2018/12/26LROニュース(6)

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  • 2018.12.27 UP
    2018/12/26LROニュース(6)
    • 【1】COP24: EUと有志国26か国が各国の気候変動対策をさらに強化することを約束
      • 【1】気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC)は気候変動の影響は従前の想定より大きく、各国はこれまで約束していた気候変動対策をさらに強化する必要があると最近の報告書の中で指摘していたが、EUと有志国26か国はこの報告書の提言を真摯に受け止め、すでに約束していた気候変動対策を2020年までに更に強化すると12月12日発表した。IPCCの科学者によれば、こうした前例のない規模の気候変動に対応するためには、地球温暖化上限目標を1.5℃以下とする必要があるとしている。欧州諸国は低炭素かつ気候変動に対して抵抗力のある経済に移行するための各国のエネルギー政策と気候変動対策に関する目標・政策・対策を記した「国家エネルギー・気候変動対策計画(National Energy and Climate Plan: NECP)」を欧州委員会にクリスマス休暇前に提出する必要がある。
      • 原文 Dec. 13, 2018, META (長谷部正道)
    • 【2】MSC100: 結果概要
      • 【2】MSC100の概要は以下のとおり。①燃料の安全性の問題については、現在MARPOL第VI付属書において規定されている燃料の安全性の問題について、MEPCではなくMSCで検討され、場合によってはSOLASで規定されるべきではないかという提案について検討が行われ、燃料の安全性に関して更なる規制が必要で2021年までに結論を得ることを目途にMSC101で検討されることとなった。②MARPOL第VI付属書の締約国は燃料油供給事業の免許制度を導入すべきであるという提案については、MSCにおいてではなくMEPCで検討されることとなった。③人的因子の問題については、第5回人的因子訓練当直小委員会(HTW 5)で採択された船員の疲労に関するガイドラインの見直しが承認された。④海上自律運航船(Maritime Autonomous Surface Ships: MASS)については、MASSの試験運航に関する暫定ガイドラインが提案され、法的に必要となる規制の見直し範囲の検討作業(Regulatory Scoping Exercise: RSE)の今後の作業計画・作業方法等の枠組みについて合意された。
      • 原文 Dec. 12, 2018, Safety4Sea (長谷部正道)
    • 【3】港湾にかかわる欧州委員会の環境政策に関する質問主意書の回答
      • 【3】欧州委員会が、港湾にかかわる欧州委員会の環境政策の説明を求める欧州議会からの質問主意書の回答を発表したところその概要は以下のとおり。①欧州委員会は既存の規制が現状に適合するか常にモニターし、既存の規制で対応できない場合は新たな政策を提案している。②港湾については、船舶からの廃棄物と貨物の残滓を処理する港湾の受入施設に関する指令(2000/59/EC)を見直し、新たな港湾受入施設に関する指令(Directive on Port Reception Facilities)を提案しているところ。③港湾都市における空気の清浄化を図るために、Connecting Europe Facility, Horizon 2020, LIFEといった財源から、港湾と船舶からの排気の浄化に対して資金支援を行っている。④2015年にバルト海と北海で船舶からの硫黄排出規制の強化を行ったが、大気の品質の向上に大きな効果があったことが検証されており、2020年規制が実施されれば更なる大気の品質の向上が期待される。
      • 原文 Dec. 12, 2018, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【4】欧州委員会が Global Energy and Climate Outlook 2018を発表
      • 【4】欧州委員会は開催中のCOP24にあわせて、12月12日「2018年世界エネルギー・気候変動の概観(Global Energy and Climate Outlook 2018)」を発表したところその概要は以下のとおり。①地球温暖化の範囲を2℃または1.5℃以内に抑え込むためには、世界的なエネルギー制度やエネルギー消費パターンを大幅かつより早急に変更する必要があり、2015年から2050年度の間、2℃達成のためには年間6.1%、1.5℃達成のためには年間9%世界全体で炭素排出量を減少させる必要がある。②具体的な緩和対策としては、再生可能エネルギーの拡大や電化の促進が考えられる。③上記緩和対策を実施するためのコストとしては、2050年時点で、2℃達成のためには世界全体のGDPの0.4%、1.5℃達成のためには同1.3%程度の投資額で済む。④低収入の国家は上記緩和対策を実施するために高い経済成長を続ける必要がある一方で、高収入の国家は上記緩和対策を行うことによる経済成長への影響は限られる。⑤緩和対策の成功のカギは、二酸化炭素回収・貯留技術や生物多様性に悪影響を及ぼす可能性を抑えつついかに大規模なバイオマス技術を開発できるかにかかっている。
      • 原文 Dec. 12, 2018, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【5】EUとEU周辺諸国と共同で気候変動対応対策を実施する必要
      • 【5】欧州委員会が「欧州の境界地域における気候変動適応対策について(Addressing climate change adaptation in transnational region in Europe)」というブリーフィングを12月11日発表したところその概要は以下のとおり。①欧州と非欧州地域の境界域の中で、最も気候変動の影響を受けている地域としては、EUの北方の境界と北極海、南東の境界とアドリア海とイオニア海の大部分とバルカン・地中海地域が挙げられる。②こうした境界域におけるEUとEU域外国は、それぞれの地域の適応対策に関する知識と良き慣行を共有することにより、気候変動適応対策を協力して進めている。③Interreg VB計画の下で、北海・大西洋・南東欧州に対して、優先的に気候変動対応対策に対する支援を行っている。④北海・北方境界域と北極海・バルト海・ドナウ川流域・アルプス地域・中欧・アドリア海とイオニア海・バルカン地中海・南西欧州のピレネー地域などにおいて、気候変動適応対策のためのWebベースのプラットフォーム・情報センター・ネットワークが積極的に活用されている。⑤いくつかの境界域においては、共通の気候変動適応対策や行動計画が策定されているが、こうした対策・計画が実体的に実行されている程度については、それぞれの地域でばらつきがある。
      • 原文 Dec. 11, 2018 EEA(長谷部正道)
    • 【6】EU: 国連総会において海洋管理に関する二つの決議の採択に貢献
      • 【6】EUは気候変動対策・海洋汚染防止・過剰漁獲防止などのために海洋管理の強化に力を入れてきているが、適正な海洋管理を行うためには、国際的な共通認識の形成と国際協力の強化が不可欠である。多くの国々が自国の経済発展のためBlue Economyの振興に力を入れてきており、国際的な海洋管理の強化が必要となっている。今回国連総会で採択された国連決議の一つは、海洋管理のための法的枠組みであり、法の支配や平和的な国際関係の構築に寄与している国連海洋法(UNCLOS)の着実な実施と国内法の整合化を求めるものと、もう一つは水産資源の長期的な保全・管理・持続可能な利用の重要性を再確認するものであり、EUは両決議の総会における採択に主体的な役割を果たした。EUは公海上における海洋生物多様性(marine Biological diversity Beyond areas of National Jurisdiction: BBNJ)の保全に関する条約の制定交渉が順調に進捗していることを歓迎し、国際貿易機関(WTO)において、持続可能な漁業を脅かす過剰漁獲や不法・無報告・無規制(Illegal, Unreported and Unregulated: IUU)漁業を助長する有害な国家助成を規制するための交渉の合意を強く支持する。
      • 原文 Dec. 12, 2018, 欧州委員会(長谷部正道)
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