2018/5/10 LROニュース(6)

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  • 2018.05.11 UP
    2018/5/10 LROニュース(6)
    • 【1】 EUコミッショナーが潮力発電事業者を激励
      • 3月27日、EUのベラコミッショナーが欧州各国で先進的に潮力発電事業に取り組む20の事業者と会談し激励したところその発言の要旨は以下のとおり。①2030年までに潮力発電により多くの発電が可能となり、EUが世界で海洋潮力発電の主導権を握ると信じている。②最初の欧州における潮力発電所が現在建設中だし、多くの試作機が実証実験中で、発電能力は大幅に向上している。③欧州委員会はInnovFinエネルギーデモ事業のような金融支援プラットフォームを、特に革新的な中小企業を対象に設立している。③5月17日にはブラッセルで海洋経済活動に関する事業者と投資家のマッチングイベントを開催する。④欧州委員会は2014年より、17の事業を対象に、2億7千万ユーロを投資して支援しており、この結果、事業の信頼性や効率性が向上し、最終的にコストが削減されることを目指している。⑤2020年の後の次期EU資金支援計画においても、海洋エネルギーの開発に対して、引き続き優先的に支援を行う。
      • 原文 Mar. 28, 2018, EU(長谷部正道)
    • 【2】 中国による一方的大幅な関税引き下げ要求に苦しむパキスタン経済
      • 中国は一帯一路戦略の下、パキスタンのグワダル港に大規模な投資を行い、中国=パキスタン両国関係は互恵の関係にあるように見えるが、投資の引き換えとしてパキスタンが受け入れる新自由貿易協定によって、中国製品に対する一方的かつ大幅な関税削減が行われ、パキスタンの地元経済が大きな損害を被る可能性がある。パキスタンは中国からの輸入については、既に2600を超える製品について関税を減免しているが、近日中に発効する新たな協定によれば、さらに6000品目の中国からの輸入品の関税が撤廃される予定。中国側が要求する輸入関税の減免措置は総額で4億米ドルの関税収入の減収をパキスタン政府にもたらすとされており、同国の連邦歳入理事会(Federal Board of Revenue: FBR)の高官は、新自由貿易協定によって、相互主義の原則に基づき、パキスタンから中国への輸出も大幅に伸びるような措置が講じられない限り、新たな自由貿易協定に反対するとしている。同自由貿易協定の交渉を進めるにあたり、パキスタン政府は国内の利害関係者との協議を十分に行っておらず、国内の製造事業者たちは大きな打撃を受けることを懸念し、新協定に反対を表明している。
      • 原文 Mar. 30, 2018, Asia Times(長谷部正道)
    • 【3】 ギニア湾海賊:海賊が韓国人船員など5人を誘拐
      • ガーナ当局によれば、ナイジェリアの海賊がガーナ沖で漁船を襲撃し、韓国人3人及びギリシャ人1名を含む5人を誘拐した。海賊は9人組で、3月26日夜に高速船で漁船に乗り込み、12時間にわたって漁船を乗っ取ってガーナの東隣のトーゴ沖に向かい、漁船を放棄して人質とともに逃走している。漁船は残り約40人の船員とともにガーナ海軍によって発見され、28日にガーナのテマ港に回航されたが、一部は海賊に暴行を受けたとされ、現地の病院で手当てを受けている。ギニア湾では海賊が頻発し、特にニジェール川デルタ付近では製品タンカーなどが被害を受けている。この2週間でも国際商業会議所国際海事局(IMB ICC)には当該地域で5件の海賊または武装強盗の通報が寄せられている。
      • 原文 Mar. 29, 2018 The Maritime Executive(武智敬司)
    • 【4】 カナダ政府が新たな海洋保護区の設置等を提案
      • カナダ政府は、現在と将来世代の人類のために、健康的で持続可能な海洋環境を維持するため、2020年までにカナダの領海・EEZの10%を海洋保護区にするため、3月22日、漁業・海洋・沿岸警備担当大臣が、将来的に海洋保護区とするため新たに2か所の「関心海域(Area of Interest: AOI)と漁業法に基づく新たな保護海域を提案した。具体的にはThe Eastern Shore Islands周辺海域と、Fundian Channel-Browns Bank海域をAOIに、Eastern Canyonsを漁業保護区として提案した。Scotian Shelf、ファンディ湾、Gulf of Maine・Georges Bankのカナダ側海域を含むScotian Shelf Bioregionの中でも今回提案された3海域は、特殊・稀少・環境保護が必要な海域として知られている。海洋保護区の最終的な線引きや規制される活動については、地域政府・先住民などの利害関係者と十分に協議を行ったうえで決定される予定。
      • 原文 Mar. 22, 2018, カナダ政府(長谷部正道)
    • 【5】 EU内のオフショア石油掘削リグの安全基準が7月19日から強化
      • 2011年にメキシコ湾で発生したDeepwater Horizon事故を契機に、欧州委員会はオフショア掘削リグの安全基準を強化する規則を提案し、2013年に「オフショア石油ガス掘削の安全性に関する命令」を採択し、安全基準の強化が図られるとともに、もし事故が発生した場合には、石油・ガス事業者が全ての損害について責任を負うことを規定した。EU加盟国は当該命令の国内法化を2015年までに終了し、さらに3年間の移行期間が認められたので、新規制は本年7月19日から適用される。新規定によれば、石油・ガス事業者は最悪のケースを想定して、事故防止計画を作成し、仮に事故が発生した場合でも被害を最小限に食い止めるための計画も策定し、全ての対策について独立した船級協会から認証を得なくてはならない。
      • 原文 Mar. 30, 2018, Euractiv(長谷部正道)
    • 【6】 北朝鮮制裁:安保理、海運21社などを制裁対象に追加
      • 3月30日、国連安保理の北朝鮮制裁委員会は北朝鮮との石油や石炭の密輸に関わっていたとして複数の海運会社や船舶を制裁対象に追加すると発表した。今回新たに対象となったのは、中国企業5社を含む21の海運会社、北朝鮮籍船15隻、北朝鮮以外の船籍をもつ船舶12隻及び台湾人1人である。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は先日中国の習近平主席と会談し、4月27日に韓国の文大統領と会談するとともに、5月に米国トランプ大統領と会談する意向を明らかにしており、トランプ大統領も金委員長との会談に合意したがその一方で、北朝鮮に対し最大限の制裁と圧力を維持しなければならないとツイートしている。今回追加された12隻の非北朝鮮籍船は国際的な入港禁止と登録抹消が科される。また、21の海運会社にはマーシャル諸島、シンガポール、パナマ、サモアの企業が含まれるが、これらの企業は資産が凍結される。
      • 原文 Mar. 30, 2018 Reuters(武智敬司)
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