2018/12/27LROニュース(6)

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  • 2018.12.28 UP
    2018/12/27LROニュース(6)
    • 【1】ECSA等が英国の免状を持った船員がBrexit後も継続して働けるよう要望
      • 【1】欧州船主協会(ECSA)、欧州交通労連(ETF)は共同で、EUの交通担当コミッショナーやEU加盟国の海運担当大臣あてに、英国のEU離脱後も、英国政府がSTCW条約に基づいて発給した船員資格証書(Certificates of Competency: CoCs)を保持する船員が引き続き欧州経済領域(European Economic Area: EEA)加盟国籍船の船舶で働けるよう12月6日要望書を提出し、英国のEUからの離脱協定の中で明確に担保されることを求めた。もし以上の内容が離脱協定に盛り込まれない場合、または離脱協定なしの離脱になる場合、2008/106指令に基づく英国政府発行のCoCsの認証は失効し、各加盟国が行っている認証も現在の有効期限が来れば、認証の更新はできなくなる。この場合、上記指令の第19条に従って、英国政府発給のCoCsの認証を必要とするEU加盟国は欧州委員会に対して、EU域外の第3国としての英国が行う船員資格証明制度について改めて調査をし、英国の発給するCoCsを信頼できる第3国の資格証明として認証することを要請することとなるが、再認証には時間がかかり、英国政府発給のCoCs保有者に対する影響が大きい。一方で、EU加盟国が当該再認証請求を欧州委員会に提出した時点から、欧州委員会による再承認がなくても、単独で第3国の証書を認証することができることから、ECSA・ETFとしては、混乱を避けるためにもEU加盟国が共同で欧州委員会に対し、再認証手続きに入ることを要請することを望んでいる。
      • 原文 Dec. 6, 2018, ECSA(長谷部正道)
    • 【2】改正国際海上固体ばら積み貨物(IMSBC)コードが新年から発効
      • 【2】国際海上固体ばら積み貨物(International Maritime Solid Bulk Cargoes: IMSBC)コードの改正が、2019年1月より発効するが、主たる改正の目的が石炭を発火性のある発熱性の化学的有害物質(Group B)としてだけでなく、粉上のニッケル鉱石や鉄鉱石と同様に、運送許容水分値(Transportable Moisture Limit: TML)等の証明が必要なGroup Aの貨物としても原則として位置付け、石炭貨物の液状化防止を図ることにある。但し、石炭の粉塵の大きさが一定の基準(1ミリ以下のものが全体量の1割以内かつ10ミリ以下のものが過半数を超えないこと)以下でないことを荷主が証明し、または積み出し港の当局が当該石炭貨物がGroup Aに該当しないと科学的に認証した場合は、Group A貨物として取り扱う必要はない。
      • 原文 Nov. 27, 2018, Guard (長谷部正道)
    • 【3】サウジ連合軍とフーシが停戦協定に合意
      • 【3】イエメン内戦で対立する武装組織フーシとサウジ連合が12月13日、イエメンの食糧輸入の拠点である港湾都市フダイダでの停戦に合意した。国連によれば、イエメン内戦で数百万の市民が飢餓に直面し世界最悪の人道危機となっている。合意では、サウジ連合軍とフーシはともにフダイダから撤退し、21日以内に周辺地域を含め停戦に入るとされている。双方の撤退により、フダイダにおける人道支援は国連が管理する。この停戦合意は、イエメン内戦に介入するサウジ連合軍への支援停止を求める決議を米上院が採択する数時間前に公表された。決議に法的拘束力はないが、米議会がサウジの対イエメン政策に不満を抱いている警告であると広く捉えられている。
      • 原文 December 13, 2018 The Maritime Executive (武智敬司)
    • 【4】マイクロプラスチックを食べたアカウミガメの幼生が死亡
      • 【4】海に流れ込んだプラスチックボトルやプラスチックの漁具は、風・波・太陽光によってマイクロプラスチックに分解されるが、米ジョージア大学の研究者たちによる研究によると、海に流れ込んでいる1億5000万トンのプラスチックごみのうち90%が5ミリ以下の大きさのマイクロプラスチックの形態となっている。こうしたマイクロプラスチックがアカウミガメの餌となっているホンダワラ属の海藻に付着して、こうした海藻を食べたアカウミガメの子供を死に追いやっている。世界でも有数なウミガメの生息地として有名なフロリダのジュノビーチのアカウミガメマリンライフセンター(Loggerhead Marinelife Center: MLC)が誕生後数か月以内に死亡したアカウミガメの幼生52匹を解剖したところ48匹の体内からプラスチックが発見された。1ミリ以下マイクロプラスチックが細くてねじれているアカウミガメの幼生の腸に詰まって、食物が腸に詰まって死に至ることになる。
      • 原文 Dec. 10, 2018, Hakai Magazine (長谷部正道)
    • 【5】解凍した永久凍土から大量の水銀が北極海に流出
      • 【5】加アルバータ大学の研究者が科学誌の発表した研究によれば、カナダのピール台地にある永久凍土が解凍してできた窪地から大量の水銀が河川を経由して北極海に流れ込んでいることが確認された。永久凍土に大量の水銀が含まれることは以前から知られていたが、水銀が大量に川や海に流れ込むことによって、食物連鎖を通じ、野生動物や人間の健康への悪影響が懸念される。カナダにおいて通常自然界の水から計測される水銀は水1リットル当たり、最大で18ナノグラムだが、窪地の下流から採取された河川水からは同1200ナノグラムの水銀が計測された。地球温暖化の進行に伴い、当該地域の永久凍土の解凍は今後とも継続する見込み。
      • 原文 Dec. 14, 2018, CBC (長谷部正道)
    • 【6】COP 24: 温暖化対策に積極的な有志企業連合が交渉の進展を求める
      • 【6】COP24においては、海運会社のマースク・家具メーカーのIKEA・インドのMahindraグループ・重電メーカーのシュナイダーなどの地球温暖化対策に積極的な企業群がそれぞれの野心的な温暖化対策を発表するとともに、各国政府に対し積極的な取り組みを求めている。例えば、IKEA国際グループは、IKEAの直営工場のみならずIKEAに製品を供給する事業者の工場で、家具の製造過程で発生する二酸化炭素を2016年比で2030年までに80%削減することを発表し、世界のコンテナ海運で約2割のシェアを誇るマースクは同社が運航する船舶からの二酸化炭素の排出を2050年までにゼロにすることを約束し、全米最大のエネルギー供給会社であるXcel Energyは今世紀半ばまでに完全脱炭素発電を実現すると表明した。こうした有志企業の積極的な脱酸素化の取り組みに加えて、パリ協定実施のためのしっかりとしたルールについて交渉参加国が合意すれば、将来的に脱炭素社会を目指していくという各国の明確な意思表示になるとこれらの企業は表明している。
      • 原文 Dec. 14, 2018, We Mean Business (長谷部正道)
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