2018/4/27 LROニュース(5)

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  • 2018.05.02 UP
    2018/4/27 LROニュース(5)
    • 【1】 スウェーデン船主協会等が電気動力船開発のための新組織を立ち上げ
      • スウェーデン船主協会や船社のStenaが中心となって、気候変動に対応した海運分野(climate smart maritime sector)を促進し、開発した環境関連技術を輸出するために、新たな連携組織である”Electromobility for Shipping(海運のための電気動力)“を3月21日、同国の企業・技術開発担当大臣隣席の下に設立した。海運による環境への影響を削減し、持続可能な海運を実現するために、電池や電気動力に関する技術を開発するのはスウェーデンの持続可能な経済実現のための戦略の重要な一部となっている。将来の船舶は電気動力を前提として建造され、燃料も従来の化石燃料から電池や燃料電池にシフトしていくと考えられる。次世代の船舶は電化・デジタル化・遠隔操縦技術を融合したものとなろう。
      • 原文 Mar. 21, 2018, スウェーデン船主協会(長谷部正道)
    • 【2】 EMSA、契約油防除船の訓練実施状況を公表
      • 欧州海上保安機関(EMSA)は加盟国の油濁事故対応能力を支援するため、同機関と契約した油防除船や油防除資器材を欧州海域に配置しているが、EMSAはこのほど、これらの油防除船に対する訓練や資器材の作動確認について2017年の実施状況をまとめたレポートを公表した。配置されている油防除船については四半期に一度の訓練が、配置されている油防除資器材については年間最大6回の作動確認を行うことがEMSAとの契約に明示されている。
      • 原文 Mar, 2018, EMSA (武智敬司)
    • 【3】 仏大統領、EUがパリ協定を離脱する国と自由貿易協定を結ぶことに警告
      • 3月21日にアイルランド首相が米大統領に対し、鉄鋼とアルミニウムにおける関税問題の緊張緩和のため、米国とEUの間で新たな自由貿易協定を締結するよう要望したことを受け、仏大統領は22日、パリ協定の離脱を表明している国との自由貿易協定締結は、欧州でのクリーンエネルギー製造事業者の弱体化につながり、また、環境問題に対するEUの弱腰を世界にさらすことになると警告した。併せて、EUの排出権取引制度における炭素最低価格の設定と安価かつ炭素を多く排出して製造された海外製品のEU市場への流入を防ぐための関税も必要だとしている。さらに、現在環境対策用に支出が決定している予算の増額も要請したが、これはポーランドなど経済成長の面から気候変動対策に消極的な国を困惑させる可能性がある。なお、2月に仏外相が、米国がパリ協定を離脱した場合は貿易協定を結ぶことはないと発言したのに対し、欧州議会もこの姿勢を支持している。
      • 原文 Mar. 22, 2018, Climate Change News(野口美由紀)
    • 【4】 欧州理事会が長期的な気候変動戦略の改訂期限を設定
      • 3月22日に開かれた欧州理事会で、加盟国の首脳らは、2011年に起草された「2050年低炭素経済ロードマップ」の更新版にあたる「2050年GHG排出削減計画」を2019年の第一四半期までに策定するよう欧州委員会に求めた。EUは、2010年のCOP16で合意された「2℃目標」を受けて2050年までにGHGの総排出量を80%削減する目標を掲げ、ロードマップを策定したが、パリ協定の努力目標である「1.5℃未満」の達成に向け、今回戦略を見直す方向に動いた。
      • 原文 Mar. 23, 2018, Climate Change News(野口美由紀)
    • 【5】 1.5℃目標達成のコストは2℃目標の3倍のコストが必要
      • ウィーンの国際応用システム分析研究所が3月のNature Climate Changeに発表した研究によると、パリ協定で努力目標とされている気温上昇1.5℃未満を達成するには、2℃未満に抑えるより3倍のコストがかかることが明らかになった。また、とりわけ交通部門と建設部門における早期のCO2排出削減が必要であることも示された。分析は5つのシナリオを用いて、社会経済的要素がどのように目標達成に影響を与えるか注目している。国際的な協力や革新がほとんどなく、貧困格差も拡大する“地域間競争シナリオ”では、1.5℃未満は達成不可能であり、省エネが劇的に進み、肉の消費も少なく、格差も小さい“グリーン成長シナリオ”では、温暖化の危険レベルを回避できる見込みがもっともあることが示された。コストの上昇により、1.5度目標の実現が難しくなるとの見方がある一方で、本論文の研究者は、長期的に見ると全体のコストはそこまで大きくないと述べている。
      • 原文 Mar. 23, 2018, Climate Change News(野口美由紀)
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