2018/3/22 LROニュース(5)

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  • 2018.03.23 UP
    2018/3/22 LROニュース(5)
    • 【1】 インドとイランがチャー・バハール港の第1期運用について暫定合意
      • インドとイランの両国政府は、チャー・バハール港を18か月間インドに貸し出すことで、暫定合意に達した。リース期間が18か月と短いのは、この期間はあくまでインド側が同港の開発に必要な作業機械を自前で調達するまでのつなぎ期間であり、この間は開発にあたるIndia Ports Global Limited (IPGL)はイラン側の作業機械を借用して工事を進める。同港の新ターミナルは8500万ドルをかけて建設される予定で、インドと関係の悪いパキスタンの陸路を経ずに、インドからイラン・アフガニスタン向けの物流ルートを構築するための中核インフラとなる。インドはさらに同港からイランのアフガニスタン国境に近いザーヘダーンまで16億ドルをかけて新たに鉄道を建設し、さらに多くの鉱物・天然ガス・石炭・石油関係への事業にも投資することを予定しているが、米国による強硬なイラン制裁措置の影響を受ける可能性もある。
      • 原文 Feb. 22, 2018, The Maritime Executive (長谷部)
    • 【2】 Steamship クラブがオランダにEUビジネスの拠点を移転
      • 英国に本拠を置くP&IクラブのSteamship Mutualは英国のEUからの離脱に備えて、オランダに子会社を設立して、EU関連ビジネスを移転する。英国は世界の海事保険市場を独占してきており、世界の主たるP&Iクラブの13社のうち、6社が英国に拠点を置いてきたが、NorthとStandardクラブがダブリンに、UKクラブがオランダに、Britanniaクラブがルクセンブルグに欧州ビジネスの拠点を移すと既に発表しており、Londonクラブだけがいまだに移転に関する決定をしていない。こうしたP&I各クラブの動きは、数十億にのぼるとされているロンドンの海上保険市場を弱体化させる恐れがある。Steamshipクラブの欧州における売り上げは同社の全世界売り上げの約3割を占めている。
      • 原文 Feb. 23, 2018, High North News (長谷部)
    • 【3】 カナダが北極圏の主権を主張するための演習を実施
      • カナダ軍は2007年から毎年実施されている北極圏におけるカナダの主権を主張するための演習を、今年も300人の兵員と複数の航空機や車両が参加して、ケンブリッジ湾・リゾルート湾・ヌナブト周辺地域で、2月23日から3月19日まで実施した。カナダは歴史的に北部北極圏の主権を主張しており、カナダの北極圏には、16万2千キロに及ぶ海岸線と、3万6千におよぶ島があるにもかかわらず、人口はわずか11万人で、法執行や安全保障措置の実行といった主権を行使するのは簡単なことではなかったし、カナダの北極圏に関する主権、特に北極海北西航路の主権については現在でも米国と係争中である。こうした中で、近年の北極海の海氷の減少により、北極海を航行する船舶数が増えただけでなく、北極海上空を通過する航空機の数も2003年から2010年にかけて10倍増の1万機に増加し、豊富な化石燃料やダイヤモンドなどの鉱物資源の存在と併せて、カナダにとっての北極圏の重要性が増加している。
      • 原文 Feb. 23, 2018, High North News (長谷部)
    • 【4】 2019年予算教書に見る米国の北極政策
      • 米国の2019年予算教書中、北極政策にかかわるものの主たる概要は以下のとおり。①北極圏国立野生動物保護区(ANWR)における石油・ガス開発の許可②北朝鮮対策としての弾道弾迎撃ミサイル(GBI)を北極圏に20基増強配備③USCGの新型砕氷巡視船の建造に7億2千万ドル④米国海洋大気庁(NOAA)の予算を対前年比20%の削減。なかでも気候変動観測予算は37%の削減⑤アラスカのノームにおける深水港の建設を含むインフラ建設の強化⑥アラスカ州における地域支援予算の削減。
      • 原文 Feb. 23, 2018, High North News (長谷部)
    • 【5】 容器保証金制度が海洋ゴミの削減に有効
      • 2月15日、容器保証金制度の導入が海洋ゴミの削減に有効とする調査報告書がMarine Policy誌に投稿されたところその概要は以下のとおり。①容器保証金法制(Container Deposit Legislation: CDL)は海洋ゴミを削減する法的手段の一つ。②本調査では、飲料の容器の保証金制度が飲料容器ごみの削減にどの程度効果があるかについて、豪と米のCDLを導入している州と導入していない州を比較して調査した。③CDLを導入している州の海岸で収集された飲料容器ゴミの量は、CDLを導入していない州と比べて40%少なかった。④こうしたCDLによる容器ごみ削減効果は、貧困地域の方が大きかった。⑤調査の結果、使用済み容器に対する現金返金制度が、容器ごみ削減に大きな効果があることが分かった。
      • 原文 Feb. 15, 2018, Marine Policy (長谷部)
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