2018/5/28 LROニュース(4)
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2018.05.29 UP
2018/5/28 LROニュース(4)
- 【1】 NZ、沖合での石油・ガス探査の禁止を発表
- 昨年発足したNZ新政権は、気候変動対策を主要政策の一つとし、2035年までに電力を100%再生可能エネルギーで賄い、2050年までにカーボンニュートラル経済に移行させることを打ち出している。その足掛かりとして、4月12日、今後は沖合での石油とガスの探査について許可しないと発表した。すでに許可の出ている30以上の案件については対象外となる。今回の決定について、前エネルギー大臣は、石油ガス産業は何千もの雇用を生み出しているにもかかわらず、向こう見ずな決定だと非難したが、環境保護団体は非常に歓迎している。 原文 12. Apr, 2018, NZherald(野口美由紀)
- 【2】 1.5℃目標の達成にはIMOのGHG排出削減目標以上の取組が必要
- 4月にIMOで採択された国際海運におけるGHGの削減目標について、IMOのオブザーバーとして認められているNGOの連合体Clean Shipping Coalition(CSC)は、脱炭素化の考えと排出削減の必要性について加盟国全体で確認できたことを歓迎したものの、排出削減に向けた具体的な行動計画に欠けると指摘した。また、パリ協定の1.5℃目標を達成するには2050年までに70%~100%の削減が必要とされていたが、合意に反対した米やブラジル、パナマ、サウジといった国々に配慮した合意内容となったため、CSCの代表は、短期間でGHGの排出を大幅に削減する手立てをIMOが迅速に講じなければ、1.5℃目標の達成はできないと述べている。 原文 13. Apr, 2018, Clean Shipping Coalition(野口美由紀)
- 【3】 デンマーク船主協会、GHG削減に向けた具体策について言及
- 海運活動から排出されるGHGは世界全体の2.2%を占め、何も対策を取らなければさらに増え続けると見られている。そのため、今回、IMO加盟国が他の産業と並びパリ協定の達成に向け考えを共有できたのは歴史的な合意だとデンマーク船主協会の代表は喜びを示した。同協会は目標の設定に関して交渉の初期段階から協力しており、2016年に独自に行った調査で、2050年までにGHGの排出を50%削減することがパリ協定の目標を達成する一つの手段だと示していたため、今回の数値目標についても十分に野心的だと見ている。具体的な行動計画については、今秋すぐにでも議論を開始すべきと考えており、短・中・長期それぞれの対策を定めることとし、船舶設計や港湾運用の改善、代替燃料のほか、燃料税を具体案として挙げている。 原文 13. Apr, 2018, Danish Shipping(野口美由紀)
- 【4】 欧州議会代表団、GHG排出削減に向けIMOに更なる取組を要求
- 4月に採択されたGHG削減目標の採択内容について、第72回IMO海洋環境保護委員会(MEPC)に出席した欧州議会の代表団は、全体の評価としては十分なものだが、求められていた目標よりもはるかに低く、もっと野心的なものにできたはずだとコメントした。また、パリ合意と足並みを揃えるためには、短・中期でGHGを削減するためIMOは即座に行動をとる必要があり、それには明確な政策措置だけでなく、産業界からの技術投資も必要だと指摘した。その上で、欧州議会は今後もIMOでの交渉を見守るとともに、すべての業界をパリ合意に貢献させるため行動する用意があると述べている。 原文 13. Apr, 2018, 欧州議会(野口美由紀)