2018/2/28 LROニュース(4)

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  • 2018.02.28 UP
    2018/2/28 LROニュース(4)
    • 【1】 航海研究所が「操船航海日誌」を発行
      • 【1】航海研究所(The Nautical Institute)は船員の操船技術の向上のため、「操船航海日誌(Shiphandling Logbook: SL)を発行した。船員はSLに操船上の経験や体験した訓練を記録し、STCW条約上必要な訓練の内容と比較し、不足分の訓練を明確にして受講を促すものである。訓練生を指導する際にも、終了しあるいは今後必要な訓練内容がSLに明確に記入されていれば、適切な指導が容易にできる。SLには操船技術に関するリストとSTCW条約上必要とされる要件が解説されている。
      • 原文 Feb. 7, 2018, The Nautical Institute (長谷部)
    • 【2】 EUが砕氷研究船の共同利用に向けた事業を立ち上げ
      • 【2】北極海の温暖化が進み、北極海への政治的・経済的関心が高まる中、科学的情報に基づいた合理的な政策判断が求められる。しかし、北極海の科学的な情報を収集するための砕氷研究船は小型で老朽化しているという問題点があり、EUをはじめとする多くの国の研究者が利用できない状況にある。そこで欧州委員会は、Horizon 2020作業計画の一環として、4年間にわたり600万ユーロの予算を確保し、北極海研究用砕氷船コンソーシアム(Arctic Research Icebreaker Consortium: ARICE)を立ち上げた。本事業には米・加を含む13か国から15の研究機関が参加し、独のアルフレッドウェゲナー極地海洋研究所(AWI)が取りまとめ役となって、6隻の砕氷研究船を共同利用する予定。手始めにノルウェーの新造砕氷研究船を利用して2018年から共同観測が実施される。共同参加できる科学者は公募され、提案された研究内容の優劣で参加できる科学者が決定されるが、若手の研究者や砕氷研究船を自国で保有していない国の研究者が優先される見込み。
      • 原文 Feb. 5, 2018, ノルウェー北極研究院(長谷部)
    • 【3】 インドネシアの自国船優先法が石炭・パーム油輸出に深刻な影響
      • 【3】インドネシア政府は2017年10月に自国の石炭・パーム油輸出事業者に対し、自国海運産業・海事保険業を保護するため、同国船と同国の保険事業者の使用を義務付けたが、しかしその後実際に同法を運用するためのガイドラインや例外措置の有無などについて政府から一切発表されていない。現在石炭等の輸出契約は輸入事業者が船舶を手配し輸送費を負担するFOB(free on board)で契約されているが、これを輸出事業者が船舶や保険を手配するCIF(cost insurance and freight)に変更するためには時間がかかり、新法の適用が開始される4月末には間に合わない可能性が高く、こうしたリスクを避けるため外国の輸入業者は新規契約を控えているとインドネシア石炭鉱業協会の事務局長はコメントしている。また同国は世界最大のパーム油輸出国だが、輸出量全部を輸送することができる十分な同国籍の食品用タンカーの数が足りないし、国内保険事業者も保険を受けきれないし、同国船は輸出先から同国への帰り荷を確保できない可能性が高いので、結局運賃も高騰するとインドネシアパーム油協会の事務局長は指摘しており、インドネシア籍船が使えない場合に外国籍船を利用するための基準などを早急に政府が示してほしいとしている。
      • 原文 Feb. 8, 2018, Reuters (長谷部)
    • 【4】 IMOと欧州開発銀行が戦略的連携覚書を締結
      • 【4】2月8日、IMOと欧州開発銀行(EBRD)は戦略的提携覚書を締結し、当面アゼルバイジャン、エジプト、ジョージア、モロッコ、チュニジア、トルコで海運・港湾分野における安全・環境面での人材育成を重点に協力を進めることに合意した。IMOと国際的な開発銀行が提携するのは今回が初めて。提携事業としては以下の事業が考えられる。?持続可能な交通への投資?固体ばら積み貨物の安全輸送?海上輸送関係行政手続きの窓口一元化(Maritime Single Window)?港湾における船舶起源の廃棄物受け入れ施設の立地場所の選定やビジネスモデルの確立?油濁汚染防除訓練と油濁汚染による重大被害が発生しうる海域の特定(sensitivity mapping)。
      • 原文 Feb.8, 2018, IMO (長谷部)
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