2018/4/10 LROニュース(5)

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  • 2018.04.11 UP
    2018/4/10 LROニュース(5)
    • 【1】 欧州委員会はアランの船舶リサイクリング施設を早急に承認リストに追加すべき
      • (論説)デンマーク船主協会が欧州委員会はインドのアランの船舶リサイクリング施設を早急に承認リストに加えるべきとの意見を表明したところその概要が以下のとおり。①欧州委員会は3月と今秋に2種類の承認船舶リサイクリング施設のリストを発表する予定だが、現在承認されているEU内のリサイクリング施設では、EU域内の船舶リサイクル需要に対応しきれないので、リサイクリング設備が大幅に改善したインドのアランのリサイクル施設を早急に承認リストに含めるべきである。②全世界で毎年約800隻の船舶がリサイクルされているが、現在承認されているEU域内のリサイクル施設のみでは、毎年リサイクルされるEU船籍船の12%しかリサイクルする能力がなく、船長が200mを超える大型船については9%しかリサイクルする能力がない。③EU船籍船の平均使用期間は世界平均より約5年長い33年だが、この平均寿命が世界の傾向に応じて短くなりつつあるので、必要とされるリサイクル能力は現在の年間250万トンから290万トンに増加することが予測される。
      • 原文 Mar. 8, 2018, デンマーク船主協会(長谷部正道)
    • 【2】 持続可能な海洋経済活動に対する金融支援に関する宣言
      • 3月8日、エコノミスト世界海洋サミットで欧州投資銀行(EIB)・欧州委員会等が共同で「持続可能な海洋経済活動に対する金融支援に関する宣言」を発表したところその概要は以下のとおり。①2030年までに海洋経済の成長率が世界経済全体の成長率を付加価値と雇用の面で上回るとOECDは予測しているが、一方でこうした海洋に関する経済活動が海洋生態系ばかりでなく将来的な経済成長の基礎となる海洋資源に悪影響を与える恐れがある。②海洋生物の生息地の破壊・海洋プラスチックゴミ・過剰漁獲といった持続可能な海洋経済の成長に対するリスク要因を抑制するために、海洋に関する研究・情報の収集・技術開発といったあらゆる分野における協力・連携を促進するためにEIB等によって14の自主的な海洋投資に関する原則が作成され合意された。③本宣言は既にEUの持続可能な金融に関する上級専門家会合で1月に承認されており、EIBや世界銀行など多くの金融機関から支持されている。
      • 原文 Mar. 8, 2018, EIB (長谷部正道)
    • 【3】 豪と東チモールがチモール海の海洋境界線協定を締結
      • 3月7日、豪と東チモールの両政府は長年にわたって係争中だったチモール海の海洋境界線について協定を締結した。両国は両国の間の恒久的な海洋境界線を確定するだけではなく、チモール海のGreater Sunriseガス田の共同開発と管理についても合意した。同ガス田を含む大陸棚については、両国が共同の主権を持つが、ガス田から得られる収入の7-8割は東チモール政府の取り分となる。同ガス田の開発は民間の共同事業体に委ねられる。今回の合意は、国連海洋法に従い、常設仲裁裁判所の調停に従い達成された。
      • 原文 Mar. 7, 2018, 豪政府(長谷部正道)
    • 【4】 ReCAAP月間レポート(2018年2月)
      • 2018年2月にReCAAP情報共有センターに報告された事件は、武装強盗事件5件(既遂3件、未遂2件)であり、前月の8件と比べ減少している。5件のうち4件が錨泊中の船舶に対するものであり、1件が航行中の船舶に対するものである。また、スールー海・セレベス海における船員誘拐事件は2月には発生していないが、船員誘拐を企図していたと思われる襲撃事件が1件発生している。ReCAAP情報共有センターは、海賊や武装強盗、船員誘拐が発生する可能性のある海域を航行する船舶に対し、引き続き見張りを厳として不審船舶の接近に十分に警戒し、あらゆる異状を沿岸国及び旗国に通報するとともに、最新の情報収集と海賊対策の励行を求めている。
      • 原文 Mar., 2018 ReCAAP ISC (武智敬司)
    • 【5】 米・英・加が2年に一度の共同演習を北極で実施
      • 3月7日から、米海軍は英・加の海軍とともに、2年ごとに開催されるIce Exercise (ICEX) 2018を開始した。演習は5週間にわたって行われ、米英の3隻の原子力潜水艦と100人以上の兵員が参加して開催される。演習は米海軍の北極海における運用能力の確認と同盟国との連携の強化を目的として実施される。演習はアラスカ州のブルドーベイの北方約250kmのボフォート海の海氷上に潜水艦の運用を行う基地を設置することから開始され、当該臨時基地までカナダのDHC-6型双発機を使用して、物資や人員を輸送する。臨時基地は50人以上の兵員が駐在することが可能で、800万ドルの予算で設営される。北極海における潜水艦の運用は他の海域で運用する場合と比較して、極めて難度が高く特殊な技能が要求される。
      • 原文 Mar. 9, 2018, High North News (長谷部正道)
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