2018/4/19 LROニュース(5)

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  • 2018.04.20 UP
    2018/4/19 LROニュース(5)
    • 【1】 カナダ政府が海洋保護計画に基づく新事業を発表
      • 3月13日、カナダ政府が発表した「海洋保護計画」に基づく新たな施策の概要は以下のとおり。①「海上周辺状況認識能力強化(Enhanced Maritime Situational Awareness)イニシアティブ」の一環として、先住民・地方政府・科学的NGO等の関係者とリアルタイムの海上交通情報を含む基本的な海事情報を共有する試験事業を本年秋から開始する。②120万ドルの予算で、沿岸警備隊が使用する携帯可能な漏出油回収装置を導入し、沿岸部や海洋天然資源への油濁汚染による影響を軽減する。③1億6700万ドルの予算で、絶滅が危惧されている南に生息するシャチ(Southern Resident Killer Whale)について、先住民・環境団体・研究者等と協力して、人間の行動がシャチに与える影響について調査研究の上、必要な措置を講じる。
      • 原文 Mar. 13, 2018, 加政府(長谷部正道)
    • 【2】 船種毎に異なる遠隔操縦無人船の経済的実現可能性
      • (論説)ロールスロイス社のデジタル技術開発担当上級副会長が船種ごとに遠隔操縦船の実現可能性について分析したところその概要は以下のとおり。①マースクCEOが言っているとおり、超大コンテナ船(ULCV)については、無人運航船とすることに伴う経済的節約効果が数パーセントにとどまり、無人運航とする経済的インセンティブが限られているのは事実だが、自律運航船実現のために開発されたIntelligent Awareness(IA)システムや機関の保守管理システムなどの要素技術はULCVにも導入される。②一方で中小型コンテナ船・一般貨物船・ばら積み船については無人運航化により、10-22%のコスト節減効果が期待され、無人運航化のインセンティブは高い。ちなみに運航コストの20%節約は、燃料費を半減するのと同じ経済効果がある。③タンカー・クルーズ船・LNG運搬船なども無人運航化の経済的インセンティブが低いが、ULCVと同等にIAシステム等の導入が進む。④無人運航化が真っ先に進むのは港内・沿海域で運航するタグを含む作業船で、最大30%のコスト削減効果が期待できる。
      • 原文 Mar. 15, 2018, World Maritime News(長谷部正道)
    • 【3】 北極海海上保安フォーラム会合の概要
      • フィンランドのオウルで行われた北極海海上保安フォーラム会合では、2017年9月にアイスランドで行われた合同実動訓練の教訓について話し合われた。一つは言語の問題で、英語を第1言語としない国が混ざった国際共同オペレーションでは、無線での会話は明瞭に話すこと、共通の術語集を作成して全ての参加者が正確に意思疎通を行うことの重要性が強調された。また、オペレーションに責任を持つ現場指揮官をどのように決定し、対応チームをどのように構成するかが重要であることも確認された。このほか、各国のヘリコプターが他国の船艇に着船する手法についても検討が開始された。
      • 原文 Mar. 14, 2018 Barents Observer (武智敬司)
    • 【4】 ジプチのコンテナターミナルの管理を中国企業には任せず
      • ジプチ政府は2月にDP Worldと締結していたDoralehコンテナターミナルの管理契約を破棄したが、これに対し、もし同コンテナターミナルが中国企業の管理下に入ると米国にとって大きな軍事上の脅威となると米国の軍・政府・議会関係者は深く懸念していた。3月14日、こうした米国の懸念に対し、ジプチ政府高官は同コンテナターミナルに対して追加投資するために、同ターミナルを政府の管理下に置くが、中国に管理を任せるというような秘密合意はないと述べた。米国のティラーソン前国務長官も本件の重要性に鑑み、3月上旬に同国を訪問している。一方、DP Worldはジプチ政府の一方的な契約破棄に対して、ロンドンの国際仲裁裁判所に仲裁の申し立てを行う予定。
      • 原文 Mar. 14, 2018, Reuters (長谷部正道)
    • 【5】 国際海運会議所が最新の旗国成績表を発表
      • 3月15日、国際海運会議所(ICS)は2017/2018年の最新の旗国成績表(Shipping Industry Flag Performance Table)を発表した。IMO加盟国に対する監査が強制的なものとなったことを受けて、今回からIMO監査についての項目が追加された。ちなみに、日本はすべての項目において高い評価を得ている。成績表は以下のリンク参照。
      • 原文 Mar. 15, 2018, ICS(長谷部正道)
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