2018/2/6LROニュース(6)

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  • 2018.02.07 UP
    2018/2/6LROニュース(6)
    • 1】欧州委員会が船員訓練の最低基準と資格証明の相互認証に関する指令を検証
      • 1】欧州委員会は船員訓練の最低基準を定めた指令(2008/106/EC)と加盟国が発行した船員資格証明の相互認証に関する指令(2005/45/EC)の見直しの必要性を検証し、両指令が現在においてもおおむね有効に機能しているとしつつも、いくつかの改善点を指摘しているところその概要は以下のとおり。①訓練の最低基準を定めた指令は、最新のSTCW条約の改正内容と整合性をとる必要がある。②相互認証制度の下で相互認証される証書の定義を最新化する必要がある。加えて、2つの指令を1つに統合する可能性も検討されるべき。③加盟国は第三国の船員資格証明を相互認証する際にはあらかじめ欧州委員会の承認(recognition)が必要だが、委員会の承認基準がないため、加盟国に負担をもたらしているので、認証基準の策定について検討すべき。④相互認証の対象として認証されている第三国について、5年ごとに再検証するのは、検証にあたる人員・予算の面で負担になっており、5年度とにきちんと再検証しなくてはいけない優先国を選ぶ基準を策定すべき。⑤相互認証のために、第三国にSTCW条約に沿った国内の制度改正を求める際に、当該制度改正の期限を現在は18か月と定めているが、第三国が余裕をもってSTCW条約に沿った国内体制の整備を進めるために、より現実的な期限について検討すべき。
      • 原文 Jan. 17, 2018, EU (Dafnis)
    • 2】 オランダ、同国籍船への民間武装警備員導入に向け法案審議
      • 2】オランダ議会第2院(下院)は1月23日、ソマリア沖のハイリスクエリアに限定して、オランダ籍船が船舶護衛派遣隊(VPDs)の護衛が受けられない場合には、民間武装警備員の乗船を認める商船保護法(Marchant Navy Protection Act)法案を審議した。現状では、多くのEU加盟国が自国籍船への民間武装警備員の乗船を認めているにも関わらず、オランダはこれを認めていないことから、オランダ籍船についてはVPDsの護衛を受ける以外に自船を守る手段がない。オランダ船主協会(KVNR)はこの法案について、EUの海洋政策に沿ったものであり、オランダ海運界の地位を確実にするものと評価している。IMBの統計によれば2017年のアデン湾の海賊の発生件数は前年の4倍に増加しており、IMBはソマリアの海賊が今もって沖合数百マイルの商船を襲撃する能力を有していることの現れとしている。
      • 原文 Jan. 23, 2018 SAFETY4SEA (武智)
    • 3】 海運業界団体が紅海南部海域における暫定海上保安措置ガイダンスを発表
      • 3】国際海運会議所(ICS)等の国際海運業界団体が、最近のイエメンをめぐる国際紛争を踏まえ、紅海南部海域とバブ=エル=マンデブ海峡における新たな海上保安上の脅威について、同海域を航行する船舶の注意を促すため、海上保安に関する暫定ガイダンスを発表した。EU海軍部隊(EUNAVFOR)と統合海軍部隊(Combined Maritime Forces: CMF)は典型的な海賊以外の、同海域における機雷や海上即席爆発装置(Water-Borne Improvised Explosive Devices: WBIEDs)などによる新たな様々な脅威について情報を提供しており、新たな脅威に対処する方法が従来の海賊対策とは異なるため、船社の保安要員や各船舶の船長がこれらの新たな脅威に関し提供されている情報に通暁することが重要である。本暫定ガイダンスによれば、海上保安通過回廊(Maritime Security Transit Corridor: MSTC)を必ず通航し、アフリカの角・海上警備センター(Maritime Security Center Horn of Africa: MSCHOA)に登録し、UKMTO(UK Maritime Trade Organization)に報告し、最新情報に基づき航海ごとにリスク評価を再考し、新たな脅威に対応した運航計画を立てるべきである。ガイダンス本文は以下のリンクを参照。
      • 原文 Jan. 24, 2018, ICS (長谷部)
    • 4】 北極海周辺の海域を航行する船舶に対する注意事項
      • 4】最近カナダ沿岸域を含む北極海周辺海域は極めて厳しい寒波に見舞われているが、当該海域を航行する船舶が順守すべき点についてDNV GLが注意喚起しているところその概要は以下のとおり。①極寒下において安全に運航できる準備ができているかリスク評価を行う。②カナダ運輸省が提供している点検表を利用して事前点検を行う。③船上の装備が通常とおり円滑に作動するように、移動可能なヒーターや解凍装置などの極寒下の航行に対応できる追加的な準備を行う。④極寒下の運航における装備や船員に関する最低必要条件を定めた IMOの極海コードやDNV GLの冬季における注意事項(Winterized Notation)を承知し実施する。
      • 原文 Jan. 24, 2018, DNV GL (長谷部)
    • 5】 アデン湾で海賊による銃撃事件
      • 5】1月21日、イエメンのムッカラーの東南約90カイリ沖合のアデン湾で、比に向けて航行中の9100dwtのセメント運搬船に対し海賊の母船と思われる不審船が接近したため、セメント運搬船に同乗していた民間武装警備員が警告射撃をしたところ、海賊の母船から発砲があり、両船の間で銃撃戦となったが、海賊母船が攻撃をあきらめて退去した。襲われた船舶と乗員に被害はなかった。
      • 原文 Jan. 25, 2018, World Maritime News (長谷部)
    • 6】 ISWAN等が船員向けメンタルヘルス維持のためのガイダンスを発表
      • 6】国際船員福祉支援ネットワーク(ISWAN)、24時間多言語船員向け電話相談を運営しているSeafarerHelp、保険会社のShipowners Clubが連携して、船員が海上業務において前向きな精神状態を維持するために有用な様々な対策を紹介した船員向けのガイダンス”Steps to Positive Mental Health”を作成した。具体的にはマインドフルネス呼吸法を活用してストレス削減を行う方法などが紹介されており、2種類の船内掲示用のポスターも併せて作成された。
      • 原文 Jan. 22, 2018, Shipowners Club (長谷部)
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