2018/11/26LROニュース(6)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2018/11/26LROニュース(6)

記事アーカイブ

  • 2018.11.27 UP
    2018/11/26LROニュース(6)
    • 【1】 海洋環境の負荷低減に向け活発化する政府や海運業界への働きかけ
      • 【1】11月13日、環境保護団体のClientEarth、Coalition Clean Baltic、Oceanaなど5団体は共同で、欧州の各国政府に対し、海洋環境の改善に向けた緊急の政治的行動を取るよう求める発表を行った。同団体らは、欧州の海洋保護区は生物多様性の消失や海洋生息環境の破壊、魚の乱獲等の問題に対する対策が不十分であり、取組努力よりも環境破壊の方が速いペースで進んでいると主張している。一方、気候変動対策については、政府に対する働きかけのみならず、アントワープ港やバルセロナ港、ロングビーチ港など欧米の6つの主要港湾が連合を組み、「世界港湾気候行動イニシアティブ(World Ports Climate Action Initiative)」を開始し、海運業界に対してパリ合意の内容を果たすよう求める動きも出ている。
      • 原文 Nov. 14, 2018, The Loadstar(野口美由紀)
    • 【2】 海運会社大手のEuronavも粗悪燃料油の被害を受ける
      • 【2】原油輸送タンカーの運航を手掛けるベルギーの大手海運会社EuronavのCEOは、第三四半期の収支報告の中で、同社の船舶3、4隻がメキシコ湾を起点に発生・拡大している粗悪燃料油の供給被害に遭ったことを明らかにした。供給された燃料は、仕様どおりだったため、通常の納品前検査では異物の混入は検出されなかった。本問題は、特に残渣燃料の貯蔵に関する問題で収束までに時間がかかり、硫黄含有分規制が強化される2020年1月以降も重油を使用できるスクラバー搭載船には今後も影響をもたらす可能性があると同CEOは指摘している。
      • 原文 Nov. 8, 2018, Insurance Marine News(野口美由紀)
    • 【3】 米議会報告書:世界における米国の役割
      • 【3】米国議会調査局が10月26日付でまとめた報告書「世界における米国の役割」の概要は以下のとおり。第2次大戦以降、米国は世界のリーダーの一つとして国際情勢に大きく関与してきた。その主要な要素とは、米国とその同盟国が戦後に作り上げた自由主義的な国際秩序の保護及び促進であり、普遍的価値としての自由、民主主義、人権の保護及び促進である。そのために米国は独裁主義的あるいは反自由主義的な政権に対抗し、ユーラシア大陸や影響圏内における覇権国の台頭に反対してきた。このような米国の役割は、米国にとって正しかったあるいは将来にわたって正しいと必然的に位置付けられる訳ではなく、多くの擁護者がいる一方で、外交政策、戦略、政策立案、公共政策の専門家の間で批判やその功罪についての議論も行われている。この議論の一つは、米国はこれまで同様積極的に国際情勢に関与していくべきか、より抑制的にあるべきかにある。本報告書は、近年盛んになっている米国の世界における役割についてまとめたものである。
      • 原文 Nov. 14, 2018, USNI(武智敬司)
    • 【4】 長期的な対中国安全保障政策には連邦政府と州政府の間の情報共有が必要
      • 【4】(論説)豪・中の二国間関係は難しさを増しており、11月12日に、連邦政府の意思にかかわらず、ビクトリア州政府が中国と一帯一路政策の推進にかかわる覚書を締結したように、豪国内ですら連邦政府がすべて対中国政府を取り仕切れるわけではない。経済的な利益を優先する州政府に長期的な国家安全保障上のリーダーシップを求めることは現実的ではないが、中国の野心について連邦政府と州政府の指導者が共通認識を持たない限り、中国政府に付け入る隙を与えるだけである。現状では機密情報を州政府と十分に共有できておらず、州政府指導者が中国の投資により将来的にどのような国家安全保障上の懸念が生じうるのか判断するのを困難にしている。連邦政府と州政府の情報共有を進めれば、中国によるサイバー攻撃や豪国内の中国語メディアに対する支配力、重要インフラの脆弱性といった脅威に有効に対処していくことができる。
      • 原文 Nov. 13, 2018, Lowly Institute (長谷部正道)
    • 【5】 付加価値税を環境被害付加価値税に変更すれば製品等の持続可能性が向上
      • 【5】物やサービスに課す付加価値税(value-added tax : VAT)を環境や人体への影響度合いに応じて課す環境被害付加価値税(damage and value-added tax : DaVAT)に変更すれば、製品生産やサービスの持続可能性は向上し得るとする新たな研究を欧州委員会が紹介しているところ、その概要は以下のとおり。①EU法には長い間、汚染者負担の原則が存在しているが、様々な環境的・法的・社会経済的な要因により統一された方法での実施には至っていない。②しかし、DaVATはそれら難点を克服し、現在のVAT制度を「ライフサイクルアセスメント:LCA」(原料採取から処分まで製品のライフサイクル全体の環境影響を評価する手法)の結果に基づき調整したどの国にも適用可能なものである。③DaVATは、全ての物とサービスに適用する統一した低率VAT「統一VAT(Uniform VAT : UVAT)」、LCAで評価された環境影響に基づく単位当りの税「国際被害税(Global damage tax : GDT)」、国特有の環境的・社会的・倫理的懸念事項を反映した被害税「特定被害税(Specific damage tax : SDT)」の3要素を合計したものである。④DaVATは生産者や消費者に自身の活動に起因する環境影響に対して責任を持つよう促すものとなる。
      • 原文 Nov. 15, 2018, 欧州委員会(野口美由紀)
    • 【6】 バラスト水管理システムに関し米国内の規制を統合する法案が上院を通過
      • 【6】現在、米国沿岸警備隊(USCG)と環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が別の根拠法に基づいて、バラスト水やその他の船舶からの排水規制を個別に実施し、さらには20を超える州政府が独自の規制を実施しているため、船主はバラスト水に関する全ての規制を遵守するために非常に複雑な手続きと割高なコストを負担している。上院は11月14日に船舶の通常運航に伴う船舶排水法(The Vessel Incidental Discharge Act: VIDA)を賛成多数で承認したが、VIDAは科学的な根拠に基づき、既存の複数の環境保護に関する技術的な規制を統合したもので、VIDAの下で、USCGとEPAは、州政府と協議しながら、バラスト水をはじめとする船舶からの一時的な排水について、共同で規制を実施していくこととなる。また処理後のバラスト水に含まれる繁殖能力のない生物については死んだものとみなすことができるようにVIDAによって既存のUSCG規則を改正する。
      • 原文 Nov. 15, 2018, Safety4Sea (Julie Harper)
  • 資料閲覧 その他