2018/4/17 LROニュース(5)

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  • 2018.04.18 UP
    2018/4/17 LROニュース(5)
    • 【1】 Maersk Honamの保険上の処理と避難港
      • 3月6日、アラビア海をスエズ運河経由で地中海に向かっていた15262TEUのMaersk Honamで発生したコンテナ火災は、コンテナ船の災害としては史上最大規模のものとなる見込みだが、現段階ではどの港に曳航されるか発表されていないが、コンテナ火災が完全に鎮火する必要があり、過去の同様な例では鎮火が確認されて避難港に入港するまで約2か月かかった例がある。3月9日、マースクは共同海損(General Average: GA)を宣言し、2MアライアンスのパートナーであるMSCを含む同船に荷物を積載している船社は荷主にGAを宣言することを推奨している。コンテナ船の前方に積載されたコンテナは火災で全損を免れないが、船橋より後方に積載されたコンテナは無事のようであり、避難港入港後速やかに無傷のコンテナを引き取りたい荷主は、直ちに貨物保険を掛けた保険会社と相談してGAを受け入れることを勧奨されている。共同海損とは、サルベージ・移送・港湾に関する費用を含む全ての損害を無事に残った貨物の荷主が分担する仕組みで、通常コンテナ1個当たり5万から10万ドルのコストがかかるが、過去には100万ドルを超えた例もあり、貨物保険をかけていない荷主は、荷物を引き取るために高額の預託金を請求される恐れがある。
      • 原文 Mar. 13, 2018, The Loadstar (長谷部正道)
    • 【2】 韓国政府が中堅造船2社の再建策を決定
      • 3月8日、韓国政府は閣議で経営困難に陥っていた中堅造船2社の再建策を決定した。STX造船海洋は、全従業員1350名の40%にあたる建造作業員を700名から180名に75%削減することを条件に救済し、城東造船ついては、法定管理を申請させ、船舶修理専門造船所としての再建を目指すが、債務を減免した場合でも再建の見通しが立たないと裁判所が判断した時には破産手続きに入ることになる。
      • 原文 Mar. 8, 2018, Business Korea (長谷部正道)
    • 【3】 ReCAAP週間レポート(3月6日-12日)
      • 3月6日から12日の間にReCAAP情報共有センターに報告があった武装強盗事件は1件であった。2018年2月6日午前2時31分頃、バングラデシュのチッタゴン錨地に錨泊中の貨物船に6人の賊が侵入し、船内の物品を盗んで逃走した。貨物船船員に負傷者はない。通報を受けたバングラデシュ沿岸警備隊が捜査するも、賊の行方は不明である。
      • 原文 Mar. 12, 2018 ReCAAP ISC (武智敬司)
    • 【4】 米の鉄鋼・アルミの輸入制限措置に対して欧州船主協会が反対を表明
      • 米大統領が米国が輸入する一定の鉄鋼・アルミニウム製品に対して追加的な関税を賦課することを決定したことに対し、3月13日、欧州船主協会(ECSA)は、このような保護主義的な決定は、米国と欧州の関係や世界市場に悪影響を及ぼし、全面的な貿易戦争を引き起こしかねないとして反対意見を表明し、米国とその相手国に自由貿易の尊重と報復の自制を呼び掛けた。欧州の船社は全世界の船腹の約4割を支配し、欧米間の貿易ばかりでなく、極東=南米といった三国間航路でも活躍している。
      • 原文 Mar. 13, 2018, ECSA(長谷部正道)
    • 【5】 北極海コーストガードフォーラムがフィンランドで開催
      • 3月6日から9日の間、フィンランドのオウルにおいて、カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、ロシア、米国の沿岸警備隊による北極海コーストガードフォーラム(ACGF)が開催された。今次会合の主な議題は、2019年にフィンランドで行われることとなっている第2回の合同実動訓練に向けての準備のほか、新たな分野における協力の可能性の探求である。ACGFはオペレーションに焦点を置いた、捜索救助、緊急時対応、砕氷など北極海沿岸国のコーストガード間における北極海での共通の関心事項について対話を行う場であり、2017年には初めての合同実動訓練をアイスランド沖で行っている。ACGFは実務的な協力を推進する場であり、参加各機関の主要任務に焦点を置いた議論が行われていることから、ACGF自体はロシアと西側諸国の政治的緊張の高まりとは切り離して運営されている。
      • 原文 Mar. 13, 2018 Barents Observer (武智敬司)
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