2018/12/17LROニュース(6)

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  • 2018.12.18 UP
    2018/12/17LROニュース(6)
    • 【1】 欧州理事会作成:海洋再生可能エネルギーに関する資料
      • 【1】標記資料を入手したところその概要は以下のとおり。①海洋再生可能エネルギーに関する技術は目覚ましく進歩しており、今後は風力発電や太陽光発電に続く新たな技術開発が期待される。②具体的には浮体式海上風力発電や波力・潮力発電が、EUが追及する気候変動対策の目標達成に貢献することとなる。③欧州は以上の技術開発について、世界の最先端レベルにあり、実用化レベルでも欧州が先陣を切るためには、2020年代初頭までにこれらの新たな技術の実用化を図る必要がある。欧州諸国は水力発電・造船・風力発電タービン・海上石油ガス開発などの各技術を持っているため、EU各加盟国は海上再生可能エネルギー技術開発に貢献し、また同技術から収益を上げることができる。④こうした欧州の先導的な立場を確保するために、欧州委員会は戦略的エネルギー技術計画(Strategic Energy Technology Plan: SET Plan)などの様々な事業を通じ、加盟国と連携して本分野の技術開発を支援していく。
      • 原文 Dec. 3, 2018, 欧州理事会事務局(長谷部正道)
    • 【2】 イラン、米のイラン産原油禁輸に対抗してホルムズ海峡の閉鎖を示唆
      • 【2】イランのロウハニ大統領は12月4日、米国がイラン産原油の輸出を妨害する動きに出ればホルムズ海峡を封鎖する可能性を示唆した。ロウハニ大統領は今年7月の声明でも、ホルムズ海峡封鎖の可能性に言及している。米国のイラン担当特別代表によれば、米国の制裁によりイランの原油輸出量は制裁前の1日当たり240万バレルから既に100万バレルまで減少しており、今後さらに減少するとの見通しを示している。同特別代表は、イラン産原油の大口輸入国であるアジアの米同盟国に一時的にイラン産原油の輸入を認めている状況について、トランプ政権は究極的にはイラン産原油を世界の市場から完全に締め出すことを望んでいると付け加えている。
      • 原文 Dec. 4, 2018, The Maritime Executive(武智敬司)
    • 【3】 マースク:2050年までにCO2排出正味ゼロへ
      • 【3】商業的に利用可能にするとともに、新たなイノベーションの加速と新技術の応用も必要となる。これまで、同社はCO2排出量を海運業界の平均より約9%高い、同社2007年比46%削減してきたが、海運の取引量が増加する中、現在の化石燃料を基盤とした技術の効率性改善だけでは、海運からのCO2排出量を大幅に削減することはできない。また、貨物量・輸送量ともに陸上交通とは大きく異なるため、電気推進船においては、バッテリーの充電容量や充電施設の課題を解消する革新的な開発も必須である。そのため、船舶の使用年数が20~25年であるとすると、2050年に脱炭素化するには新型船の開発を始めなければならない時期に来ており、野心的な目標を設定することで研究者や技術者、投資家、船主、政治家らの参画、共同開発、持続可能な解決に向けた財政支援を促していく狙いがある。また、2019年には可能な限り全ての関係者と気候変動の解決に向けた公開型の協調的対話を開始する予定である。
      • 原文 Dec. 4, 2018, マースク(野口美由紀)
    • 【4】 USCG:北極海により大きなプレゼンスが必要
      • 【4】中露などが北極海でのプレゼンスを増す中、USCG長官は「プレゼンスは影響力に等しく、米国が北極海でプレゼンスを示さなければ、他国がプレゼンスを示すであろう」として、北極海に対する以下の認識を示した。①気候変動による北極海の温暖化によって海氷融解が進み、クルーズ船やコンテナ船が北極海を航行するようになった。同時に、各国は北極海での鉱物、石油、ガス開発を行っている。これは、北極海が商業・安全保障にとって極めて重要であることを意味している。②ロシアは原子力船7隻を含む46隻の砕氷船を有し、更に12隻を建造中である。中国は北極海沿岸国でないにも関わらず2隻の砕氷船を有し1隻を建造中で、北極海で公然と支配力を求めているとみるほかない。他方USCGの砕氷船は2隻にすぎない。③2隻の米国砕氷船は北極海のみならず南極海でも多様な任務に就いており、海洋調査や捜索救助、国防省の依頼による任務などを実施している。④USCGは公式・非公式の2国間関係のほか、北極協議会やACGF、NPCGF、IMOなどを通じ多くの近隣国と関係・信頼を構築している。⑤USCG長官としての最重要施策は極海保安巡視船の予算獲得である。計画では3隻の大型砕氷船と最大3隻の中型砕氷船を獲得することとしており、USCGとしては最初の大型砕氷船の建造を今年度中に開始し、2023年度までに就役させることを望んでいる。
      • 原文 Dec. 4, 2018 米国国防省(武智敬司)
    • 【5】 欧州で船舶から排出される有害物質を除去する新型粒子加速器を開発中
      • 【5】欧州の41の研究・産業パートナーが参加するEU出資のプロジェクト「ARIES」では、粒子加速器を世界最大の大型ハドロン衝突加速器(Large Hadron Collider:LHC)のような巨大なものから病院や工場、船舶でも使える大きさのものに応用する取組を行っている。これにより、数年来に海運から排出されるSOxやNOx等の有害粒子を取り除く新システムを確立できる可能性がある。加速器の多くは病院で癌の放射線治療に用いられている機器等の技術を基盤としており、大型かつ高額でエネルギー消費量も多いため利用が制限されており、現代の粒子加速技術を様々な場所で十分に活用するには、より低価格で高効率な加速器の開発が求められている。本プロジェクトは2021年4月までの予定だが、他の排出削減策よりも低コストで問題を解決できる将来有望な対策の一つとなるよう、その後も開発が続けられる予定である。
      • 原文 Nov. 30, 2018, 欧州委員会(野口美由紀)
    • 【6】 EMSA:硫黄含有分規制のモニタリングに臭覚性探知機を導入
      • 【6】船舶燃料中の硫黄含油分規制に対する取締を行うため、デンマーク海事庁では同国のExplicit社が開発した集臭機がすでに活用されているが、欧州海上保安機関(European Maritime Safety Agency:EMSA)は、IMOの2020年規制強化に対応して取締り能力を強化をするため、同型の臭集機を導入する契約を同社と締結した。同社はドローンの開発会社等と連携して、EMSAがドローンに搭載した集臭機を利用して取締りができるよう技術開発を行う予定。デンマーク海事庁は、バルト海に排出規制海域を設置し、硫黄含有分規制を0.1%以下の規制強化したのちに、デンマークの大気中の船舶起源の硫黄分が大幅に減少したとしている。
      • 原文 Dec. 4, 2018, Ship and Bunker(野口美由紀)
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