2018/4/6 LROニュース(5)

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  • 2018.04.09 UP
    2018/4/6 LROニュース(5)
    • 【1】 船舶の運航速度制限が実施されれば大幅な輸送コスト上昇要因に
      • MEPCで船舶からの地球温暖化ガス削減対策として、船舶の運航速度制限が話し合われる予定であるが、もし、実際に船舶の運航速度を10-30%削減することが合意された場合、同じ量の貨物を輸送するためにより多くの船腹量が必要となるため、貨物輸送費が25%-30%上昇し、燃料割増料(Bunker Adjustment Factor: BAF)が50%上昇する可能性があると専門家は指摘している。船舶運航速度の制限は、新たな技術革新が無くても、船舶から発生するGHGの総量を簡単に削減できるため、有効なGHG削減策ではあるが、輸送費上昇要因となるので荷主サイドからは早くも懸念の声が上がっている。
      • 原文 Apr. 7, 2018, The Loadstar(長谷部正道)
    • 【2】 中国の一帯一路戦略が途上国の対外債務に与える影響
      • (論説)米国のNGOである地球開発センター(Centre for Global Development: CGD)が中国の一帯一路政策(Belt and Road Initiative: BRI)が、BRIの対象となっている68か国について各国の対外債務に与える影響を検討したところその概要は以下のとおり。①GDPに対する対外債務の比率が急上昇し、その中での中国の寡占度が急激に高まっている危険水域に達している国として、ジプチ、モンゴル、キルギスタン、ラオス、モルジブ、モンテネグロ、パキスタン、タジキスタンの8か国が上げられる。②一方でその他の大部分の国ではこうした問題が顕在化していない。③世銀やアジア開発銀行と比べて、中国のBRI投資については、開発援助の持続可能性や対外債務管理に関する基準作りが遅れており、中国が責任ある債権国となるためには、世銀やアジア開発銀行といった既存の援助機関と連携して共通の貸付基準に合意し、中国が主導した「G20持続可能な資金供与目標」を実施し、中国の支援を被援助国のデフォルト回避のために有効活用すべきである。
      • 原文 Mar. 5, 2018, CGD (長谷部正道)
    • 【3】 シンガポールMPAが世界の海事ハブになるための成長戦略を発表
      • 3月7日、シンガポール海事港湾庁がシンガポールを世界の海事ハブにするための次期成長戦略を発表したところその概要は以下のとおり。①ターミナルの整備を進めてコンテナ取扱可能量を5000万TEUに引き上げるほか、海事技術企業など様々な海事サービス産業の集積を促進して、海事ハブとしての魅力を強化する。②効率的でインテリジェントな次世代港湾となるための技術や自律運航船技術など重点4分野に対する研究開発体制を強化するために、海事進化計画(Maritime Transformation Program)を立ち上げるとともに、シンガポールを海事情報ハブ(SG-MDH)とするため、入港する船舶の情報など船舶・港湾に関する情報を2018年第3四半期までに一般に公開する。③20社程度の海運会社と連携して、世界才能事業(Global Talent Program)を立ち上げ、シンガポールの若者を将来的に海事産業のリーダーに育てるための訓練を実施し、その費用の70%をMPAが負担する。④既存の海事クラスター基金(Maritime Cluster Fund)にさらに追加で1億ドル出資し、「次世代港湾2030」計画や「国際海事センター2030」計画等を実施するために約30の新たな事業を支援する。
      • 原文 Mar. 7, 2018, MPA (長谷部正道)
    • 【4】 13のEU加盟国が既存の「報告様式命令」の早期是正を欧州委員会に要請
      • 5月2日に、欧州委員会が「報告様式命令(Reporting Formalities Directive: RFD)」の改正案を提案する予定だが、デンマークをはじめとするEU加盟の13か国は欧州委員会に対して、既存の報告義務の事務的負担を削減するために意欲的な改正案を提案するよう求めた。現在のRFDは「国家的な単一申請窓口(National Single Window)」を各国に創設するために、報告様式の統一化を目指したが、結局この統一化に失敗したため、RFDによって結局新たな事務負担が増加した。現状では船長や船社は、EUの異なる港に入港するたびに同じ情報について異なった様式で報告書を提出しなくてはならず、場合によっては同じ国の中でも港湾ごとに違った様式が要求されることもある。情報をデーターベース化し、行政手続きを自動化することによって、報告義務を簡素化・整合化する必要がある。
      • 原文 Mar. 8, 2018, デンマーク船主協会(長谷部正道)
    • 【5】 海底地形計測競技会で日本財団GEBCOフェローチームが最終選考に残る
      • 石油メジャーのシェルが後援する米のXPRIZE基金は最終賞金7000万米ドルをかけて、海底地形を速くかつ正確に計測する新技術を世界各国のチームから募集していたが、第一次選考に応募した19チームの中から、このほど9チームが最終的に選抜された。この中には、大洋水深総図(General Bathymetric Chart of the Oceans: GEBCO)の日本財団フェローのチームが残ったほか、日本からは「黒潮」チームも勝ち進んだ。最終選考に残ったチームは、本年10月または11月に、水深4kmの海底で、24時間以内に250㎢以上の海域を対象に水平解析度5m以上の精度の地図を作成する必要がある。現在、2030年までに全世界の海底地形図を最低100mの解析度で作成することが国際的な目標として合意されている。現状では衛星を利用した重力観測によって、海底地形を把握しているがこの手法では1km未満の大きさのものは識別できず、全世界の15%未満の海底地形しか把握されていない。
      • 原文 Mar. 7, 2018, BBC (長谷部正道)
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