2018/10/26 LROニュース(6)
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2018.10.29 UP
2018/10/26 LROニュース(6)
- 【1】 低硫黄燃料油への切替計画を立て燃料タンクの清掃も来年上半期に着手すべき
- (論説)2020年規制適合対策として低硫黄適合燃料油(LSFO)への切り替えを予定している船主・船社等は、いつ燃料の切り替えを行うかの検討を直ちにはじめ、理想的には2019年上半期に燃料タンクの清掃を着手し、LSFOに切り替えておくことが望ましい。また、いつ燃料タンクを清掃し、適合油を補給したか等についてきちんと記録を残すことがIMOの規則で要求されることになる見込みである。
- (論説)2020年規制適合対策として低硫黄適合燃料油(LSFO)への切り替えを予定している船主・船社等は、いつ燃料の切り替えを行うかの検討を直ちにはじめ、理想的には2019年上半期に燃料タンクの清掃を着手し、LSFOに切り替えておくことが望ましい。また、いつ燃料タンクを清掃し、適合油を補給したか等についてきちんと記録を残すことがIMOの規則で要求されることになる見込みである。
- 【2】 IPCC特別報告書:現状の対策では1.5℃目標は到底達成できず
- 10月8日、気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change : IPCC)が特別報告書「1.5℃の地球温暖化(Global Warming of 1.5℃)」を発表し、早急かつ相当な取組努力を喚起しているところ、その概要は以下のとおり。①人間の活動が原因で地球の気温は産業革命以前と比べてすでに1℃上昇しており、現状が続けば2030年から2052年の間に1.5℃に達する可能性がある。②気温上昇を1.5℃に抑えるには、人類起源のCO2純排出量を2030年までに2010年レベルから約45%削減し、今世紀半ばにはゼロにする必要がある。これには、全部門での大幅な排出削減、多様な緩和政策、大規模な投資が求められ、それによりエネルギー、土地利用、インフラ、産業システムにおける迅速かつ、かつてない規模での転換が必要である。さらに、今世紀中に植林や地中への貯留によって100-1000GtのCO2を大気中から取り除く必要もある。③現在各国から提出されている削減目標では、2030年にCO2換算で年間52~58GtのGHGが排出されるとみられ、たとえその後非常に野心的な排出削減に取り組んだとしても1.5℃以内に抑えることはできない。2030年より十分前に世界のCO2排出量を削減し始めることが唯一1.5℃目標を達成する方法である。
- 10月8日、気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change : IPCC)が特別報告書「1.5℃の地球温暖化(Global Warming of 1.5℃)」を発表し、早急かつ相当な取組努力を喚起しているところ、その概要は以下のとおり。①人間の活動が原因で地球の気温は産業革命以前と比べてすでに1℃上昇しており、現状が続けば2030年から2052年の間に1.5℃に達する可能性がある。②気温上昇を1.5℃に抑えるには、人類起源のCO2純排出量を2030年までに2010年レベルから約45%削減し、今世紀半ばにはゼロにする必要がある。これには、全部門での大幅な排出削減、多様な緩和政策、大規模な投資が求められ、それによりエネルギー、土地利用、インフラ、産業システムにおける迅速かつ、かつてない規模での転換が必要である。さらに、今世紀中に植林や地中への貯留によって100-1000GtのCO2を大気中から取り除く必要もある。③現在各国から提出されている削減目標では、2030年にCO2換算で年間52~58GtのGHGが排出されるとみられ、たとえその後非常に野心的な排出削減に取り組んだとしても1.5℃以内に抑えることはできない。2030年より十分前に世界のCO2排出量を削減し始めることが唯一1.5℃目標を達成する方法である。
- 【3】 米国環境保護庁の新VGP案が2019年3月に公表される見通し
- INTERTANKOが米国船主協会(Chamber of Shipping America: CSA)から米国環境保護庁(EPA)によるVessel General Permit (VGP)の改訂見通しについて最新の情報を入手したところその概要は以下のとおり。①現在のVGP(第2版)の改訂案(第3版)はもともと2017年後半に発表され、2018年夏には最終版が確定する予定であり、EPAは今回の改訂は大幅なもので、関連業界が新たなVGPを遵守するためにはそれなりの準備期間がかかると警告していた。②改訂作業が大幅に遅れ、現在のVGPの有効期限が2018年末までとなっている現状では、年末までに新たなVGPの要求事項に沿った対応をとることが事実上不可能となっている。③EPAは2019年5月にVGPの改定案を発表し、改正案に対して意見を申し立てる期間を30日間とするとCSAに通告してきた。④したがって、EPAは新しいVGPが最終化し適用が開始されるまで、現在のVGPの有効期限を延長する。⑤新造船で12月18日前に起工し、現在のVGPの適用を受けたい場合は、その旨の申請書をEPAに提出し、同日までにEPAの承認を得なければならない。
- INTERTANKOが米国船主協会(Chamber of Shipping America: CSA)から米国環境保護庁(EPA)によるVessel General Permit (VGP)の改訂見通しについて最新の情報を入手したところその概要は以下のとおり。①現在のVGP(第2版)の改訂案(第3版)はもともと2017年後半に発表され、2018年夏には最終版が確定する予定であり、EPAは今回の改訂は大幅なもので、関連業界が新たなVGPを遵守するためにはそれなりの準備期間がかかると警告していた。②改訂作業が大幅に遅れ、現在のVGPの有効期限が2018年末までとなっている現状では、年末までに新たなVGPの要求事項に沿った対応をとることが事実上不可能となっている。③EPAは2019年5月にVGPの改定案を発表し、改正案に対して意見を申し立てる期間を30日間とするとCSAに通告してきた。④したがって、EPAは新しいVGPが最終化し適用が開始されるまで、現在のVGPの有効期限を延長する。⑤新造船で12月18日前に起工し、現在のVGPの適用を受けたい場合は、その旨の申請書をEPAに提出し、同日までにEPAの承認を得なければならない。
- 【4】 米ロングビーチ港が環境・防災対策の観点からマイクログリッドを導入
- 米ロングビーチ港は、カリフォルニア州エネルギー委員会から、500万ドルの助成を得て、総額710万ドルで、港湾の重要な機能を災害時に守り、環境にも配慮したマイクログリッド(特定の地域内で発電し、当該地域内で消費する閉じたエネルギーシステムのこと)を導入すると、10月10日発表した。具体的には、自動車駐車場の屋根に太陽光パネルを設置し、発電した電力を蓄電するシステムと緊急時対応にあたる共同司令管理センター(Joint Command and Control Center)のエネルギー管理ステムを開発・設置する。同港では、荷役機械の電化が進んでおり、災害発生時に通常の電源供給が停止した場合に、港湾の機能を維持するため独自の災害に強い電源を確保する必要がある。当面1年間システムの試験運行を行って、必要な情報を収集し、カリフォルニア州の他の港湾とも情報を共有する。
- 米ロングビーチ港は、カリフォルニア州エネルギー委員会から、500万ドルの助成を得て、総額710万ドルで、港湾の重要な機能を災害時に守り、環境にも配慮したマイクログリッド(特定の地域内で発電し、当該地域内で消費する閉じたエネルギーシステムのこと)を導入すると、10月10日発表した。具体的には、自動車駐車場の屋根に太陽光パネルを設置し、発電した電力を蓄電するシステムと緊急時対応にあたる共同司令管理センター(Joint Command and Control Center)のエネルギー管理ステムを開発・設置する。同港では、荷役機械の電化が進んでおり、災害発生時に通常の電源供給が停止した場合に、港湾の機能を維持するため独自の災害に強い電源を確保する必要がある。当面1年間システムの試験運行を行って、必要な情報を収集し、カリフォルニア州の他の港湾とも情報を共有する。
- 【5】 AMAPが北極海の酸性化の影響について報告書を発表
- 10月9日、北極海監視評価計画(Arctic Monitoring and Assessment Program: AMAP)は今後数十年間に、北極海の酸性化が与える環境面と社会経済面の影響を分析した報告書を発表した。AMAPは8か国がメンバーとなり、北極海環境保護戦略(Arctic Environmental Protection Strategy: AEPS)の一環として、1991年に設立され、環境汚染と気候変動の観点から、北極海地域を監視している。北極海の酸化の影響は生態系ごとに様々だが、本報告書では①ノルウェーの昆布とウニ②バレンツ海のタラ③グリーンランドのエビ漁④アラスカの水産業⑤カナダ北極海西部の北極海タラの個別ケースについてケーススタディを行った。例えば、酸性化により、ノルウェー北部のウニ生息域は、今後30年間で1/7に縮小し、グリーンランドのエビ漁も壊滅的な影響を受けるとの結果が報告されている。また、北極海酸性化の影響は北極海にとどまらず、商業漁業が現在盛んにおこなわれている北大西洋の大陸棚海域にも影響が及ぶと警告している。
- 10月9日、北極海監視評価計画(Arctic Monitoring and Assessment Program: AMAP)は今後数十年間に、北極海の酸性化が与える環境面と社会経済面の影響を分析した報告書を発表した。AMAPは8か国がメンバーとなり、北極海環境保護戦略(Arctic Environmental Protection Strategy: AEPS)の一環として、1991年に設立され、環境汚染と気候変動の観点から、北極海地域を監視している。北極海の酸化の影響は生態系ごとに様々だが、本報告書では①ノルウェーの昆布とウニ②バレンツ海のタラ③グリーンランドのエビ漁④アラスカの水産業⑤カナダ北極海西部の北極海タラの個別ケースについてケーススタディを行った。例えば、酸性化により、ノルウェー北部のウニ生息域は、今後30年間で1/7に縮小し、グリーンランドのエビ漁も壊滅的な影響を受けるとの結果が報告されている。また、北極海酸性化の影響は北極海にとどまらず、商業漁業が現在盛んにおこなわれている北大西洋の大陸棚海域にも影響が及ぶと警告している。
- 【6】 ReCAAP ISC週刊報告書(10月2日から8日)
- アジア海賊対策地域協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)は、発表した週刊報告書(10月2日から8日)によれば、比のギマラス島とネグロス島の間の海域で、10月3日にトロール漁船に対して武装強盗事件が発生したほか、アジア域外では、10月2日に、エクアドルのグアヤキル川で航行中のマースクのコンテナ船に複数の賊が侵入し、乗員1名が襲われて額に小さな傷を負ったが、賊は乗員に発見された後、何も取らずに退散した。エクアドルの沿岸警備隊が捜査を行ったが、賊を発見することはできなかった。
- アジア海賊対策地域協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)は、発表した週刊報告書(10月2日から8日)によれば、比のギマラス島とネグロス島の間の海域で、10月3日にトロール漁船に対して武装強盗事件が発生したほか、アジア域外では、10月2日に、エクアドルのグアヤキル川で航行中のマースクのコンテナ船に複数の賊が侵入し、乗員1名が襲われて額に小さな傷を負ったが、賊は乗員に発見された後、何も取らずに退散した。エクアドルの沿岸警備隊が捜査を行ったが、賊を発見することはできなかった。