2018/5/2 LROニュース(5)

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  • 2018.05.07 UP
    2018/5/2 LROニュース(5)
    • 【1】 北極海の年間最大海氷面積が観測史上2番目に狭い記録となる
      • 3月23日に米国立雪氷情報センター (National Snow and Ice Data Center: NSIDC) が発表した内容によると、今冬の北極海の最大海氷面積は2017年の最小記録をわずかに上回る観測史上2番目の小ささであった。冬季における海氷面積の縮小は1年を通じて凍結しないエリアの拡大を意味し、とりわけロシアとノルウェーの北に広がるバレンツ海ではその傾向が見られ、大西洋の一部のようになりつつある。また、ロシアの北に位置する広大なShtokman天然ガス田では、今や真冬でも凍結せず、可採埋蔵量の更なる発見につながるかもしれない。さらに、海運会社のTeekayは、今年1月に液化天然ガスを積載したタンカーがロシア北極圏の積出港からフランスまで真冬に初めて砕氷船なしに航行したことを明らかしている。一方、海氷の縮小ははるか南の気候にも影響をもたらすと見られている。北極の温暖な空気が高高度のジェット気流を乱し、南地域に極寒の空気を送るためと研究者らは考えている。
      • 原文 Mar. 23, 2018, Reuters(野口美由紀)
    • 【2】 米、南シナ海で航行の自由作戦を実施
      • 複数の米国当局者によれば、3月23日、米海軍駆逐艦「マスティン」が、南シナ海で中国が人工島を造成しているスプラトリー諸島ミスチーフ環礁の沿岸12マイル以内を航行する「航行の自由」作戦を実施した。中国国防省は、中国艦船2隻がこれに対応し確認と警告を行ったことを明らかにするとともに、米艦の行動は中国の主権と安全保障に対する深刻な侵害であり、地域の平和と安定を阻害するものとして批判した。また、このような行動は両国軍の近接と不測の事態を招き易く、中国にとって深刻な政治的軍事的挑発であると付け加えた。一方、中国軍公式紙は23日、中国海軍が南シナ海で戦闘演習を行う予定を発表。同紙はこの演習を年間計画に従ったものとしている。
      • 原文 Mar. 23, 2018 Reuters (武智敬司)
    • 【3】 船舶を解体する際にはバーゼル条約等の廃棄物関連法令を順守する必要
      • 3月にロッテルダムの裁判所で、違法にアジアの船舶解体所で船舶の解体を行ったとして、蘭のSeatrade社とその役員にEU廃棄物輸送規則(EU Waste Shipment Regulation: WSR)違反の有罪判決が出された。この判決は環境問題に益々関心を高める欧州諸国の政治的な情勢を反映したものであり、オランダ以外の欧州諸国でも同様な司法判断が下される可能性がある。実際、英国とノルウェーの当局が具体的な事案について現在調査を行っている。従って、船主はこうした司法リスクを回避するために以下の点に留意する必要がある。①バーゼル条約の下では、解体される船舶は「廃棄物」と見なされる可能性が高く、解体される船舶の海外への売却は「廃棄物の越境移動」とみなされる。また当該船上に同条約や最終処分国の国内法令で有害廃棄物とみなされているものがある場合は、輸入国と通過国に廃棄物の輸送について事前通知し、当該国家の同意が必要である。②船舶のリサイクリルに関する香港条約は未発効のため、船主は同条約の基準に従っているという証書だけに依拠して、船舶解体場を選択すべきではない。③EU域内で運航している船舶を解体する際には、EU籍船であるか非EU籍船であるかを問わず、WSRを順守する必要がある。同規則の下では船主が当該船舶を廃棄する意思を持っているだけで、当該船舶は廃棄物と見做されるので注意する必要がある。④2018年12月31日以降はEUシップリサイクル規則(EU Ship Recycling Regulation)が適用されるため、EU籍船を解体・リサイクルする場合は、同規則で承認されたEU域内のリサイクル施設で行われる必要がある。
      • 原文 Mar. 22, 2018, Lexology(野口美由紀)
    • 【4】 アブダビ港湾庁と中国国際貿易促進協議会が投資促進の覚書を締結
      • アブダビ港湾庁と中国国際貿易促進協議会は、アブダビのKhalifa産業地域(KIZAD)とKhalifa港自由貿易地域(KPFTZ)への中国企業の投資を促進するための覚書を締結した。中国ビジネス協議会の支援で開催された「KIZADビジネス週間」の場で、100人以上のビジネスマン・投資家・UAEの政府高官・中国大使館関係者等の列席の下、覚書が締結された。アブダビ港湾庁は、2017年に中国江蘇省との間で、KPFTZに中国側から11億ディルハムを投資するという期限50年間の協定を締結し、COSCOが同港を湾岸地域の事業拠点とすることに合意している。
      • 原文 Mar. 25, 2018, Gulf Today(長谷部正道)
    • 【5】 北極評議会高級事務レベル会合が開催
      • 3月22日から23日にかけて、フィンランドのLeviで北極評議会加盟8か国と、北極評議会の6つの作業部会の関係者等が集まって、フィンランドが議長国となってから2回目の高級事務レベル会合が開催された。会合では様々な議題について議論されたが、今次会合では気象予測に関する協力と接続性の二つのテーマに重点を置いて話し合いが行われた。気象予測については、世界気象機関(WMO)をはじめとする気象関係の専門組織の代表も参加し、各国の代表に対して気象分野の協力措置について提案を行った。二つのテーマ以外では、北極における持続可能な成長目標(SDGs)について議論がなされた他、6つの作業部会から作業の状況について報告を受けた。
      • 原文 Mar. 23, 2018, 北極評議会(長谷部正道)
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