2018/12/10LROニュース(6)

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  • 2018.12.11 UP
    2018/12/10LROニュース(6)
    • 【1】 中国が今度はスペインとポルトガルに投資攻勢をかける
      • 【1】中国の習主席はアルゼンチンで開催されたG20に出席する前の11月27日)にスペインを、帰りの12月4日にポルトガルをそれぞれ訪問した。米国との間の貿易戦争が激化し、独仏をはじめとする主要EU加盟国が中国による直接投資に対する警戒を強めている中で、EUの中でもこうした姿勢の弱いスペインとポルトガルに焦点を定めて攻勢をかけている。中国のEU諸国への投資は絶対額では英・独に対する投資の方が多いが、GNPに対する比率でみると、スペインとポルトガルに対する投資の方が、英独を上回っている。具体的には、スペインでは、バレンシア港とビルバオ港を運営するコンテナターミナル運営会社のNoatum Portの株式の51%をCOSCO Holdingsが取得している。ポルトガルに対する中国の投資は2010年から2016年間で、同国のGDPの3.6%に達しており、欧州諸国の中ではフィンランドに次いで最高レベルとなっている。
      • 原文 Nov. 28, 2018, Euractiv(長谷部正道)
    • 【2】 欧州委員会:2050年までにGHG排出実質ゼロを目指した長期戦略を策定
      • 【2】11月28日、欧州委員会は2050年までにGHG排出量を実質ゼロ(気候ニュートラル:climate neutral)とする長期戦略「A Clean Planet for all」を発表した。本戦略は、3月に欧州理事会から策定を求められていたもので、パリ協定の目標に即したビジョンや計画を提示し、関係者や研究者、事業家、市民らに革新的な産業やビジネスの発展を促すとともに、気候ニュートラルへの移行において社会的公平性の確保や国際市場での競争力強化も目指している。また、気候ニュートラル経済の実現に向け、協調行動が必要な戦略的分野として①エネルギー効率②再生可能エネルギー③クリーンかつ安全な移動手段④産業競争力と循環型経済⑤インフラとそれら相互接続性⑥再生可能な生物資源を活用したバイオ経済と森林など自然炭素吸収源⑦炭素回収貯蔵の7分野を挙げている。今後のステップとして、欧州委員会は、欧州理事会・欧州議会・諮問機関である経済社会評議会と地域委員会に審議を要請している他、全てのEU機関、各国議会、産業界、NGO、若者を中心とした市民に対し、EUが引き続きリーダーシップを発揮できるよう議論に参加することを呼び掛けている。
      • 原文 Nov. 28, 2018, 欧州委員会(野口美由紀)
    • 【3】 ヤマルLNG:ノルウェーにおける船舶間の積み替えが本格始動
      • 【3】ノヴァテクのヤマルLNG事業の生産は、想定外のペースで順調に進んでおり、2019年上半期には1000万トンの生産が見込まれ、輸送用のArc. 7クラスの新造LNGタンカーの建造が追い付かない状況にある。このため、現在あるArc. 7クラスのタンカーの回転率を上げるため、従来、積み替え基地として使用してきた仏・蘭・ベルギーのLNGターミナルに代えて、ヤマルからより近いノルウェーのホニングスボーグで船舶から船舶への積み替えを実施することで、Arc. 7クラスの航海距離を最低2000㎞短縮することとなった。この方法で、11月から来年6月末までに、最大160回の航海を行い、1170万トンのLNGを輸送することが予定されている。アジア産のLNGの価格が低下する一方で、海上輸送コストが上昇したため、ヤマル産のLNGをアジア市場に輸出するうまみは薄れ、少なくとも2019年半ばまでは欧州市場が輸出の中心となる見込み。
      • 原文 Nov. 27, 2018, Reuters(長谷部正道)
    • 【4】 UNEP:パリ協定の2℃目標達成には3倍の取組努力が必要と警鐘
      • 【4】11月27日、国連環境計画(UNEP)が2030年に予想されるGHGの排出水準と2℃/1.5℃目標を達成するために必要な水準とのギャップを評価した年次報告書「2018年GHG排出ギャップ報告書(2018 Emissions Gap Report)」を公表したところ、その概要は以下のとおり。①2℃/1.5℃目標達成に向けた排出ギャップを技術的に埋めることは可能であるが、現在の国別削減目標(Nationally Determined Contributions:NDCs)では、気温上昇を1.5℃に抑えることはできない。2℃目標達成には3倍の努力が、1.5℃目標達成には5倍の努力が必要である。②2014年からの3年間、世界のCO2排出量はほぼ横ばいであったが、2017年はエネルギー部門や産業部門からのCO2排出量が増加し、4年ぶりに世界の年間CO2排出量も増加した。2℃目標達成には、GHG排出量を2030年に2017年比25%削減、1.5℃目標の場合は同55%削減する必要がある。③自治体や企業など非国家主体による排出削減行動は、政府の野心を高める上でも排出ギャップを埋める上でも大きな影響をもたらし得るが、現在それら主体による排出削減量は非常に限られており、国家同様、明瞭かつ定量化できる目標を取り入れた政策を実行する必要がある。④財政政策の改革は、低炭素とGHG排出削減への投資に強いインセンティブを与えるが、多くの国において炭素価格付けが導入され始めた段階にすぎず、その内容も低炭素社会への真の移行を促すのに十分とは言えない。
      • 原文 Nov. 27, 2018, UNEP(野口美由紀)
    • 【5】 中国政府、日本のヘリ搭載護衛艦の空母改装を強くけん制
      • 【5】海上自衛隊のいずも型ヘリ搭載護衛艦の空母改装について、中国外交部は単なる能力向上に留まらず、攻撃目的への用途変更と評するとともに、日中両国関係の雪解けに水を差す危険があると警告している。全長248mのいずも型護衛艦は海上自衛隊最大の水上戦闘艦で、災害救助における迅速な対応と対潜水艦能力等を有している。現在は2隻が就役し、2隻が建造中、2隻が計画中である。岩屋防衛大臣は11月27日、年末に作成する「防衛計画の大綱」にこの改修計画を明記する方向を示すとともに、搭載機としてF35Bステルス戦闘機導入の可能性を示唆した。日本の防衛関係者によれば、いずも型護衛艦での固定翼機運用は設計段階から考慮されており、エレベータや甲板塗料もF35Bのような機体の運用を想定している。戦闘機の運用に向け、スキージャンプ型の発艦装置を飛行甲板に付加する可能性もあるという。
      • 原文 Nov. 29, 2018, Asia Times(武智敬司)
    • 【6】 EMSAが新たに4機の海洋監視ドローンの契約を締結
      • 【6】欧州海上安全機関(EMSA)は、遠隔操縦航空機システムをベースにした海洋監視サービスの契約を4件締結したことを明らかにした。EMSAはすでに2017年に同様のサービスを加盟国に提供しているが、今回の契約は加盟国からの需要の増加に応えるものである。今回の契約により、EU当局による違法操業監視や薬物密輸監視、欧州対外国境監視のほか、海洋汚染監視や違法排出の取締り、捜索救助などの海上保安業務において加盟国の海上保安機関に更なる支援を提供できることとなったとEMSA事務局長は説明している。
      • 原文 Nov. 29, 2018, EMSA(武智敬司)
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