2018/12/04LROニュース(6)

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  • 2018.12.05 UP
    2018/12/04LROニュース(6)
    • 【1】 EU3機関が外国からの直接投資を精査する制度に合意
      • 【1】11月20日、欧州理事会・欧州議会・欧州委員会は外国からの直接投資を精査する制度の内容について合意した。新制度は中国によるEUのハイテク産業の取得を阻止するためのものであるという見方を、EUは繰り返し否定しているが、実際にはそのような効果があることは否めない。多額の国家債務に悩み中国からの投資の誘致に積極的な、伊・希・ポルトガルなどの諸国が新制度を支持するか依然として不透明だが、新政策を実施するためには、各加盟国で実施のための国内法を整備したうえで、発効するためには欧州議会の承認が必要となる。現在、公共秩序や国家安全保障の維持の観点から、外国による直接投資を審査する制度を持っている加盟国は半数もない状況だが、欧州委員会は今回の提案は各国の既存の制度の整合性を図るところまでは目指してはなく、外国からの直接投資に対して、加盟国間で協力して対処し、更なる情報の交換を行うことを目的としているとしている。
      • 原文 Nov. 22, 2018, Asia Times(長谷部正道)
    • 【2】 UNCTADが海運の過去50年間を回顧する記念海事報告書を発
      • 【2】UNCTADは1968年以来、毎年「海事年次報告書(Review of Maritime Transport: RMT)」を発刊してきたが、11月23日、創刊50周年を記念して、過去50年の海運を振り返る報告書を発表した。過去50年間にわたって、RMTは海上輸送に関する幅広い統計・情報を提供し、貿易と経済の発展に不可欠な海運の戦略的な役割について研究・分析を行ってきた。この結果、RMTは政策立案者・研究者事業者にとって今や必読書となっている。開発途上国は過去、原材料の輸出国として外航海運に依存してきたが、最近では、コンテナ定期船航路の寄港地として、また自ら海運・造船・船舶登録・ターミナル管理事業の提供者として積極的に海運活動に参加している。UNCTADは1960年代から途上国が海運事業に参加するための公平な競争条件を促進するため、RMTを通じて開発途上国に必要な情報を提供してきた。
      • 原文 Nov. 23, 2018, UNCTAD(長谷部正道)
    • 【3】 欧州議会交通・観光・産業委員会が欧州接続性機能に関する予算の増額に合意
      • 【3】11月22日、欧州議会交通・観光・産業委員会は欧州接続性機能(Connecting Europe Facility: CEF)の向上のための交通関連の2021年から2027年までの予算額を70億ユーロ増額して総額335億ユーロに増額するという提案者(rapporteurs)の案を了承した。これを歓迎する欧州港湾協会(ESPO)のコメントの概要は以下のとおり。①各加盟国内の港湾事業であっても、国境を超える道路や鉄道と同様に、国境をまたぐ国際的な物流を促進する効果があることが認識されたことを評価。②民生用交通インフラを軍事輸送にも併用することを前提として、CEFの予算に軍事輸送関連の予算が初めて取り込まれたことを歓迎。③過去3年間、CEF予算のわずか4%しか港湾関係投資に割り振られておらず、港湾が海の高速道路の重要な窓口となっていることを認識して、港湾関係予算の配分比率を増加すること望む。
      • 原文 Nov. 23, 2018, ESPO(長谷部正道)
    • 【4】 ノヴァテクのヤマルLNG第3精製液化ラインが操業開始
      • 【4】ノヴァテクは2017年11月に1番目の年間550万トンの生産能力を持つLNG精製液化ラインの稼働を開始した後、2018年7月には同規模の2番目の製造ラインの操業を開始したが、11月23日、当初の予定を前倒しして、同規模の3番目の製造ラインを稼働したと発表した。3本の製造ラインを合計して年間1650万トンのLNG生産能力を操業開始以来1年間で達成し、既に世界のLNG生産の4-5%のシェアを占めるに至った。ロシアに対する西欧諸国の制裁が継続しているため、以上の事業に必要な投資の29.9%を中国石油天然気集団とシルクロード基金から調達した。ノヴァテックの次の目標は2023年から年間1980万トンの生産能力を予定している北極海LNG第2事業で、必要な資金はヤマル事業にも出資している仏のトータルに加えて、中国・日本・サウジアラビアからの出資が予定されている。
      • 原文 Nov. 23, 2018, High North News(長谷部正道)
    • 【5】 欧州海洋観測システムが欧州委員会等に対して要請文を発表
      • 【5】欧州海洋観測システム(European Ocean Observation System: EOOS)は、11月21日から23日までブラッセルで年次総会を開催して、EU加盟国とEUが協力してより統合された透明性が高く各機関の間で調整の取れた海洋観測体制を構築するための行動要請文(Call to action)を採択したところその概要は以下のとおり。①EU各国は、海洋・沿岸情報収集の効率性の向上と、政策面と社会的な要請の間のギャップを把握して、観測の優先順位を明確にするため、各国内のすべての海洋・沿岸情報収集活動の調整を図るべき。②既存の地域協力の枠組みを活用して地域的な海域における観測手法の標準化を図るべき。③EUの各部局は、海洋観測活動に関する投資と活動をEUとしていかに合理化できるか検討すべき。④このために、EUの管理運営する異なる海洋・沿岸観測インフラから得られた情報を収集して、既存の情報管理・共有システムに連結させることが必要。
      • 原文 Nov. 23, 2018, EOOS(長谷部正道)
    • 【6】 IMO理事会:IMO理事会改革と現事務局長の再選
      • 【6】11月19日から開催されたIMO理事会においては、理事会改革について議論が行われ、なかでも理事国の選出方法、NGOのIMOにおける役割、情報の公開と透明性などについて議論された。また、現在のIMO事務局長の第2期目の再任が承認され、2019年の総会で承認されれば、同氏が2023年まで事務局長を務めることとなる。
      • 原文 Nov. 23, 2018, デンマーク船主協会(長谷部正道)
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