍を派遣していたにも関わらず、200隻以上の船舶が海賊の攻撃を受け40件以上のハイジャック事件が発生していたのと対照的に、国際海事局(IMB)によれば2015年にはソマリアの海賊事件は発生していない。
      • 原文 Apr. 19, 2018, SEA NEWS(武智敬司)
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