2018/6/22 LROニュース(3)

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  • 2018.06.25 UP
    2018/6/22 LROニュース(3)
    • 【1】 中国の北極政策:欧州議会向けブリーフ資料
      • 「中国の北極政策」に関する欧州議会議員向けブリーフ資料を入手したところその概要は以下のとおり。①他の北極評議会加盟国と異なり、中国は北極に関して領土的主権や北極海において資源開発・漁業を行う主権を有しない。②中国は北極に足掛かりを築くべく、2013年に北極評議会にオブザーバーとして参加し、自ら「北極近隣国(near-Arctic)」と称している。③2018年1月26日に、中国としては最初の「北極政策に関する白書」を発表したが、以前から行ってきた北極海における科学的な研究活動や北極海における急速な気候変動対策を口実として、自国の北極海における野心を正当化しようとしている。④中国の北極海における活動が科学的な研究調査の範囲を超えて、様々な商業的な活動に対象を広げていることを白書において初めて公式に認めている。⑤中国は北極評議会加盟国の主権を認めつつ、国際法に従い、北極海の様々な事項について北極評議会非加盟国として参加することを主張し、北極海に関する政策を北極評議会といった従来の地域的な枠組みではなく、より開かれた国際的な枠組みでとらえるべきと主張している。
      • 原文 May 2018, 欧州議会(長谷部正道)
    • 【2】 欧州港湾協会:MEPC合意実施の具体策とさらなる目標引き上げを求める
      • 欧州港湾協会(ESPO)は、海運からの二酸化炭素排出総量を可及的速やかに減少に転じ、2050年までに2008年の排出総量の半分に削減するというMEPCにおける合意を歓迎する。ESPOは本件についてはIMOが最もふさわしい議論の場であると考えており、今回の合意でIMOもやればできることが証明された。しかし、今回の合意は最終目標ではなく、あくまで最終的な目的を達成するための一里塚であり、合意された目標を実現するための意味のある対策について、早急に議論を進め遅くても2023年までには合意に達するべきであると考えており、さらに最終的な二酸化炭素削減目標についても、EUの当初案に従いより高い目標に改定することを目指して議論を続けていくべきものと考えている。
      • 原文 Apr. 24, 2018, ESPO(野口美由紀)
    • 【3】 ミヤンマーに再び食い込む中国の戦略
      • ミヤンマーはテイン・セイン前政権が2011年に中国の肝いりで進めてきたミッソンダム水力発電所事業を白紙撤回して以来、欧米諸国との関係改善を進め、ミヤンマーにおける中国の影響力は減少してきた。しかし、2017年にロヒンギャ問題が国連等の場でミヤンマー政府による不当な民族浄化であると非難され、西欧諸国との関係が冷却化したのを、中国政府は逆手にとって、国連安全保障理事会におけるロヒンギャ問題に関するミヤンマーに対するいかなる制裁動議に対しても中国が拒否権を発動することをミヤンマー政府に約束して、同国に対する影響力を急速に回復している。中国のミヤンマーに関する究極の目的は。中国に原油を輸送するタンカーの80%が通過するマラッカ海峡を米海軍によって封鎖されるという「マラッカ海峡のジレンマ」を回避するため、ミヤンマー南部のラカイン州の大水深港であるチャオピュー港と同港から中国国内に伸びる石油ガスパイプラインを確保することであり、このため、ミヤンマー政府と少数武装民族との間の紛争の仲介にも平和維持のためではなく、あくまで自国の戦略的な観点から、西欧側の仲介者を押しのけ、唯一の有力な仲介者としてふるまっている。
      • 原文 Apr. 24, 2018, Asia Times(長谷部正道)
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