2018/2/9 LROニュース(5)

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  • 2018.02.09 UP
    2018/2/9 LROニュース(5)
    • 1】 中国が北極シルクロード構想を発表
      • 1】1月26日、中国国務院は、地球温暖化によって運航可能となる北極海航路を新たなシルクロードとして開発する構想を初めての北極海政策白書で発表した。具体的には、北極海航路運航のためのインフラを整備する事業者や、試験的な商業運航を行う企業を支援する。中国は北極評議会の正式メンバーではないが、2013年から同評議会のオブザーバーとなり、北極圏で積極的な活動を行っており、特にロシアのヤマルLNG事業には多額な投資をし、年間400万トンのLNGを輸入することを見込んでいる。北極圏における中国の存在感が急増することに対し、北極評議会の加盟国は懸念を募らせているが、本白書の中で、中国政府は、同国として北極圏における石油ガス鉱物資源・漁業資源・観光資源の開発に関心を持っているが、これらの事業は当該資源を所管する北極圏の諸国と共同でかつ北極圏の先住民の伝統文化と自然環境を尊重して行うとしている。
      • 原文 Jan. 26, 2018, Reuters (長谷部)
    • 2】 いわゆるRiding Gangsの問題点
      • 2】近年、船員資格を持たない船上労働者集団(Riding Gangs:RG)の雇用が急激に増えて、船員の雇用環境を脅かしている。もともとは船員では対処ができない問題が発生した場合に、臨時にRGが雇用されていたが、最近では、RGが電気・通信・航海支援装置の修理保守、洗浄・塗装、貨物の積降、保安、係留など幅広い作業をこなすようになってきている。これらのRGは船員のように賃金や労働条件について協定で保護されておらず、健康診断を受ける必要もなく、緊急避難訓練も受けていない。このような利便性から、RGは短期・臨時に雇用されるだけではなく、船上の恒久的な労働力として雇用され、本来船員が行うべき仕事に従事している。いくつかの米国の州では、RGを法定の安全運航に必要な最低船員数の一部として扱うことを認めているが、正式な検査・登録を受けていないRGの雇用は国際船舶港湾施設保安コード(ISPSコード)が定める船舶の保安確保の観点からも問題がある。
      • 原文 Jan. 19, 2018、ITF(長谷部)
    • 3】 中国の一帯一路政策の北極海の窓口となる鉄道建設計画が発表
      • 3】1月19日、フィンランドのラップランドのラッピ県の県庁所在地のロヴァニエミとバレンツ海に面するノルウェーの港湾都市であるチルケネスを鉄道で結び、中国の一帯一路政策の北極海の窓口とする提案がフィンランドとノルウェーの交通当局に提出された。既に同様の構想がフィンランドの産業界のリーダーから提出されており、事業費は約30億から40億米ドルが必要とされ、3月初めまでに政府の判断が示される予定。チルケネスは北極海北航路に面する西欧の最も東端に位置する港で、北極海北航路を利用して運送されてきたロシアのLNGや中国からの輸出製品を同港で鉄道に積み替え、他のスカンジナビアの都市や、ヘルシンキ、バルト海沿岸諸国、ポーランド、セントペテルスブルグに輸送することが想定されている。もし本事業の技術的問題点や経営上の採算性について両政府が前向きの判断をすれば、両政府は中国や他の参加希望者との協議を開始することとなる。
      • 原文 Jan. 26, 2018, Asia Times (長谷部)
    • 4】 サンゴ礁に絡みついたプラスチックゴミがサンゴ礁の病気を促進
      • 4】1月26日付のサイエンス誌に発表された論文によれば、アジア太平洋海域の159のサンゴ礁を調査した結果、何十億ものプラスチックゴミがサンゴ礁に絡みつき、サンゴ礁が病気になる確率を20倍に増やしていることが判明した。プラスチックゴミは光を遮り、毒素を放出し、酸素を欠乏させることによりサンゴ礁にストレスを与え、プラスチックゴミ自体が病原体が蔓延する足掛かりとなっている。海洋微生物や魚類の生息地となるような複雑な形をしたサンゴ礁の方が、簡単な形のサンゴ礁に比べて、8倍の確率でプラスチックゴミが絡みやすく、集中的に病気に感染している。アジア太平洋地域のサンゴ礁にはすでに111億トンのプラスチックゴミが絡みついており、このままだと2025年までにプラスチックゴミの量は40%増加することが予想される。
      • 原文 Jan. 26, 2018, Science (長谷部)
    • 5】 バングラデシュで2018年シップリサイクリング法案が成立
      • 5】バングラデシュ議会で「2018年シップリサイクリング法案」が成立したところ同法の主たる内容は以下のとおり。①リサイクリング事業者は、全ての労働者・従業員について個別に保険を掛けること。②同事業者は国際法規に従って事業を実施すること。③同法によりチッタゴン市内に定められた区域内で、事業者は同事業を営むこと。④許可を得ずして同事業を行った場合には、2年以下の懲役刑または最高Tk30 lakhの罰金刑⑤無許可でリサイクルする船を輸入した場合には、最高Tk30 lakhの罰金刑⑥無許可で海岸で船舶の解体を行った場合には、2年以下の懲役刑または最高Tk30 lakhの罰金刑⑦工業省の次官補を議長とし、13人の理事からなる理事会が船舶リサイクル事業の監督を行うこと。
      • 原文 Jan. 25, 2018, Dhaka Tribune (長谷部)
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